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スペイン巡礼 銀の道 Vía de La Plata 22,23日目(Morille- Salamanca)

4月28日。Salamancaまでの19.9km。

3週間前にこの道を歩き始めた時、自分がここまで到達することが出来るなんて想像もできなかった。
左足の親指にバイ菌が入り、Zafraで病院に行くアクシデントもあったけど、怪我することも、体調を崩すこともなく、こうして順調に歩いて来れたことは本当にラッキーでした。

毎朝早起きし、歩いて、食べて、寝ての繰り返し。単調な生活なのに生き生きとしている自分がいました。仕事を辞め、期間も決めずにスペインの中を歩きながら見て回る生活をしているのだから生き生きと過ごせるのは当たり前かもしれない、でもその日どこまで、何km歩くと言うゴールを設定し、その目的を達成するために頑張ると言う行為、そしてその地に辿り着いた時に感じる達成感は半端なく、自分で自分を誇りに思うことができた。


そんな気持ち良い感覚、ここ何年も味わっていなかった。


そしていつ頃からか、いつも笑顔でいる自分がいた。
自分で自分を好きだと思えた。



この日は20kmに満たない距離だったので
日の出後の朝8時前出発。
遥か向こうにうっすらSalamancaの街が見えます。
先が見えないどこまでも続く道も一歩一歩進んでいけばいつかはゴールへと辿り着ける。
Salamancaに入る手前の丘に十字架が建てられてました。
Salamancaが見えて来ました。ここまで大きな街はSevilla以来。
Salamanca郊外から公園や住宅街を通り抜け、
ようやく旧市街が見えて来ました。手前の橋はRío Tormes(トルメス川)に架かるローマ橋

自分の位置情報をシェアしているカリフォルニアの家族のような存在の友人がSalamancaに入ったと同時に到達おめでとう!のメッセージをくれた。1人で歩いているので安否確認の目的で位置情報をシェアしてたけど、こんなタイミングよくメッセージをもらうと見守ってくれてるようで嬉しかった。

1988年に世界遺産に登録されたSalamancaの旧市街

この日、宿へ向かう途中でまた雨、その後また雹。
幸いにも既に旧市街入っていたので今回はびしょ濡れになる前にカフェで雨宿りできました。

SalamancaのBocadilloは上品なサイズ。
嵐の去った後のPlaza Mayor(マヨール広場)

アルベルト・チュリゲラによって設計されたバロック様式のこの広場はスペインで最も美しい広場と言われているそうです。実際、巡礼で訪れた街の中心にある広場の中でここが一番美しく、大きかったです。

全部で88個あるマーヨール広場のアーチ

この広場を囲むように多くのレストラン、カフェ、その他のお店が沢山ありました。ここにあったパン屋、値段も高くなく、サイズも大きくて美味しかったです。

Meridaで泊まったアパートメントホテルがあまりにも快適だったのに味を占め、
Salamancaでもアパートメントホテルに滞在。

Merida同様、中心から少し離れた場所でしたが、お手頃価格でこれまたかなり広い部屋。近くにアジア系のスーパーがあったのでラーメンを購入して調理。スペイン料理は大好きだけど、やっぱり日本食が食べたくなる。

リビング兼テレビルーム
ここのシャワーの水圧も最高に良かった。
このガラスの向こうは歩道

一階でしたが、ドアも磨りガラスでカーテンを閉めれば外から見えないように完全に遮断できたので夜も気にせず快適に眠れました。

日が暮れた後のライトアップされたマヨール広場。
右正面はサラマンカ市庁舎
奥正面の建物はPalacio de Monterrey(モンテレー宮殿)
サラマンカで唯一、現在も王室が居住している宮殿だそうです。
100年以上の歴史を誇ると言うMercado Central de Salamanca(サラマンカ中央市場)
時間が合わず、残念ながら中は見れず。
Casa de las Conchas(貝の家)、15世紀のゴシック様式の建物。
300以上もの貝のオブジェが飾られていて、
そのうちのひとつの下に、宝物が隠されているという伝説があるそうです。
現在はサラマンカ大学の公立図書館

初日の夜は顔見知りのPeregrino達も含め、総勢9人で晩御飯。サラマンカは学生の街と言うのもあって財布に優しいレストランが多くあり、僕らはここのレストランで夕飯を食べました。めっちゃくちゃ美味しいわけではないけれどボトルワインもなんと€10以下で安さは最強でした。

翌日4月29日。
サラマンカ2日目は朝から観光。街中で巡礼仲間のコロンビア人のマルタやオーストリア人のロベルトに遭遇。僕のように何人かはサラマンカで2日間過ごしてました。

