『B』 作者: 狩撫麻礼、平野仁
あらゆる沈黙とはかりあえるほどのガンジス河のほとり。彼の地で男は”B”と呼ばれていた。
三年前、スポーツ記者だった男はフィアンセと共に突然失踪した、とされていた。
「多分弟は、何事か想像もつかないような事件に巻き込まれたのだと思う。警察さえも頼りに出来ないような”ある事”・・・」
インドのベナレスに居る。それを知った彼の姉、毒島えり子は、もう一人の弟、正樹をインドに向かわせた。
「いいわね。シリアスになっちゃダメ。陽気に戦うのよ」
聖地ベナレス。圧倒的な人の波。めまい・・・