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9月18日


体力がようやく戻りつつある。
気圧の変化で、強めの頭痛が続いている。

イタリア・ボローニャ国際絵本原画展に行った。自分の中では毎年の恒例行事で、2002年から欠かさず行っている。今年は3年ぶりにイタリアでボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア(BCBF)が開催されたようで、喜ばしい限りである。
この原画展を開催している美術館は日本で数か所しかないのだけれど、それが偶然にも自宅の近くにある。石川県に住んでいた時は七尾美術館に行っていた。来春から関東勤務になれば(ならなくても)、板橋にも足を運びたいなと思っている。東京で行きたい美術館たくさんあるんだよな。

世界中から応募された約3800作品のうち入選した78作品が展示されているのだが、コロナ禍の影響で審査がかなり難航したらしく、最終審査まで審査員たちは原画を手にすることなくデジタル画面上で審査をしたのだそう。(例年は、応募された作品が広い部屋に並べられて、審査員たちが一枚一枚手に取りながら審査していた。)その原画たちを私たちは間近で見ることができるので、作品の温度や質感をダイレクトに感じる事が出来てよかった。美術館では惜しくも出会うことができなかった作品たちも、画面越しでは伝わらない良さがきっとあったのだろうなと思う。

作品のなかでも、ヨーロッパ特有というのか(気候やいわゆる石の文化の影響?なのかな)、Aardmanのshort filmを彷彿とさせるようなダークで少しぞわっとする感じのイラストや鈍い色使いが私は結構見入ってしまう。
急速に均一化していく文化のなかで、消えていく地域文化への思いを残したいという信念が垣間見える作品も多くあって、印象に残った。

気候変動や地域紛争、人権、孤独などの問題を抱えて混沌としている世の中で、絵本を手に取る子供たちに最後は何を伝えたいのか。最後まで絶望で終わるのか、あるいは勇気や共感を求めるのか。イラストレーターの方たちも審査員も深く悩んだだろう。自分なら子供たちにどんな世界を見せてあげたいと思うのだろうと考えていた。

原画展・BCBFのコンセプトは小さな読者を対象にしているけれど、絵本はどこまでも世界を肯定的に見せてくれるから、不思議だなと思う。気弱になったときにぽろっと出る素直さを包んでくれるような優しさもある。見ていて清々しいし、元気になる。

雑感はこの辺でとどめておきます。
台風の被害が少ないことを願います。皆無事でおってほしい。

YeYeさんの「どれも美しい」がとてもいい。落ち着くな。