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歌の神様といわれる、玉置浩二さんのライブで、観客が総立ちになった話(ライブレポ)

昨日(2/7)、日曜日に日本列島を急襲した玉置浩二旋風。
発端はこちらのツイートだったとか。

玉置浩二ショーでの、絢香さんとのコラボ。
この投稿から火がつき、玉置さんのいろんな時代の歌唱動画が、日本中でシェア→賞賛→シェアの嵐・・・

安全地帯世代ど真ん中ではない私は、
玉置浩二が好き、安全地帯が好き、
と言うたび変わり者扱いされてきたけど
日本中がわっしょい持ち上げる、夢のような1日でした。

(祭りの様子はこちらのまとめで👇)


さて、本稿は1/22に行われた、玉置さんのライブ備忘録。



“ОТТЕПЕЛЬ(オーチェペリ)” 公演
2021年 1月22日 @東京文化会館(開演18時)

全公演中止になった、2020年のビルボードツアーを挟み、約1年ぶりの玉置さんの肉声が聞けるライブ。個人的にも、2019年11月の安全地帯@甲子園球場以来でした。

(マイク通してるから肉声じゃないだろ、というツッコミは、玉置さんの場合通用しない。なぜならときどきマイクなしで歌うから・・・)

公式に敬意を評して、ビルボード公式のライブレポはこちら👇


さて、ついにその日がやってきた。

緊急事態宣言の発出によって、開始時間が繰り上げられて(イベントは20時までに終了)、17時開場・18時開演。

1年続くコロナ禍で、すっかり慣れてしまった検温・手指消毒をして入場。

(本当は、手じゃなくて喉をアルコールでうるおしたい・・・)

(精養軒の赤ワインとおつまみで、心をワインレッドにしたかったよね)

東京文化会館、大きすぎず落ち着く。
木の造形と、むき出しのコンクリートがモダン。

席の間引きはなく、密な空間といえる。
平日の夕方開始に繰り上がったことでのキャンセルかな、2−3人単位の空席がちらほら。

開演。

 ーーー以下セトリあり、ネタバレ注意ーーー

1. 歓喜の歌 (オケのみ)

新日本フィルハーモニー交響楽団と、指揮者の栁澤寿男さんが登場。

あのクラシックで有名な歓喜の歌ではなく、玉置さんが栁澤さんの著作に感銘を受けて作曲した、ビルボードクラシックス公演(以下「BC」)ではおなじみとなった曲。普通に(失礼?)ちゃんと(失礼?)クラシック曲で、玉置さんの作曲の幅の広さに脱帽する。

ちなみにこの曲、BC名古屋公演で、宿泊先のホテルに戻ったエレベーターホール(音が良く響く空間)にて、玉置さんがぱっと思いついて口ずさんで生まれた曲。その時スマホで録音したたスタッフさんえらい。

2. ロマン

安藤さと子さんとの結婚時代の、落ち着いた純愛の曲。
玉置さんは結婚相手によって人生のムードが変わるのか、ムードに合う相手だから一緒にいるのか、とにかく時代によって音楽の雰囲気が違う。
軽井沢で隠遁してたこの頃は、静かでシンプルな曲が多い。

マスクをつけたまま、玉置さんが登場。

マントをさっとひるがえす・・・ようなイメージでマスクをとる。
みんな思わず拍手(と笑い)。
マイクパフォーマンスならぬ、マスクパフォーマンス。

最近の玉置さんは、ほぼライブでしゃべらない。
なので、変人・奇人と言われがちな玉置さんの言動を見たいと思う、一見さんの期待はあっさり裏切るが、ものは言わなくても、玉置さんのサービス精神がなみなみ溢れていることは、しっかりと伝わるのだ。

3. Sacred Love

今回の照明、凝りすぎていなくて好き。

模様がくるくる動くような、こってりした演出は使わず、全体の光量と色だけでシンプルに演出。Sacred Loveの歌詞だと「暗い夜明け」といった歌詞に合わせて、薄白い明かりからオレンジに変わっていくとか。

木のベージュと、人の肌色、服の白黒、コンクリのライトグレー、マスクはおそろいのダークグレーで、シックな色のグラデーションで成り立つ舞台。その色の世界から逸脱しすぎない玉置さんの衣装。

4. いつもどこかで

ドラマ「あいのうた」で菅野美穂さんと夫婦役をやっていたころのアルバム『PRESENT』の収録曲。旅立つ子どもを背中を見守るような歌詞が、ドラマの役柄とクロスオーバーする。

サビのラストでの熱唱、BCで確実に昇華した曲のひとつ。

5. キラキラ ニコニコ

BCで採用されるまで、そんなに陽の当たっていなかった曲。アレンジもオケに合わせた歌唱も秀逸。

歌詞を歌い終わり、後奏から始まる玉置さんのフェイク。マイク離してるけど、メロディに合わせて歌ってるのがしっかり聞こえる。ひとり神々の遊び。

6. MR.LONELY~プレゼント~サーチライト

ドラマの主題歌メドレー。メドレーの演奏をオケにやってもらうのは贅沢すぎる気がして、そわそわしてしまうのだけど、限られた時間でみんなが聴きたい曲を必ず入れる、BC運営のサービス精神か。

