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VRChatを始めて約一年。DJとかいろいろ振り返って。

Oculus Quest2を購入してVRChatの世界に飛び込んでから約一年が経った。
(正確にはQuest2を購入したのが2021年6月で、WindowsPCを購入してPCVRができるようになったのが2021年9月。)
この一年でVRChatを通じて、刺激的な体験をしたり、交流関係が広がったり、DJ活動の幅が広がったりした。
同時に、VR空間上のコミュニティやオーディエンスについて興味深く感じる機会が多く、一度自身の関心事を整理したいという気持ちが生まれた。
一年という区切りのいいタイミングなので、これを機にこれまでのVRChatでの活動を振り返ってみようと思う。

1.VRChatを始めるまで(~2021.6)

Oculus Quest2を購入したのが2021年6月。
コロナ禍でクラブになかなか遊びに行けずもやもやを抱えていたところ、VRChatでクラブイベントが開催されているぞ、という噂を聞きつけQuest2の購入を決意。
Twitterか何かでGHOSTCLUB(VRChat上のクラブワールド)の存在を知り、Twitchでの中継を観て「これは体験するしかない!」となった覚えがある。
あと、ライノホーン川井さんやQ330さん、NyolfenさんといったDJ・トラックメーカーのツイートでVRChat関連のものを見かけるようになったのも興味を持つきっかけの一つだった。
ひとまずデスクトップモードで体験してみるという手もあったが、あいにくMacしか所有していなかったので、まずはQuest2という選択だ。
※WindowsPCがあればHMDが無くてもデスクトップモードでVRChatに入ることができる。
※クラウドPCを使えばMacユーザーでもVRChatに入れるらしいが、当時はその方法を知らなかった。

当初の目的としては、「コロナ禍で遊びに行けないクラブイベントをVRChat上で楽しみたい」がまずあった。

2.Oculus Quest2でVRChatはじめました(2021.6~)

アバターが今とは違う…!
VRChat初心者あるあるだと思うが、[JP] Tutorial Worldでウロウロしていたら、初対面の親切な方に案内いただいて一通りの操作と知識を覚えることができた。
初心者向けの案内所があったり、慣れたユーザーが初心者をレクチャーしようという風潮があったりするのは素直にありがたかった。
なぜなら、当時はVR空間に慣れず、30分くらいでVR酔いになりギブアップするという苦行が続いており、一人でいろいろ覚えるには辛かったのだ…。

そんなこんなでしばらくはQuest集会所やQuestコロニーに顔を出したりウロウロする日が続く。
Quest2だとアバターやワールドに制限があるのだが、当時行きたかったクラブイベントのほとんどがQuest非対応のワールドで開催されており、行けなかったのだ。
そんな中、毎週火曜日に開催されているQuest対応のクラブイベント「Quest Danceparty Club」に初めて足を運ぶことができた。

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初めてのVRクラブ!!
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VRDJだ!!

そこはまさにクラブだった。
DJブースがあり、ダンスフロアがあり、様々なアバターを身にまとって身体を揺らすオーディエンス。DJがプレイする音楽をバックに、ワイワイガヤガヤと賑やかに談笑する声が聞こえてくる。

実際のクラブのように大きなスピーカーから振動を感じることはできないし、HMDの締め付けによる頭痛とVR酔いで初めてのVRクラブは快適な体験だったとは言い難かったが、それを上回る楽しさがあったことが印象に残っている。
コロナ禍以降、TwitchやYouTube Liveなどでクラブイベントの中継やDJ配信などを見る機会が増えたが、そうした配信の視聴体験とは全く異なる体験だった。
VRによる没入感の深さもあるが、ダンスフロアで他のお客さんの存在を感じることができる点が体験としてとても大きかったのだ。
従来のライブ配信に物足りなさを感じていたのは、他のオーディエンスの存在感を求めていたからかもしれない。
それは、コメントやチャット欄では得ることができないような、他者の身振りや息遣いといえるだろう。

薄荷ちゃんはいいぞ

あと、今も使っているアバター「薄荷」に出会ったのがこの頃。
Quest版があるのと、みつあみを外せばショートカットになるのが決め手で、改変しながら今も使い続けている。かわいい。

3.PCVRデビュー(2021.9~)

2021年9月の下旬に注文していたWindowsPCがようやく手元に届く。
これによって、これまでのQuest制限から開放され、自由にワールドやアバターを楽しめるようになる。
セットアップが完了したその日に向かったのがSoundBarMéllonだった。

こんばんわ~~~

SoundBarMéllonでは、毎週木曜日にMéllon's Afterlivesが開催されている。
PCVRになったらぜひ行きたいと考えていたイベントの一つだ。
雰囲気の良いミュージックバーのワールドで、DJがプレイする音楽に浸りながら談笑するといった空間である。
PCVRになったことで、Quest単機とは比べ物にならないくらいアバターやワールドの描写力が上がり、世界が輝いて見えはじめた。
初めましての方々とおしゃべりしていると、VRC電音研主催のたまPさんのプッシュもあって翌月のVRC電音研に出演することに。

初めてのVRchatでのDJ出演だった

初めてVRDJをしてみての感想やTipsはこちらの記事に。

こんな感じでVRChatでのDJ活動をスタートしていった。
音楽好きの仲間と集まってワイワイやるのは楽しいし、地理的制約を気にせず遠方の方とも仲良くなれるのはVRChatならではだと思う。
クラブ体験の代替、というより、やっぱり新しい音楽体験・オーディエンス体験だと思った。

