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私になるまで43

2泊3日とは言え久しぶりの帰宅。嬉しさに胸が踊る。が、鬼コーチ「家でゆっくりなんてしないでください。何ができて何ができないか確かめるため3日間やからね。」と釘を刺す。

両親が迎に来ていざ恋しい我が家へ帰る途中。海岸線沿いを通る。

キラキラ光る青い海に入道雲。海を見た途端、涙腺が緩んだ。やっぱり太平洋はでかくて私達を包み込んでくれる…

島へ続く橋を渡り、ようやく我が家へ着いた。長旅で疲れてはいたけど、その日の晩は近くの叔母さんの家まで歩く。汐風の匂いを感じつつ、海の上にあるお月様が追ってくるのを見つめる。ゆっくり歩いて15分。おばの家に着く。「お〜ちか、お帰り!明るい声で迎えてくれた。「退院じゃなくてお試しやけどね。」しばらく雑談して、母にそろそろ帰ろうと言われて、家路に着き、次は入浴の練習。カラーを外し、入浴用のカラーをつける。病院で何度も練習したがうまくいかない。ようやくカラーを変えて入浴。夏だったのでシャワーのみで終了。その日は、それだけで疲れバタンキュー。病棟はバリアフリーで動きやすかったが、家の中は障害物だらけ。ちょっと動く度に転びそうになる。私の部屋は下の娘に占領されていたが、外泊前に片付けたらしくきちんと整っていた。その日の晩は、娘と2人狭いベッドで寝た。中3だったが、やはり寂しい思いしてたんだろう。

翌日朝早く、娘と散歩に出かけた。横にピッタリ寄り添って歩いてくれるのがありがたい。昔小学校だったが、今は保育園に変わった校舎までゆっくり歩いて行った。蝉の大合唱を感じつつ…ここは娘2人が通ってきた保育園でもある。夏休みで誰もいない庭のブランコに揺られながら懐かしいなぁって話す。あんたら多目的ホール荒らしたってめちゃくちゃ先生に怒られて泣いたなぁ。あれは濡れ衣でマジ怒ったよなぁ。昔話に花が咲く。娘の笑顔が眩しかった。

帰りはヒーヒー汗だくだった。が、リハビリの成果あり!だったようだ。

私の誕生日間近だった。このまま家にいたい!って思うも3日はあっという間に過ぎた。また長旅かと思い、ゾッとする。

少し疲れていたので、早めに病院に帰った。身体がガチガチで病棟のベッドに着いて看護師の顔を見た途端、涙がポロリ。外泊の後、20日ほど、入院となる。

今はまだ修行中の身ですが、いつの日か本にしたいという夢を持っています。まだまだ未熟な文章ですがサポートして頂けたら嬉しいです。