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先天性門脈体循環シャントという病気

こんばんわ、アサヌマです。

最近めっきり暑くなりつつ、でも梅雨がなかなか晴れない空模様。
ムシムシしながらもなんとか這いつくばっている今日この頃です。
皆様いかがお過ごしでしょうか?


タイトルになっている、いかにも長ったらしい、漢字漢字からのカタカナでよくわからない病名ですが、これが現在愛犬ニコが患っている病気です。

この病気自体、メジャーなものではないのでかからないと知らないと思います。現に私アサヌマも全く知りませんでした。ネットで調べてもほんのわずかな情報しかなかったのではじめ困惑しましたが、病院や飼主の方がまとめてくださっていた記事を見て色々と勉強させていただきました。
また、今回手術を執刀してくださる獣医師の先生がこの業界の第一人者の方で、他県の方なのですが、たまたま自分が検診に行った時にお会い出来て、術前の説明を詳しく教えてくださりました。

これは情報共有するしかないと思い記事にしてみようと思いました。

1.先天性門脈体循環シャントって何?
2.兆候と対策
3.必要な食事

今日はこの3点について長々と説明させていただきます。


1.先天性体循環門脈シャントって何?


はい、まずこれから説明します。
消化器官から肝臓に伸びる大きな血管があります。
これは有毒性のある血液を肝臓に運ぶ大事な血管です。しかし、わんちゃんが胎児の時にはこの血管からバイパス状に伸びる一つの血管が存在します。

これがシャント血管です。


通常でしたら、このシャント血管は生まれて来る頃には無くなります。しかし、この血管が稀に生まれてきても残っている場合があります。

それがこの「先天性体循環門脈シャント」と呼ばれる病気になります。

この病気の何が悪いかというと、シャント血管があるせいで肝臓にうまく血液が循環しなくなります。
そうしますと肝臓で綺麗になる前の有毒性がある血液が、シャント血管を通って体内に回ってしまうのです。


そうなると


・血液中の毒素が増えてしまい神経系に悪さをする
・肝臓が未発達になってしまい、肝機能が低下、停止してしまう
・放って置けば死んでしまう。

と言った大変危険である病気なのです。

【 メモ 】
稀に先天性ではなく後天性(生まれてから異常血管が生成されてしまうケース)もあるそうです。こちらの方が年齢が経ってから掛かることもあるので厄介だと言われました。また、単一性(シャント血管が一本の場合)が一般的ですが、稀にマルチ血管(シャント血管が複数ある場合)になるわんちゃんもいるそうです。そうなると手術が単一性×本数になるそうです。


2.兆候と対策


一番飼主さんが気になる所はここだと思います。
わんちゃんは言葉を話せません。ですので日々飼主の方は、わんちゃんに異常がないかと常に観察していることでしょう。それではこの病気の兆候と言われる症状について触れていきましょう。

一般的ケースの場合の兆候

発症時期
・生まれてから大体1年未満

症状
・食欲不振
・嘔吐
・食後のふらつき
・錯乱
・食欲はあるが、体重の増減が激しい
(一週間で500g行ったり来たり)

主に上記の症状があると、この病気の兆候ではないか?と疑われます。似た症状ですと糖尿病も考えらえるそうですので、そちらはちゃんとした機関で診てもらわないとわかりません。

ちなみにうちのニコさんの場合ですと
生後6年の現在で発覚したわけです。それまで全く上記の症状はありませんでした。ちょっと痩せていたのと、同じ年のミニチュアシュナウザーより小さかったなーくらいで。

じゃあ何故助かってきたのか?

それはニコのシャント血管が横隔膜の上にあったからです。横隔膜の収縮のため、血液がシャントに半分、正常の血管に半分流れていたと推測されました。

じゃあ何故今わかったのか?