2018年に800周年を迎えた世界でも最も長い歴史を有する、
オックスフォード、パリ、ボローニャに次ぐ四大大学の一つ、
スペイン最古の大学、サラマンカ大学。

「知識を欲する者はサラマンカへ行け」と言わしめた大学だとか。
この大学の中は、現在は使われておらず博物館となっているそうです。

ルイス・ポンセ・デ・レオン教授像
16世紀、旧約聖書の一部をスペイン語に翻訳したため、
カトリック教会の反発を受けて5年間投獄されたそうです。
サラマンカ大学正門

このファサードには一匹の蛙が彫られていて、それを見つけると幸せになれると言われているそうです。骸骨の頭に乗っているらしく、よほど目のいい人でなければ見つけるのは容易ではないらしい。
この建物前でカエルの飾りを売ってるおばちゃんがいたのはそのためだったのか。

Catedral Vieja de Salamanca(旧サラマンカ大聖堂)正面扉口、プラテスコ様式の傑作
Catedral Nueva de Salamanca(新サラマンカ大聖堂)

旧大聖堂はレコンキスタ後の1149年から1世紀半をかけ、キリスト教の基盤強化のために建設されたロマネスク様式の代表建築。堂内にあるキリストと聖母の生涯が53枚の絵画に描かれた、主祭壇の飾り衝立は必見だそうです(中には入らなかったので見ずじまい。また行くことがあれば是非見てみたい)。
新大聖堂は旧大聖堂が手狭になったため1513年に建設に着手。1560年にゴシック建築の大聖堂が完成するも、18世紀まで増改築が続き、ルネサンスやバロックなど、その時々の流行りの建築様式が取り入れられ、それらが融合した特異な建築になったそうです。新大聖堂は旧大聖堂を包み込むように建てられているので外から境目がわかりません。新大聖堂から入場し、旧大聖堂とは中でつながっているそうです。

新大聖堂のラモス門で石に刻まれた宇宙飛行士
1992年に改修工事が実施された際に付け足されたそうです。
Convento de San Esteban(サン・エステバン修道院)
1618年に建てられたドミニコ会の修道院。
コロンブスがサラマンカ大学で天文学を学ぶために
滞在した場所がこの修道院だそうです。
Casa de las Conchas(貝殻の家)の前に位置する左手の建物は
バロック様式のScala Coeli Torres de la Clerecia
(私立ポンティフィシア大学付属のクレレシア教会の塔、
スカラ・コエリ、天国への階段と呼ばれているそうです)
入場料€3.75を払って約200段の階段を登ったスカラ・コエリからの眺め
Salamancaの街並み、さらにその向こうの方まで見ることができます。
正面の建物がサラマンカ新旧大聖堂
サラマンカの街並み

この日の午後はどうしても入手しておきたかった物、手袋を購入しに。カスティーリャ・イ・レオン州に入ってから気温が思った以上に低く、特に朝方は歩いているときに手が悴むほど。サラマンカに到達するまでも手袋を探していたけど手袋自体売っているところなどなく。サラマンカなら大きな街だから必ずあるだろうと思ったので街観光をキリの良いところで切り上げて手袋探ししました。4〜5件回ってようやく入手。

夜はポールとお互いの宿の近くにあったバルで飲み会。この日はポールと最後の日。
僕は明日から歩きを再開。彼はもう2日間滞在した後、Sevillaまでバスに乗って行き、そこからドイツへ帰国。彼の歩きは今回はサラマンカまで。来年ここからSantiago de Compostelaまでを歩く予定。
初日で出会ったもう1人のPeregrino、イタリア人のアンドレアはMerídaから一緒に歩いていた友人が足を痛めたため1週間前にCaceresで無念のリタイア。来年Caceresから再開。

初日に出会った2人がもう歩いていないと思うと寂しい気持ちになりましたが、2人には自分の位置報告を兼ねて、最終ゴールのSantiago de Compostelaまで連絡するよと約束。


世界遺産に指定されたサラマンカの旧市街、歴史的建造物がひしめく見どころ満載な街で2日間堪能しました。


Salamancaで2泊したアパートメントホテル:
Apartamentos Vacceas by gaiarooms €88.70(一泊€44.35)

チェックインなどのやり取りは全てWhatsAppかBooking.comのアプリ内のメッセージです。
アルベルゲに泊まるとかなり経済的ですし、知り合いもできたので皆で話したりするのは楽しいけど、イビキが凄すぎて眠れない日が続くと怪我や体調を崩す事にも繋がるので1週間に一度くらいはこうして1人部屋を確保して自分だけの空間を持つようにしてました。

余談:公営のアルベルゲに泊まったPeregrino達はあまり良くなかったと言ってました。
ここを利用したPeregrino曰く、システムが少し変わっていて、12:00−13:00に荷物を置いてチェックインをするそうですが、その後16:00までクローズ。16:00から部屋に入ることが出来るけど、先にチェックインを済ませていても16:00の時点でその場にいてチェックインした人からベッドを選べると言う仕組み。荷物もベッドまでは持って行くことができず、入り口付近に置いたままで必要なものだけを持って上がると言うルールだったそうです。


残り517.6km。後半戦スタート!



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