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本の呪い、のお話

ここ数年は、読みたいときに読めるっていうのと場所をとらないってこともあってkindleで本やマンガを読むことが多い。

データで読むと紙で読むよりもライトで良いなと思う。

それは、場所を取らないとか手軽とかそういうのもあるけど、一番は呪いが少ない気がするから。

昔から、心を揺さぶられる本、特にネガティブな方に揺さぶられる本やマンガに出会うと

感動しつつもその本を手元に置いておくことが怖くなることがあった。

その本に触れたら、引き込まれてしまうような。呪われてしまうような感覚。

母親が(絵本の翻訳や読み聞かせをしているので)たくさん持ってた絵本を小さい頃に読んで子ども心に衝撃を受けると、その絵本の置いてある本棚に近づくのが怖かった事もあったな。

よく覚えているのは「スーホの白い馬」や「しばてん」、南アフリカのアパルトヘイトを描いた「サラフィナ!」「花さき山」とか。

大人になってからもその名残があるのか
大好きだけど家に置いておけないマンガというのがいくつか存在する。

例えばマンガだとザワールドイズマインとか、少女椿とか絶対置いておけない・・心の揺さぶられ方でいうと、「この世界の片隅で」とかも辛い。

大好きな「ヒストリエ」とか「阿吽」も、多分紙だったら辛いと思うんだ。心が持っていかれすぎて。

あと、図書館もうっすら怖い。

本屋さんは大丈夫なんだけど・・古い本の紙の匂いと、そこに染み付いたいろんな人々の記憶みたいなのがある気がして。

実は図書館で本を借りるのがあまり得意じゃないのも、そういう「呪い」の感覚な気がする。

でも、データでよむとそういう感じがなくて。

呪いがない、存在感が軽い。さらりとして匂いがなくて軽い。

その一方で、やっぱり紙で読むほどの没入感はないなとも思う。
トラウマになるような残り方も少ない。

それは良し悪しじゃないけど、読書の体験としては少し違うものだなと思うのです。




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