見出し画像

銀の道(Via de La Plata)に向けて

15年住み慣れたニューヨーク、何度か職場を変えたものの、同じ業種、同じ役職をしてきて心身ともに疲れ果ててた。この生活から抜け出したい。そんなことを思う日々を過ごす中で随分前に読んだパウロコエーリョの本、星の巡礼が心に浮かんだのが昨年の夏。
春頃に一年後には退職したいですって意思をオーナーに伝えてはいたものの、その後の予定を全然立てていなかった自分に"そうだ! 巡礼を歩こう!"
と言う考えがその時芽生えた。

それを決めてからは仕事の合間、休みの日は巡礼を歩いた人たちのブログを読み漁ったり、巡礼に必要な物の買い物をしたり、歩く日程表を作ったりの時間を過ごすようになって、日々の中に楽しみが出来た。

時間が過ぎるのが早く感じるニューヨークの生活に旅の準備をする楽しい時間はそれに拍車をかけるように進んで行って、あっという間に仕事の最終日。
最終日の夜は仕事を終えた後にスタッフ皆がお別れ会を開いてくれて別れを惜しんでくれた。お酒が入ってたからかな、皆感情的になっていて中には俺がいなくなることに泣いてた子達もいて。後ろ髪を思いっきり引っ張られる思いだった。やっぱり辞めずにこのままいようかなって。
でももう離れるって決めた事。別れの時はいつもこんな気持ちになるものだって自分に言い聞かせた。

仕事を辞めてから旅立つまで日数を置いてしまうとますます離れがたくなるだろうと予想していたから辞めた3日後の4月3日に早々Sevillaに向けて出発。
スペイン巡礼の旅が始まった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?