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【毎日ひとつの非日常】 No.007-012 個人経営の本屋に行く

毎日ひとつ緩い制約を課して、日常を縛りプレイする試みを続けています。2週目のおしながきはこちら。

No.007 朝のラジオ体操に参加する

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家の近所の公園では、年中無休でラジオ体操が行われている。引っ越したばかりの時に気まぐれで参加して以来だが、早起きの流れができたので久々に覗いてみた。

冬にやるラジオ体操は新鮮だ。なんとなくだが、ラジオ体操=夏休みのものというイメージが根付いていやしないか。ところが、動かした身体がジワジワ温まってくる感覚は、冬の寒さの中でこそありがたみが増す。常識を疑ってみるといろいろな発見がある。

ラジオ体操における自治のあり方にも興味が湧く。お立ち台に立つ先生役、段を降りて脇を固める側近。きっと何らかのルールで持ち回りをしているのだろう。本気を出せば僕もあの台に立てるのか、それとも得体の知れない力で阻まれてしまうのか。

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本棚で眠っていた「マイパブリックとグランドレベル」を読み直した。自分つくったおもちゃを屋台として繰り出したワークショップが懐かしい(写真はmosakiのWebサイトより)。視線でとらえられる世界=グランドレベルの活気が街のにぎわいそのものだという認識は、とても合点がいくものだった。公園のラジオ体操もそのひとつと言えるだろうか。

No.008 お米を食べない

本当は早朝ランニングをするつもりだった。しかし早起きに失敗、そして外は雨も降っている。今日は自宅勤務なのでお弁当もないし、お米を食べずに過ごすことにした。米を食べなきゃ痩せるというが、そんな暮らしは想像できない。想像できないけど、やったら意外といけるかもしれない。

いけた。1キロ落ちた。米の持続力はすごい。


No.009 ポケットに手を突っ込まない

朝6:30ごろ起床。Tokyo FMにいざなわれてブラインドを空けると、ちょうど朝日に照らされるビル群が見えて幸せな気持ちになる。カレーを温めた後、仕込んでおいた鶏レバーを煮込んでコンフィを作る。レバーを煮ているときの高揚感はいったい何なのだろう。

今日は比較的暖かいようなので、ポケットに手を突っ込まないで歩いてみる。普段は上着の左右に常にいれっぱなしなのだが、手袋をつけて外気に晒してみると、手先の解像度がグンと上がった。自分の手や指がどの位置にあるのか、あえて意識すると歩くだけでも気が抜けない。

普段何気なく見流す道行く人たちも、手の位置で分類したくなる。何もつけず外に出しているのは主に若い人、しゃんとした男性は良い手袋をしている。手の位置なんて人にとやかく言われないから、人となりがダイレクトに出るのかもしれない。

出勤と退勤の電車に乗っていない時間、合計で30分くらいの間しかなかったれど、それでもふと手がポケットに収まる瞬間があった。習慣は変えられないから習慣なのかとハッとしたし、「手を下ろしたらちょうどいい位置に袋をつけよう」というシンプルすぎる発想で生まれたポケットの存在が可笑しくなった。手をお腹に寄せていると安心するのかもしれない。

No.010 出勤前に銭湯に行く

午前中に風呂に入る。そのためには、それより早くにFitBoxingと筋トレを済ませないといけない。起きてすぐエクササイズはハードルが高く、早朝の身体は布団に飲み込まれていった。

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朝6時から営業している御徒町の燕湯は、まさかの正月休み期間。出鼻を挫かれたが、汗かきのまま働くわけにもいかない。

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そしてたどり着いた職場近くの銭湯が、石川町・小山湯。アパートの地下フロアにあるのだが、最近リニューアルしたようでとても明るく清潔だった。番台のお母さんも優しい。昼の銭湯も結構賑わっており、おじいさんの中に若者も混じっていた。基本料金にハンドタオルとナイロンタオル、ミストサウナが含まれておりパフォーマンスが高い!これは通うかも。

