私になるまで7

高校の入学式。桜舞い散る中を行くはずが、荒れた天候だった。新たな気持ちで高校の門をくくり、式場である体育館に向かう。制服はずぶ濡れ。クラス順に並べられた椅子の多さに圧倒される。が、自分のクラスの椅子に座る。校長の挨拶、在校生の挨拶、全然覚えていない。それ以上に制服の濡れ具合が酷くて、靴も靴の中もびちゃびちゃ。クラス担任の紹介。私のクラス担任は家庭科の女の先生だった。担任の後について教室へ。1年生の教室は本来三階だったが、学校の配慮で、2階だった。教室に入り、先生の話の後、1人1人自己紹介。

え〜しゃべるん?って心の中で早鐘が打つ。担任が私の名前を呼び前に出る。緊張して中々声が出なかった。が、気づいた担任が浅野愛さんです。なんて呼ばれたい?と聞いてくれた。中々声が出なかったが、やっとの思いで、「ちか、チカちゃんで。」みんなからの拍手。恥ずかしい気持ちを抑えて席に着いた。

横にいた子が笑いかける。「よろしく。」という私にウインクで返事。新たな出会いが、その時あった。翌日以降は、何ともなしに話せる仲になる。今までは、どこか透明な壁があって、その壁は見えないが、破れない。

高校の友達はその壁を簡単に乗り越えて、私の心に寄り添ってくれた。

こうして、新たな気持ちで、高校生活は始まった。




今はまだ修行中の身ですが、いつの日か本にしたいという夢を持っています。まだまだ未熟な文章ですがサポートして頂けたら嬉しいです。