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私になるまで21

翌週の土曜日、再び友達の車に揺られて病院に行く。

予約制のようで、待ち時間なしで、診察室に入る。細面の三十代くらいの医師が、私の首のレントゲンとにらめっこしていた。私たち2人に気づくと、穏やかな表情を浮かべ、友達に「彼女?」と尋ねる。ふたり顔を見合わせ、頭を横に振り。「友達です。」即座に答える。先生はちょっとニコッとし、「これMRI撮ってみないとわからんけどもしかすると、手術になるかも。」首の手術!予期せぬ展開に言葉が出ない。「そうや。今手術した脳性麻痺の人が来てるから、話聞いてみ。」と言われ、「今度二次障害の公演するから、良かったら聞きにきて!」とビラを渡された。

【⠀2次障害?】初めて耳にした言葉に?マークが頭の中をぐるぐるする。

が、とりあえず、診察室の外にいた脳性麻痺の40代くらいの男性に声をかける。よこには奥さんらしき車椅子の女性がいた。

話によると、最初は、肩こりすぎて首が痛いと思っていたら、腕のしびれが出て、ものが持てなくなったそうだ。それで検査したら、頸椎が神経を圧迫した状態だったらしい。手術した後にしばらく首を動かさないように頭から袋のようなものを被せられてたと、時々筋緊張が出て、その度に「先生注射してくれ」と言っていたとの事…しばらく動かさないように固定されたが先生が、「頭洗ったろか?」とか色々気を利かせてくれたらしい。こんな先生今まで出会ったことがないと言っていた。しかし、私は、ぼーっとした状態で聞き流していたように思う。「何ヶ月かこの病院でリハビリした。」とも言っていた。その後は痛みが消えたとの事だった。脳裏で「2次障害」という言葉が回転寿司のようにぐるぐる回っていた。とりあえず、公演を聞きに行くことにした。

今はまだ修行中の身ですが、いつの日か本にしたいという夢を持っています。まだまだ未熟な文章ですがサポートして頂けたら嬉しいです。