「演劇」と「配信」

はじめまして。あさひと申します。

10代半ばに演劇に出会ってからというもの、今や給料の半分以上を観劇に費やす毎日を過ごす社会人うん年目。ちなみに学生時代は別の事に心臓を捧げていたのでずっと観る専です。

そんな私は現在ライブ配信を生業としています。就職の動機は、地方出身の私は、上京するまで演劇を観る手段といえばテレビかライブ・ビューイングだったこと。「私のような、演劇に出会う機会の無い人たち・簡単に観ることができない人たちのために、もっともっと配信を増やしたい…!」ざっくり言うとそんな事を言って就職したのを覚えています。蓋を開けてみれば、一部の規模の大きな劇団を除き、演劇の放送・配信を行うことへのハードルの高さたるや…。公演を打つ人・演じる人・観る人・配信をする我々、全員にメリットがある方法を導き出すのは非常に難しく、心折れる毎日です。

そんなこんなで相性の悪い私の二大構成要素「演劇」と「配信」ですが、昨今はコロナ禍で仕方無しとはいえライブ配信が増えてきました。仕事をしている人間がそんな事言っていいのかよと思いますが(でもこれ、配信業者みんなが思っていると思います)、配信が生のステージに勝る事は絶対に無いです。でも、配信という技術がこの世にあって良かったと思ったことも、正直何度もありました。

また、コロナ禍に伴い演劇映像のアーカイブ化と、それの活用が推進される動き(EPAD)もあり、それに関連して演劇と配信をテーマにした記事もたくさん世に出ました。一時期それらを読み漁り、演劇専門のアーキビストになろうかなどと寝言を言っていたこともあったのですが(そんな甘い世界じゃない)、『ネットTAM』(https://www.nettam.jp/)の中に、文化政策・芸術運営アドバイザーの米屋尚子さんの記事があり、こんなことを書かれていました。

”ライブこそ楽しいと思っているような観客も配信を楽しむようになるには、配信ならではのプラスアルファの「何か」が必要だと思います。”(出典:https://www.nettam.jp/column/with-corona/1/?utm_source=internal&utm_medium=website&utm_campaign=author)

これ、まさに課題なんですよね。ライブ配信にせよ、アーカイブ化された映像の配信にせよ、プラスアルファがあったほうがいいけどそれって何なんでしょう?

実はコロナ以降、それを主催者・出演者・配信業者等色々な人間が考えて悩んだ結果、多種多様な配信が行われてきました。ここまで長々書いてきましたが、私のnoteでは、本来は仲が悪い「演劇」と「配信」をどうにか結び付けようとする動きを記録していきたいと思います。簡単に言えば観劇レポートです。但し「演劇の配信」の観劇レポートとなります。

もしかしたら「プラスアルファの答えは無い」にいきつくのかもしれないし、この記録自体何の役にも立たないかもしれませんが、まあこの時代を生きた記録として残せればいいかなと。

長くなりました。ご興味のある方はお付き合いください。

よろしくお願いいたします。

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