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嘘を「つく」ことと嘘に「なる」こと。

ヒトは時々嘘をつくことがあります。
自分の立場が良くなることだけを考えて嘘をつくことは基本的には良いことではないと教育されますが、相手が傷つくことを懸念して必要な嘘をついた方が良いこともあると大人になってから知るヒトも多いでしょう。いや、それを知ることが大人になるということなのか。あぁ、大人ってめんどくさい。
どちらにせよ、これは嘘だと最初から認識している場合がほとんどだと思います。

では、嘘に「なる」とはどういうことなのか?

これは言った本人がその時は嘘をついている認識がなくても、相手と交わした会話が口約束のような時になる場合があります。
例えば、
「今度の休みは美術館に行こうか。」
これは言葉に発さないか、その場が1人であればただの独り言です。ただ今度の休みを一緒に過ごす事が分かっている相手との会話の中で出てきた場合は、相手が全く美術館に興味がないと分かり切っているか、もしくは歯医者や美容院のように2人の認識の中で美術館に行くのは1人だと決まっている場合を除いては「一緒に行こう」と言う意味が含まれる可能性が出てきます。
その場合、相手が了承すればそれに向けて相手も準備しますよね。
そして迎えた当日。
①言った本人→(なんか仕事が立て続けに入ってしまって、昨日も遅くまで会議で寝不足…。美術館行くのキツくなってきたなぁ…。別にチケットも取ってないし予約してた訳でもないし、来週以降にしようかな)
②相手→(あれ?確か美術館に行くって言ってたの今日だよね?特に他に出掛ける予定も入れずに時間空けてたんだけどなんだか乗り気じゃなさそう…)

これが、いつ嘘に「なる」のか。
大事なのはこの後です。言った本人の言動で結果は大きく異なってきます。
ちなみに、まだ日が浅い関係なら出来るだけドタキャンは避けるべきですが…。ここではより関係が深い、もしくは深くなりたい大切な相手との会話だと思ってください。

⑴「今日、美術館に行きたかったんだけど、今週仕事ですごく疲れてしまって昨日も遅かったから寝不足でキツいんだ…出来れば家でゆっくり映画でも見て過ごせたらなと思ってるんだけどどうかな?一緒に行くって言ってたのに本当にごめん。来週以降にまた行ける日を考えよう」
この場合、きちんと相手に約束となっていたことを認識した上で予定を合わせてくれていたことに謝罪しているので、嘘を「ついた」とは考えにくいと思います。
しかし、このような状況が繰り返されると約束を破る閾値が下がってしまって、相手からの信頼度もなくなってくるので要注意です。

⑵相手から出掛けないのか聞かれるまで話を持ち出さないor映画を急に見始めて時間が過ぎるのを待つ。

嘘に「なる」瞬間です。
……お分かりいただけたであろうか。

要は相手とのコミュニケーションをいかに早い段階でとるかと言うことですね。
あらゆる事情があったにせよ、そのことを伝えずして相手に全て察してもらうにはかなり困難です。相手が楽しみにしていたらなおさらです。付き合いが長く相手が察してあげられていたとしても何も言わずにやり過ごすと言うのは、相手にとってはすごく寂しいことでもあります。
その時は嘘をついたつもりではなくても、事情が変わったときにそれを正直に話すこと、相手を少なからず振り回してしまったことに申し訳ないと思うこと、それをきちんと伝えることで嘘に「なる」のを防げます。

コミュニケーション不足が続くと、状況の変化をうまく相手に伝えられず相手の出方を先に伺ってしまう傾向になってしまい、また相手の不満や不信感が増してその状態で話し合いとなってしまうと喧嘩腰になり関係が悪循環に陥ってしまうこともあります。

"口が虚しくなるような"嘘をつき続けるようなヒトにはなりたくないですが、自分が言ったことが後から嘘になってしまうようなこともあるんだ、あぁ、大人ってめんどくさいと思った話でした。

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