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アカルイミライ。

雪解け水の滴り落ちる音が、雨が降っているのかと思わせる。
もう暫く、雪は地面を覆っているだろう。

コロナで都市封鎖が起きた時、ある図書館は貸し出し制限を撤廃し、児童に81冊を貸し出したそうだ。

城を枕に討死、という表現が有るが、本を枕に討死した司書がいたという。ユーゴスラビア内戦。聞き慣れない地名や知らなかった歴史が報道された。民族浄化。この恐ろしい言葉は、その時初めて聞いた。昨日までは、お互いが隣人だったのに。

焚火の材料にと、兵士が本を持ち出した。そんな事するもんじゃない、止めなさい!自分がいなくなったら、ここはどうなる?本を守る為に彼女は疎開せず、図書館に居続けた。電気もガスも無い。衰弱死したという。

明日は月曜じゃないのに、何でお休みなの?三、四歳くらいと思われる男の子が尋ねていた。月末はね、本をお休みさせる日なんだよと言われても納得出来ていない様子。休館日を知ってるとは常連か。彼にとってはいつでも来れる遊び場なんだろう。

本を守って落ち延びた司書もいた。中東で、首都爆撃を見越して徐々に本を疎開させた。全てを運び出した後で、図書館は炎上したという。

電子本のお世話になってるが、紙の本も新聞も好きだ。図書館と本屋に人が来る限り、紙の本は、まだ有るだろう。やはり「触れられなければ、寂しいもんだよね」

本屋に連れってってもらったら、どうかな?坊ちゃん。


<!--上図はAIが生成した物です-->





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