【ワイン備忘録 #2】ヴァイングート・マイヤー・アム・プァールプラッツ ヴィーナー・ゲミシュター・サッツ 2022
ヴァイングート・マイヤー・アム・プァールプラッツはオーストリアの首都ウィーンにて17世紀に設立された歴史のあるワイナリーです。
19世紀、併設されているホイリゲ(ワイン居酒屋)の2階にはベートーヴェンが住み、第九を作曲したとのことで、そのことはワインの裏ラベルにも書かれています。
詳しい内容が美しい写真と一緒にまとめられた記事を見つけたのでリンクを貼ります。とにかく読んだらウィーンに行きたくなること間違いなしです↓↓↓
今回のワインはゲミシュター・サッツ。
複数品種の混植混醸ワインです。
昔は複数品種を栽培することで病害虫による葡萄の全滅などを回避する目的で行われていた一般的な栽培方法でしたが、現在ではオーストリアやドイツのフランケンの一部など限られた場所で伝統的に醸造されています。
以前はホイリゲ用の安価な日常ワインという位置付けでしたが、2013年にヴィーナー・ゲミシュター・サッツDAC(オーストリアの原産地呼称制度)が認定され、ウィーンを代表する高級ワインという地位を獲得しました。
また近年では葡萄品種の個性にこだわらないテロワールを表現する手法としても注目されています。
〜ヴィーナー・ゲミシュター・サッツDACの規定(J.S.A教本より)〜
①品種
3つ以上の認定品種の混植混醸。
一品種最大50%。3番目の品種の割合が10%以上。
②アルコール度数
12.5%以下。
単一畑名付きワインの場合は最低12.5%。
③味わい
辛口で、樽の風味が強く意識されない。
単一畑名付きワインの場合は辛口に限らない。
土壌はフリッシュ(柔らかい泥灰土・砂岩)、石灰岩。2022年のウィーンは異常に乾燥した時期が続いたあと、ようやく念願の雨が降り、例年より早めに収穫が行われたという年だそうで、ワインはまろやかでバランスが良く仕上がっているそう。
フレンチフライや唐揚げ、カツレツなどカジュアルな揚げ物に合うと思います。もともとホイリゲで楽しまれているワインなので生ビール的に居酒屋メニュー全般、なんでもござれな感じでいけちゃいそうです。
〜テイスティングメモ〜
輝きのある(若干緑がかった)イエローで、粘性はやや弱め。香りはヴェルヴェーヌのような優しい清涼感。洋梨。スウィーティーのような苦味の少ない厚い皮の柑橘。石灰。白胡椒。スモーキーでスパイシーな印象もあり。
まず舌に乗る綺麗な酸が印象的。味わいはリースリングよりブルグンダー系に近く、後口にじわじわと広がる酸と旨みが心地よい。わずかなオイリーさが強めの酸をまろやかにまとめているように感じた。
品種 グリューナー・ヴェルトリーナー 40%、リースリング 30%、ロートギプフラー 15%、ツィアファンドラー 15%
参考価格帯 2000〜3000円
※品種メモ
ロートギプフラー:ウィーンの南、テルメンレギオンを原産地とする白ワイン品種。低めの酸、高い粘性、丸みのある味わい。ルーサンヌ的。
ツィアファンドラー(シュペートロート):ロートギプフラーと同じくテルメンレギオンの固有品種。味わいは対極的で、涼しげで伸びのある香り、高い酸、引き締まったボディ。直線的でミネラリー。リースリング的。
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