見出し画像

海外駐在の未来予想図

ーどこにリソースを張っていくのか。
来年度の諸々の計画の大詰め。
今年度を振り返ることが増えた中で、海外事業の、特に現地のあり方が大きく変わった、変わってしまった1年だと感じた。

↑実際に海外駐在員となる為に自分が取った作戦を書いた投稿。

私自身、現在2回目の駐在を狙って色々と作戦を練っているところ。
これを書いた約1年前から大きく状況が変わってしまった今、変化点と未来予想を考えてみたいと思う。

コロナ禍での動き

① 全体方針

・現地の経営に重要な人以外は帰任を検討
・赴任予定者は各国の状況を見ながら様子見、元々の予定時期から大幅な遅れ
・海外出張は原則禁止

まずは社員とその家族の安全と健康が一番大切なので致し方ないかなと。
海外出張を禁止されている状態は正直辛い。多くの国は入国時:2週間、帰国時:2週間の隔離となってしまい実質1ヶ月の旅程となってしまうので現実無理ではあるが、、、

② 4月頃〜

・日本はリモートワークが原則になり出社はほぼ無くなる
・国によってはロックダウンがされた地域もあり、動きが取れない状態
・赴任中の駐在員は大きく3パターン
  ① その国に残って在宅勤務
  ② 日本への一時帰国
  ③ 帰任

まだ感染した場合のリスクなどの情報が充分でなかった状況の中、会社の運営の為に現地に残った方々は本当に尊敬します。
一方で安全の為に日本へ一時帰国という判断をした人に対して僅かではあったけどネガティブな意見を聞くこともあり、少しモヤモヤした時期。

③ 10月頃〜

・半期が終わったという事もあり、駐在員の帰任が増加
(その国でも在宅ワーク→ 会社のメンバーやお客様ともZoom → 日本でも出来るんじゃね?という判断)
・逆に日本に一時帰国していた人がその国に帰っていく例も
・多くはないが赴任予定者が着任し始める。

日本も一旦感染者数が落ち着いた時期でもあり割とこのまま元の形に戻っていけるのかな、という感じがあった。(甘かったけど)
国内出張なんかも行けたりしていた。

④ 〜現在

・2回目の緊急事態宣言を受け、人の行き来が再度ストップ

いつ赴任できんねん、赴任の為に取ったビザ切れるわ!っていう人がちらほら。。。

付随した環境変化

① ワークプレイス

・現地でやっていた仕事をそのまま日本に持ち帰ってリモート対応する様に
 → 現地メンバーと既に信頼関係が築けている人でないと難しいのではと思う。
  結果として同じ人が業務を担当し続ける様になり、人材の固定化が進む?

② 人員構成

・実務の多くをローカルに権限委譲。
 経営幹部や経理などガバナンスを効かせるために最低限の人材を配置。
 → 若手を中心に帰任が相次ぎ、現地に残ったのはベテランメンバー。
   次世代の育成が懸念されるか。

③ 業務内容

・日本の幹部の現地査察、Face to Faceでの会議開催が難しくなる中、色々な報告会議、進捗確認会議が増える
・拠点の再編が進み、構造改革の動きが活発に
 → 下っ端の私は報告資料や経営幹部の会議資料を作り続ける日々に…

環境変化のまとめ

・今まで日本では出来ない、現地でないと出来ないと思われていた業務が日本からのリモートでも対応可能ということが浮き彫りに
・同様にこの仕事は日本人でないとダメだ、と思われていた業務もローカルに権限委譲が可能ということが判明
→ ローカル化が大きく進む一方、駐在員の役割は現地会社の経営が中心に。
  結果、若手社員の海外挑戦・育成という機会が制限される

海外駐在員の要件の変化

変わったな/変わるなと思う事を超私見。

① コミュニケーション

・語学力(英語)
・論理的思考
・プレゼンテーションスキル

前から必要だったと言われればそれまでだけど、リモートで仕事を進める必要がある今、ここらへんの能力がない人は厳しくなってくる印象。

特に現地社員がついてこない。

今までは多少言葉が通じなくてもFace to Faceで身振り手振り、時には物理的に圧力をかけて(手を出すという意味ではない)現地社員を動かしてきたパターンはもう通じなくなってくるのかなと。
(私は結構このパターンだったのでしんどくなりそ…)