7. Friend

曲の途中で玉置さんがいなくなる曲。

初めてBCで聴いたときはびっくりしたけど、歌パートが終わったら、オケ演奏中なのに玉置さんが舞台袖へと引き上げていく。もはやオペラの主役のよう。

休憩

Friendの演奏(玉置さんはもういない)が終わり、そのまま20分間の休憩へ。開演前は混んでた物販も、休憩時間はお買い時。

ちなみに今回のツアーパンフ、ほぼ写真だけ。これまでのツアーポスターの画像が贅沢にフルカラーページで載っていて、コレクター心はくすぐるが、制作秘話とか、文字情報を期待していると裏切られる。

セットリストが印字されていて、会場でセトリ表示すると人が密になっちゃうこのご時世で、おもしろい取り組みだなと思う。もちろん買った。

8. G線上のアリア(オケのみ)

後半のスタート、悲しく切ない弦楽器の音。

2018年、玉置さんのお母さんが亡くなった直後のBCでも演奏された曲。昨年末にお父さんが亡くなられている。

前半は落ち着いた曲が多かったので、後半はアップテンポの曲がくるかなと期待していた高揚感を、いったんクールダウン。落ち着け、まだ折り返し地点だ。

9. GOLD

再びのマスクパフォーマンスで、玉置さん登場。紺のジャケットに、ゆらゆら動く首元の長い白紐が特徴的。

衣装といえば、昨年末の渋谷セルリアンタワー能楽堂での無観客ライブ(WOWOW配信)での、Yohji Yamamotoの衣装が最高だった。今回の公演も、衣装は横田勝広さん。

10. 行かないで

BCで(たぶん)みんながいちばん楽しみにしている曲。

オケが最大に盛り上がり、迎える歌詞「行かないで」のファルセットがこの曲の真骨頂。ただ、ちょっといつもより調子が悪そう。この日の公演の前半戦もそうなんだけど、なんとなく本調子でないような感じ。

今回の指揮者、栁澤さんと妻の青田典子さんのインタビューにある通り、自粛期間で一度音楽をやめようかと思うほど落ち込んだり、喉を潰したりした時期があったそうで、その影響かな。がんばれ玉置さん、と祈りながら聴く。(とはいえ圧倒的なクオリティなんだけど…贅沢。)

11. ワインレッドの心~じれったい~悲しみにさよなら

前半のが玉置浩二(ソロ)メドレーなら、後半のは安全地帯メドレー。

「悲しみにさよなら」の終わりの歌詞、アドリブでアレンジして「愛を”世界中”のために」。コロナ禍の世界に向けて。

12. JUNK LAND

玉置ファンがこぞって名曲と挙げる「JUNK LAND」。私もこの曲が入っているアルバムがいちばん好きだ。「チェリー連れて」の歌詞を、「みんな連れて」に。ありがとう玉置さん。どこまでもついていきます。

13. 夏の終りのハーモニー

「夏の夜を飾るハーモニー」の歌詞を、「オーチェペリ(今公演のタイトル)の夜を〜」にアレンジ。ステージ上でまったくしゃべらない代わりに、歌詞でコミュニケーション取っているような、独特のマイクパフォーマンス。

しゃべっているのか歌っているのか、たぶんほぼずっと歌だった伝説の「Unplagged Live」から昇華して、行き着いたミニマムな最終形が、この歌詞のアレンジのような気もしている。

14. 田園(アンコール)

2020年の紅白で全国区になった、BCではおなじみの新旧田園アレンジ。田園(ベートヴェン)→田園(玉置浩二)が見事に織り混ざって、玉置さんの田園も、ベートーヴェンをリスペクトして作った曲なのかと思ってしまうほど。

オケの演奏から始まり、田園(玉置浩二)になると、玉置さんが舞台袖から走って登場。にっこり笑って、かわいすぎやしないかこの60代白髪おじさん。

後奏のスキャット、「Hey Hey Oh〜」の声量がやばい。しかもマイク使ってない。最後、ほんとに体全体からぎゅーっと力を放出するように、えび反りに体を倒しての大熱唱。

前半に私は何を心配していたのか。観客席は総立ち、スタンディングオベーション。ほんとに体が悪い方以外、全員立ち上がっていた気がする。

コロナ禍の1年で、体感することのできなかった何かに、一堂が震撼していた瞬間。

15. メロディー(アンコール)

残り時間が、ほとんどない。一度袖に引き上げた玉置さん、戻ってきて指揮者と相談、会場の時計を指差す、その指をみんなに向けて「1」のサイン。

「時間ないけど、あと1曲だけやるね」のサイン、これまたかわいい。

「メロディー」の最後のアカペラで、再びのスタンディングオベーション。鳴り止まない拍手。時間切れでもう出てこれない玉置さん。

無理やり公演終了したのは、退場時間含め20時ぎりぎりだった。


(今日2/11は、東京公演2回目、国際フォーラムに行ってきます。
 その記憶が上書きされる前に、ここに記録しておけてよかった・・・ぎりぎりw)

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