別件で怪我をした時に血液検査をしてたまたまわかったんです。本当にビックリしましたし、まさか先天性だとは思いもしませんでした。出来ればもっと早目に気がつければと悔やまれました。

対策

上記症状が見られて心配になったら、必ず獣医さんに見てもらいましょう!実際の獣医さんが行う診断のステップは以下に記載します。

1.血液検査をする
2.アンモニアの数値と肝臓で作られるタンパク質の量が異常の場合、恐らくそこで、この病名が獣医さんから聞かされると思います。
3.食後の場合や体調によっては数値がズレることがあるので、一旦薬が出されることがあります。内科治療(お薬の投与)で正常値に戻る場合は、経過観察に移ります。
4.しかし、それをやっても数値が異常のままですと確定診断であるCT撮影に移ることになります。

ここで注意したいのはホームドクターで通っている獣医さんの殆どがCT撮影が出来ないことが多いです。高額医療機器なので恐らくは、近い大きな病院(大学病院や、その地域の救急医療センターなど)に紹介状を出してもらえると思います。費用は大体5万円〜10万円は掛かると思ってください。

また、根幹治療は外科手術一択です。

内科的治療はラクツロースという甘いシロップ
これは元々下剤成分が多い薬ですが、アンモニアの軽減をします。必要に応じて抗生剤が投与されます。あくまで内科的治療は延命(言い方が酷ですが)に過ぎません。

手術をすれば助かる可能性が高い病気です。大体リスクと言われるパーセンテージが約5〜10%と言われています。これは術中急死が5%、後は術後の発作(原因は解明されていない)が5%らしいです。そして、その発作が起きると50%は死にいたります。
術後についてはどの病院も72時間の経過観察が必須になります。72時間経過して何もなければ成功ということらしいです。

しかしこれはあくまで幼犬の頃のパーセンテージですね。ニコのように年を取っているわんちゃんですと、こんないい数字にはならないようです。なのでかなりリスクは高いですが今回手術を決意しました。

【 メモ 】
手術には開腹手術(お腹を切る一般的なもの)が大半ですが、今回ニコがお世話になる病院では内視鏡手術(数カ所穴を開けて内視鏡で遠隔手術をするもの)をすることが出来るようになりました。

費用相場は

開腹手術 20万〜45万程度
(麻酔の量と病院によってまちまちです)
内視鏡手術 50万程度
(こちらも麻酔の量で変わりますがあまりやっている病院が少ないです。)


3.必要な食事


これ結構病院の指導でまちまちですが、参考程度に載せておきます。

一般的な肝臓サポートの食事にしましょう。

と言っても種類が殆どありません。有名どころはロイヤルカナンの肝臓サポートと、うちで使っているプリスクリプションの肝臓ケアのフードです。

まあー食べない!どうやら美味しくないそうです。
毒素を減らすせいか、旨味が少ないようです。なので初めは普段食べているものと半々にして食べさせてください。全く食べないと元もこうもありませんから。また、最近わかったのですが、腎臓サポート食も大丈夫だそうです。主成分がほぼ同じだそうです。

おやつは上げない方がいいらしいです。

また水分は欲しがったら欲しがった分あげる方が良いと言われました。これは体内毒素を尿として出すので必要だそうです。平均的なわんちゃんの一日の摂取量が体重によりですが、6.5kgのニコは500mlくらいが限度らしいですが、必要に応じて追加する場合もあります。これは獣医さんに必ず確認してほしいところです。

だいぶ長々と文章を打ってしまいましたが、こうしてアウトプットすることが、自分にとってのちょっとした頭の整理と、不安を消すことに繋がっていたりします。少しでも参考になれば幸いです。また必ず信頼の置けるホームドクターの存在は大事です。
これは実際にかかってみないとわかりません。人間のお医者さんと同じです。セカンドオピニオンが必須という訳ではありませんが、少しでも不安になったら試す価値はあると思います。

次回以降はニコについて触れていこうと思います。

では、また。

アサヌマ


一人でも多くのご支援お待ちしております。
CAMPFIRE
https://camp-fire.jp/projects/view/313105



この記事を最後まで読んでいただきありがとうございます。少しでも皆様のお役に立てたのであれば幸いです。今後のニコの経過を見守ってくださるようでしたら、是非サポートしてみてください。アサヌマ