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#読書感想文

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#ハードボイルド

『白日』 作者: 北方謙三

私が初めて読んだ北方謙三の小説。今でこそ『三国志』や『水滸伝』などと言った『中国歴史小説…

浅野 智
3か月前
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『トラブル・イズ・マイ・ビジネス チャンドラー短篇全集 4』 作者:レイモンド・チャ…

全集の最終巻である。 レイモンド・チャンドラーの全中短篇を、何名かの翻訳者に割り振っての…

浅野 智
10か月前
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『トライ・ザ・ガール チャンドラー短篇全集 2』 作者:レイモンド・チャンドラー

ハードボイルド探偵小説界に於ける希代の名作家レイモンド・チャンドラー。その全中短篇を網羅…

浅野 智
10か月前
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『キラー・イン・ザ・レイン チャンドラー短篇全集 1』 作者:レイモンド・チャンドラ…

村上春樹による『ロング・グッドバイ』の新訳が刊行された影響で、改めてレイモンド・チャンド…

浅野 智
11か月前
7

『マーロウ最後の事件』 作者:レイモンド・チャンドラー,(翻訳)稲葉 明雄

1930年代の社会・風俗面を最もよく象徴する一人。 そう訳者が紹介する作家レイモンド・チャン…

浅野 智
11か月前
3

『大いなる眠り』 作者:レイモンド・チャンドラー (著), 双葉十三郎 (翻訳)

1922年にデビューし、アーネスト・ヘミングウェイを祖とするハードボイルド手法を、推理小説に…

浅野 智
11か月前
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『チャンドラー短編全集4 雨の殺人者』 作者:レイモンド・チャンドラー,(翻訳)稲葉 明雄

この短編全集シリーズには各々巻末に訳者あとがきが掲載されているが、本書では特別にあとがきの他に、訳者による「フィリップ・マーロウ誕生の前夜」が寄せられているのだが、これがいかにもこの全集の最終巻に相応しい。 レイモンド・チャンドラーの長編作は、幾つかの中編作を元にしていることが殆どなのであるが、その組み合わせ方を読み解くのもなかなか一興である。 本書に取り上げられている「雨の殺人者」は、チャンドラー初の長編作である「大いなる眠り」で主となる事件のあらましがコンパクトに描かれ

『チャンドラー短編全集3 待っている』 作者:レイモンド・チャンドラー,(翻訳)稲葉…

「一、二集がまずまずの売れ行きを示しているのだろうか。再度のおすすめで、引き続きチャンド…

浅野 智
1年前
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『チャンドラー短編全集2 事件屋稼業』 作者:レイモンド・チャンドラー,(翻訳)稲葉…

「事件屋稼業」 ダサかっこいい絶妙な和訳と思う。原題は「Trouble Is My Business」である。…

浅野 智
1年前
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『チャンドラー短編全集1 赤い風』 作者: レイモンド・チャンドラー,(翻訳)稲葉 明…

「ハードボイルド小説の情緒的基盤は、あきらかに、殺人は発覚し正義が行なわれるということを…

浅野 智
1年前
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『バッドブラッド』 作者: 狩撫麻礼、松森正

カモの人選と絵図を描く元締めの老婦人、荒っぽい役割担当、態度のデカイ脂の乗った中年男、美…

浅野 智
1年前
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『引擎/ENGINE』 作者: 矢作 俊彦

築地署の刑事である游二(りゅうじ)は、張り込み中だった。このところ派手に稼いでいる高級外…

浅野 智
1年前
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『ららら科學の子』 作者:矢作俊彦

矢作俊彦というのは器用な作家である。 そのテーマというのか、趣旨とでもいうのかによって、…

浅野 智
1年前
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『あ・じゃ・ぱん』 作者:矢作俊彦

1990年代以降、従来のハードボイルド小説作家の枠から抜け出した矢作俊彦が1997年に刊行した本書は、ハードボイルドどころか、もうSF作品である。改変歴史(オルタネートヒストリー)モノだ。 第二次世界大戦の終わりっ端の1945年7月18日、ソビエト軍が満州に侵攻。8月4日には北海道に上陸。 パニクったアメリカ軍は、8月17日、原爆を腹に抱えたB29を出撃させる。悪天候により本来の目的地であった新潟への投下を諦めるも、事故により富士山火口に原爆が落下、富士山が消失。 9月24