職場について弁当を食べ、今やもう体がポカポカでそのまま眠ってしまいたい。いや遅れた分しっかり働きましたけど。

No.011 西荻窪で飲む

西荻窪住まいの友人と久々に連絡を取る。ご飯を食べることになり、響きが耳に残っていた&ジモコロで読んで欲が高まっていた「カントニクス」へ。

2020年一発目の営業日だったようで、なんだか若輩者がお邪魔してしまった申し訳なさをちょっと感じつつ。

ティラミソ、柿クリームなどの特異なネーミングに惹かれて注文した肴は、もう全て美味しかった。特にエアハムをもちフワの揚げパン(ニョッコ)に乗せて食べ熱燗を飲む組み合わせがたまらなくて、ハムは舌の上で脂をにじませながら一瞬で消えてしまった。途中からは満月のイベントで着物の方が訪れ、かっこいい常連さんだなぁ、あんな風になりたいなぁなどと思いながら店を後にする。

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西荻歴20年の友人のいざないで2軒目へ。肉豆腐が250円、トリスハイボールが190円など価格設定がバグっていた。追加注文のキャベツは来なかったがご愛嬌か。

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楽しい時を過ごし、ホクホク気分で3駅隣の高円寺・小杉湯へ。前々から行きたかったけど、東京の西に来る機会がなかったのだ。

噂にたがわぬ盛況。ミルク風呂がぬるめで良い匂いで、とろけた。この一年で最もうかつな顔になったんじゃないか。アメニティが本当に充実していて、まさか化粧水や乳液まであるとは思わなかったし、バスタオルが本当にフワッフワで心底驚いた。タオルで感動することってあるんだな。身体を拭くことに喜びを覚えることってあるんだな。

No.012 個人経営の本屋に行く

御徒町はとても良い場所だけど、本屋がないことだけ不満だった。上野の駅ナカに書店はあるけれど、用は足りるが心は満ちない。

正月に浅草を散歩していると、小さな本屋「Readin’ Writin’」を見つけた。もちろん年始休業だったが小ぶりな建物とイベントの多さ、そして「Writin’」のある店名に惹かれていた。

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新年2回目の日曜日、用を済ませて15時ごろに足を運ぶ。こじんまりとした店内は吹き抜けの二階建て。倉庫か何かを改装したのだろうか、本屋らしくない鉄骨も見えるが、えんじ色に統一されて落ち着きがある。

大きな本屋はカテゴリごとのゾーン表示があるけれど、その常識とは仕組みが異なる。歩みを進めるごとに何らかのまとまりを持つ本の群が現れ、どういった意図で寄せられているのか考える楽しみがあった。選者の采配をつよく味わえるのは、個人本屋の楽しみかもしれない。今日一番のヒットは、和菓子・あんこゾーンの隅にそっと差し込まれた「赤毛のアン」でした。

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年始のイベントとして、2階ではコーヒーとお餅がふるまわれていた。畳と机だけがある空間で、友達や知人との会話に花が咲くのをBGMに、買ったばかりの本をその場で読める贅沢を味わった。

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こまめに文書を書き続けていると、自分の癖みたいなものが見えてくる。単調にならないために、読みがいのある文にするために意識せねば。近いタイミングでとても良いTipsを見たので記録。正しくはリンク先を見よう。

感情ではなく行動を書く。
例)家に帰ってから写真を何度も見返してしまった
感情ではなく理由を書く。
例)普段何気なくやっていることでも、プロのアドバイスでこんなに洗練させられることが分かった

「私」「僕」などの一人称
あなたが書いてることはわかっているので、入れなくても伝わる流れであれば削ってOKです。
「と思う」「気がする」
日本人の特性なのか、言い切らずに「〜だと思います」を多用する人は多いです。思い切って削っちゃいましょう。

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