純粋4コマ主義に広がる無限(現代4コマオールスター展2024)
こんにちは。鯏副社長です。
8月5日〜7日に原宿のデザインフェスタギャラリーにて「現代4コマオールスター展2024」が開催されました。
20人程度の現代4コマ作家がこの展示に参加しており、私も数作品を展示させていただきました。
過去作から数作品と、新作の純粋4コマ主義を数作品。
過去作は現代4コマ公式アカウント(@gendai4koma)にて投稿されたものですので探してみてください。(「駐車場」がお気に入りです。)
このノートでは新作の解説をしようと思います。
純粋4コマ主義とは
純粋4コマ主義とは、
「4コマの枠内に何も描かれていない純粋な空間だけを見せることで、視覚的な空間の演出を極限まで追求する運動。 枠内に何も描かれていない状態の4コマだけが真の4コマであり、それ以外は純粋な美しさを持たないとされる。 また、純粋4コマ主義では、4つのコマが縦に並んだオーソドックスな形式の4コマのみを4コマと認めている。」(現代4コマwiki 純粋4コマ主義 概要)
ただコマが4つ並んでいるものを指すらしい。
これこそが現代4コマの原点にして頂点。これを飾らずに現代4コマ展は始まらないのではないか。
そう思った私は純粋4コマ主義を新作として展示することに決めた。
「純粋4コマ主義」とは
実は私が展示したのは純粋4コマ主義ではなく「純粋4コマ主義」である。
実際の展示がこれである。
見えるだろうか。
純粋な4コマが。
1コマ目と4コマ目のみが貼ってあるだけだが、その間にもあったのである。
2コマ目と3コマ目が。今はもう無いだけで。
そして4コマ目は貼ってあったのに上部分が剥がれて垂れてしまっているが、これは意図的である。
純粋4コマ主義が貼られていたのに時間経過によってこのような見た目になってしまった
という作品である。
剥がれているのをミスだと思って貼り直してくれた優しいかたが数名いらっしゃったらしいが、剥がれているのが正しいんだ、、、。(一度貼ったことにより4コマ目の上部に重りが付いて垂れやすくなったり、壁に貼ってあった形跡が残るなど意図していないが良い方向に繋がったことの方が大きい。)
心優しい人たちありがとね。
上の写真にあるように、4コマ目の下にあった紙は
「純粋4コマ主義」
と書かれたキャプションになっていました。
キャプションを隠すほど剥がれてしまう経年劣化。
これには大きな意味が込められている。
純粋4コマ主義とは、もともと紙や画面上の平面に書かれた4コマ。
いわば2次元の4コマである。
純粋4コマ主義を実際に展示する。立体として展示するということは
3次元の4コマなのである。
そして、時間経過。時間という軸が3次元の4コマに加えられた。
「純粋4コマ主義」は4次元なのである!
ただなにも描かれていない枠のみの4コマが4次元になっている。
単なる4コマは次元の拡張が可能だったのだ。
さらなる拡張
さて、この新作「純粋4コマ主義」は4コマ目がキャプション部にまで垂れてしまっているところまでが作品である。
では、この作品のタイトルは?
そう、これこそが「純粋4コマ主義」という作品なのである。
つまり表記は「「純粋4コマ主義」」である
4次元の4コマは「「純粋4コマ主義」」という作品の一部だったんですね。
初日、2日目は「「純粋4コマ主義」」というキャプションはついておらず、3日目のオープン直後に貼りに行きました。
3日目にこの作品を見た方はラッキーでしたね。
ではここで作品の解説に参りましょう。
1コマ目と4コマ目のみが貼ってあるだけだが、その間にもあったのである。
2コマ目と3コマ目が。今はもう無いだけで。
そして4コマ目は貼ってあったのに上部分が剥がれて垂れてしまっているが、これは意図的である。純粋4コマ主義が貼られていたのに時間経過によってこのような見た目になってしまった。
という作品が展示されている。
という作品なのである。
二段構造の作品に仕上がったので素晴らしいですね。
これは何次元なんだろうか。
時間経過を表した作品が、実際に時間が経過するとそれ自体が作品として成立した。
作品内の時間軸と、実際の時間軸が存在しており
本当の次元の定義とは異なるとは思うが5次元の4コマとさせていただきたい。
単なる4コマがついに5次元までやってきました。
4コマは無限大だ。
この作品よく見ると
1コマ目、4コマ目、「純粋4コマ主義」のキャプション、「「純粋4コマ主義」」のキャプション
4つあります。
4コマですね。
これも作品になりそうです。というわけで、
「「「純粋4コマ主義」」」
という作品になりました。
ではここで作品の解説に参りましょう。
1コマ目と4コマ目のみが貼ってあるだけだが、その間にもあったのである。
2コマ目と3コマ目が。今はもう無いだけで。
そして4コマ目は貼ってあったのに上部分が剥がれて垂れてしまっているが、これは意図的である。純粋4コマ主義が貼られていたのに時間経過によってこのような見た目になってしまった。
という作品が展示されている。
という作品なのである。
という作品なのである。
もうこれは言うまでもなく6次元の4コマです。
この先はどこまでも作品と言い張るだけで拡張が進む。
今もなおどこかで純粋4コマ主義は拡張し続けているのかもしれない。
いや、この作品、難しすぎる。
現地で私の解説を聞いた方は数人だと思われますが、解説なしに理解できる人がどれだけいたのだろうか。
他の4コマとは違う視点から、時間軸、入れ子構造という手法を使いましたが、当初はこんな複雑になる予定はありませんでした。
主催者の人生さんには「「純粋4コマ主義」」までの案のみを送っており、余ったスペースに実際に展示された「「純粋4コマ主義」」の写真を貼って「「「純粋4コマ主義」」」とする案は余ったスペースが無いとのことで棄却されていました。
キャプションのみを増やすのは2日目の夜に思いつきました。
初日、2日目、3日目と作品の入れ子構造が徐々に増えていくほうが面白かったかもしれません。早くに思いついていれば、、、。
無元の彼方へ
3日間、展示に関わったスタッフの4コマ作家の皆様をはじめ、見に来てくれた方、面白いと思ってくれた方、すべての人に感謝申し上げます。
特に初日の設置に行けず、代わりに貼っていただいた人生さんには特に感謝しています。
そういえば、貼ってあった作品はどうなったのでしょうか。
もちろん回収したいと思っていなかったので、捨ててもらって大丈夫でした。
展示されたところには何もなくなった。
無次元の4コマになったということでしょうか。
4コマの可能性は無限大。
さらなる現代4コマの飛躍を祈って、
「無元の彼方へさあ行くぞ!」
これバズらせてください。
バズラナイト嫌ー
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