相手の言いたい事、自分が言いたい事を伝えられる語学力とロジカルに説明できる能力がないと現地社員の信頼は掴めないのでしょう。

② ポジション、タイトル

・ここでは役職という意味合いで。
・自分の役職もそうだけど、役職者の誰に合意形成したかが大切(要は根回し)

オフラインであればある程度その場にいるキーマンというのは把握できるもの。
社内であれば、例え肩書きがなくてもそのプロジェクトの実質的なキーマンが自分であれば周りは言う事を聞いてくれたりはしてくれる事もあるかもしれない。
(頑張っている人に手を貸したくなるのは万国共通の友愛、と信じている)

これがオンライン会議が主体になると、まず

−メンバー同士お互いの仕事は把握しづらくなる
−あまり関係ない、オブサーバーでとりあえず会議参加する人も出てくる
(ホントいらない、特に中途半端な役職者とかだとホント迷惑)

自分の役割とか貢献とかが伝わりづらくなるので、理解者が減る=仕事がうまく進まなくなる。なので自分が発言権あるポジション=役職を獲得している事が大切。

加えてもはや一般論になりつつあるけど、Web会議は大勢でのディスカッションに向かない。
なので大きな会議だと偉い人の考えを聞いて終わりみたいなことがしばしば。
意図と違う方へ、、、の様な事態が頻発。

つまり、とりあえず上から落とす事も必要だし、事前に幹部の根回しをしておく事も大切。

あとこれは体感に過ぎないけど、リモートでローカル社員にお願いするのも
同僚からのお願いという形よりも上司からの指示にした方がレスポンスが良くなる傾向がある。

③ メンタル

・負荷に対する防御力より能動的なアクションが取れる

現地での仕事ってストレスの連続で、黙っていてもトラブルを目の当たりにしたりするもの。
今まではレジリエンスなんて言葉が重視されてきたかと思いますが、今後は積極的に問題に介入し、解決していくような類のメンタルタフネスが必要になるのでは。

オンラインでは一次情報を得る機会がどうしても減ってしまうので、受け身でいる人は情報がなかなか入ってこないのが現実。

番外編: 基礎的なITスキル

・別にプログラミングができるとかそういう立派なものではない
・会議/チャットツールの登録・設定、利用方法がわからないともはやヒトニアラズ、、、
・トラブルが起きた時に自分でなんとか出来る人でないと仕事にならない

当たり前だけどツールを使えないと仕事に参加できない。
ここら辺日本人のおじ様は特に疎い印象。
会社に行って若い部下に設定させて、ここのボタン押せばOKレベルまでやらせてたんでしょう。もうそういう時代じゃない。

とある日に、ローカルメンバーよりなぜXXX (その人の日本人上司)はチャット使わないんだい?と言われた事があった。手軽に意思疎通したいのにメールじゃないと返信来ないから困っていると。
使わないじゃなく使えないんだよとは言わなかったけど、そういう人はますます情報入らなくなっていくんだろうなと。

まとめ

多くの会社がコロナ影響による業績悪化、事業不振、あるいはニューノーマルへの対応という形で海外事業というものの見直しを図る中、海外駐在員の数は減っていくものと想像。(比例して海外で仕事したい人も減るんだろうなと思うけど)

必然的に役職が高い=年齢が高い人が駐在員のポジションを奪っていくのでしょうが、次世代育成という意味で若手に海外経験を積ませたいのも会社の本音。

この事態はいつまで続くかわからないけど、今できる事として

・語学力を上げる
・上司と、そのまた上司との距離を詰めておく
・今の仕事の中でチームワークを発揮できる環境作りをした実績を残す
・変わらない海外志望を伝え続ける

という事に地道に取り組んで、来たる日に備えていければと。

まずは英語がんばろう。


最後に。我田引水だけど自分の過去の愚痴ツイートを引用。

なんだかんだ人間力が大事。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?