4.印象的だったイベントやワールドなど

楽しかったり衝撃を受けたり感動したりしたイベントや体験は紹介しきれないほどたくさんあるので、特に印象に残っているものを写真付きでざっと振り返っていく。

・GHOSTCLUB

念願のGHOSTCLUBに

Quest2購入時から行きたかったGHOSTCLUBに遂に足を踏み入れる。人気イベントで常時フルインスタンスのため、なかなか入るのは運要素が多い。
ワールドの世界観もさることながら、ビジュアルの演出などクラブとしての体験に一番近かったかもしれない。
没入感がすごい。

https://www.moguravr.com/ghostclub/

・Music Stellar Lake

パーティクルがキレイ

宙を舞うパーティクルが音楽に合わせて点滅する湖のワールド。
キックやハイハットなど周波数帯域(4バンド)ごとに点滅するパーティクルを設定でき、動く速度や形を変えることができる。
ここでの音楽体験は新鮮で、音楽が静から動へと変わる瞬間にパーティクルがハマると脳汁がドバっと出るほど気持ちいい。

・SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland

ピューロランドだ!!

サンリオ主催のバーチャルフェス。
ラインナップが幅広くて面白かったのと、一部のフロアを「GHOSTCLUB」の方々が担当していてギャップが良かった。
バーチャルピューロランドのワールドも良かった。
あと、キヌさんのパフォーマンスを初めて拝見して衝撃的だった。

ちょっとした奇祭もありましたね…?

・WANDERLUST

DJのプレイに合わせてワールドを遷移していくというイベント。
ワールドに移動したら、DJに付いていって練り歩いたり、思い思いにワールドを探索したり。
DJのサウンドの変化に応じてワールドを移動していくのが新鮮な体験で、まさに一つの”旅”だった。

いろんなワールドに降り立つ
最終的には宇宙に進出

・CUERAIDER

神イベだったね。BIG感謝。

これは自分が企画側にまわったもの。
毎週水曜日に開催されているTwitchリレー配信企画「CUERAIDER」に「わくわくVRChat」としてVRChat特集を企画。
Fradolさん、osirasekitaさんと共にキュレーターとして参加した。
もともとCUERAIDERで何かVRChatの企画をやりたいと思っていたところに、Fradolさんと意気投合し、osirasekitaさんも合流して実現に至った。
内容としてはバッチバチのクラブサウンドからVRならではのパーティクル演出、古き良きインターネット悪ノリなど、バラエティに富んだものとなった。
TwitchもVRChat会場も盛況で、Twitchに至ってはCUERAIDERの最高同時視聴者数?平均視聴者数?を更新したらしい。
正直、自分一人では開催まで漕ぎ着けることはできなかったので、関係各位にはとても感謝している。ありがとう。楽しかったね。

Twitterで当時のハッシュタグサーチかけるとどんな感じだったかわかると思うのでぜひ。
#CUERAIDER since:2022-3-23 until:2022-3-24
https://twitter.com/search?q=%23CUERAIDER%20since%3A2022-3-23%20until%3A2022-3-24&src=recent_search_click

・シュッとしとるヤツ

基底現実の京都METROとVR京都メトロで開催されたクラブイベント。
あの京都メトロがVRに!(一度だけ現地に行ったことがある)というだけでなく、現実とバーチャルとの境界線を揺るがしていくような取り組みが印象的。
物理空間に出演するDJと仮想空間に出演するDJが交互にいたり。
特に、物理空間と仮想空間をつなぐ「窓」(お互いの様子がわかるモニター)が設置されていたのがポイントで、「窓」を通じていろんなコミュニケーションが誘発されていた。

「窓」にはたくさんの人が押し寄せて身振り手振りでコミュニケーションを図っていた
VRChatでは盛り上がると色々飛び交う。

以上、印象深いものをピックアップしたが、他にも、VRChatを通じて仲良くなった仲間とDiscordでボイスチャットを繋いでゲームをしたり、キャンプに行ったり、VRChatの外でも遊ぶようになったりしている。
その際に、VRChat外のコミュニケーションツールとしてDiscordが主に用いられており、ワールドやイベント単位、コミュニティ単位でサーバーが建てられている。
こうしたDiscord上のコミュニティについては下記記事のように、カルチャーを支えるツールとして重要性が指摘されており、興味深い。


5.アバター改変楽しい

そんなこんなで、いろんなイベントやワールドを楽しんでいるのだが、同じくらい楽しいのがアバターの改変だ。

VRChatではユーザーが自由にカスタマイズしたアバターをアップロードして使用することができる。
市販のアバターを購入し、髪色や衣装の色を変えたり、衣装の3Dデータを購入して着せ替えたり、さまざまな改変ができる。
アバターの改変やアップロードにはUnityを使用する。
このUnityがなかなか曲者で、慣れるまで時間がかかったが、幸い様々なチュートリアルやTipsは色々な方が公開しているので、行き詰まるたびにググることで解決していけた。
以下、様々な改変例である。

クリスマスカラーにしたり。
スーツでビシッと決めたり。
綺麗なドレスを身に纏ったり。
メガネを掛けたり。
パジャマで寝たり。
いろんな格好ができて楽しいね。

5.おわりに

ここまで、VRChatで過ごした私の一年を振り返ってきた。
こうやって振り返ると、どうやら自分は
・VR空間を通じて他者の存在を感じること
・VRChatやDiscordを通じて形成されるコミュニティの生態系
・物理空間と仮想空間の境界線を曖昧にしたり壊したりすること
このあたりに関心があるっぽいので、この辺についての読み物や取り組みがあればぜひ知りたい。

最後に、コロナ禍がきっかけで足を踏み入れたVRChatだが、今では大切な居場所のひとつである。
いつもVRChatで仲良くしてくれてありがとう。これからもよろしく。
これからも素敵なVRChatライフを過ごしていきたい。


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