ディズニーのショーパレにみる洋楽の特性
ついこの間、理論言語学者の先生から、言語の特性からみる邦楽と洋楽の違いについて教わった。
ところで、東京ディズニーリゾートのショーパレは基本的には英語であるから、洋楽としての特性を当然併せ持つ。
そこで今回は、教わったことをまとめる意味合いも込めて、東京ディズニーリゾートで流れているショーパレの歌詞をちょっと分析してみようと思う。
日本語と英語の違い
日本語と英語には、文構成とか、歴史とか、まあ色んな違いがあるのだけれど、とりわけ発音に関しては、日本語は「高低」の言語で、英語は「強弱」の言語であるという決定的な違いを持つ。
簡単に解説しよう。
日本語は、音の「高さ」が、文章を発音するうえで重要な役割を果たす。いわゆるイントネーションってやつだ。
以下の文を声に出して読んでほしい。
「夢がかなう場所」
さて、イントネーションの変化に注目してみよう。
上がるところは↑、下がるところは↓、大きく変化しない所は→で示す。
ゆ↓め↑が↓か→な↑う↓ば→しょ→…
と、音の高さが頻繁に変わるのを感じられるだろうか。もちろん、出身の地方によって個人差が出たりはするけれど、少なくとも音の高さがいっさい変わらない、なんて人はいないだろう。ロボットみたいな喋り方でなければ。
反対に、英語は強弱の言語だ。英単語を勉強するときに、アクセントを同時に習うだろう。単語の中でさえ、強く発音するところと、殆ど発音しないところがある。
そして、この特性は文全体でもいえる。
a とか、theとかの冠詞や、inとか、atとかの前置詞は弱く読んで、反対に動詞とか、名詞とかを強調して読む。
このような特性から、文全体にリズム感が生まれやすい。リズムとは、強弱そのものなのだから。
だからこそ、英語はある意味、音楽との相性が良い。
そのような有利な条件の中で、英語話者のアーティストはさらに「グルーヴ感」を曲に取り入れようとする。みんなでノリノリになれるってやつだ。そこで登場するのが、みなさん大好き、韻(ライム)である。
洋楽における「韻」
殆どの洋楽では、文やまとまりの、最後の単語の母音が、複数の文で一致している。そう、韻を踏んでいるのだ。
さて、さっそくだが、以下の英語歌詞を読んでみてほしい。特に文末の単語に着目して。
(東京ディズニーリゾート35周年テーマソング
"Brand New Day"より)
This is your world, come play inside
This is the story that we'll write
These are your friends, they light the way
A different adventure, brand new day!
綺麗に文末で韻を踏んでいる。実際に発音してみると、inside-write、way-dayと母音が共通しているのが分かるだろうか。
そして、個人的にディズニーのショーパレ関連曲で、かなり韻を踏んでいるなと思うのは、おなじみ、現在開催中のTDR40周年テーマソング、"Living in color"である。初っ端、Aメロからバチバチに韻を踏んでいる。
Let me see your hands, do your dance, rock n' roll!
Go and move your feet, feel the beat, in your soul!
このノリノリ感が癖になる。そんなわけで、みなさんもショーパレを聞くときは、文末の音に着目してみると、また違った楽しみ方ができるかも知れない。
まあ、"文末"の音を拾うのには、耳の"瞬発"力が求められるけど。なんてね。
おしまい
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