【読書感想】三浦しをん「愛なき世界」
三浦しをんの「愛なき世界」を読んだ。
三浦さんの作品は、これまで「風が強く吹いている」と「舟を編む」の2作品を読んだことがあるが、
どちらも専門性に富んでいて(「風が強く吹いている」は大学駅伝、「舟を編む」は国語辞典の編集部)、今回読んだ「愛なき世界」も大学の植物学研究室というニッチな舞台だ。
「愛なき世界」は「愛」という概念なく生殖を続ける植物の世界を指しているが、物語自体は「愛」に満ち溢れている。
その対比に感嘆しながらも、最後まで読むと「好きで始めたはずなのに、止