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“菊田和男”という男

私にはその魅力のほとんどが理解できないような男だ、菊田和男。

私がそっち方面で幸せなことに縁遠いのは、そもそもこういう男に惹かれないせいなのかもしれない。こういう男に惹かれることができたなら、ひょっとして全然違う人生があったんじゃないだろうか?・・と。もう、そこまで考えさせられるような謎の男、菊田和男。

菊田和男とはどういう男なのか?

というと、私の印象なのだが、まずはこちらが理解に苦しむほどまっすぐに、本当にまっすぐに、自分の思いをひとりの女だけに向ける男。彼女に関する怒りも苦しみも痛みも全部自分の中で処理する男。彼女のためなら自分など省みない男。見ていてどこかバランスが悪いし、ちっともカッコ良くない。むしろ痛い男。

やっぱり得体が知れん男、菊田和男。
この男が、なぜかモテるらしい。「ストロベリーナイト」のいわゆる“菊田”のことなんで、まあ、仕方がない。

何にせよ、私は姫川玲子にも全く感情移入できないんだから(ていうか、できる人いるんだろうか?)菊田の魅力がわからなくても仕方がない。ヘビーな、いや、過ぎるほどヘビーな過去を持つ女が今考えていることなんて、普通は絶対に理解できないよ。

でも、菊田はおもしろいほど玲子を理解する、というか、理解しようとするので、またそれが女性の心を掴むんだろうか?そこに「愛」みたいなものを感じるんだろうか?決して報われないのに。私はそういうのダメだけどね。じゃあ、どういうのがいいのか?とかそういう話はまた別で。


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