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アサムラコウのライブライティングテスト版 24/4/25
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クラスターにてやらせていただいた、その場のコメントやアンケートのノリで小説を書いていくイベントになります! もともと2000字程度を書くのを、500字の短編に書いていく方向へシフトしました! 出来上がったのは四つになります!
1「江戸の枝垂れ桜の天日干し」
1600年から数百年続いた奇跡の平和の時代、江戸は春も真っ盛り、桜吹雪も舞い散る頃に、ひときわ目立つ気になる木。
――枝垂桜
花の蕾をぶらりと下げて、ゆらりと揺れる妖しい様子、それに惹かれて老いも若きも集う、なんとも、桜の中でもいとおかしな奴である。
「ああ、お前は今日も頭下げてえれぇなぁ」
と、葉はあれど、言ノ葉あらずの桜相手に、いきなり話しかけただらしない男が居た。名は与太郎、無職一代、現代で言うニート、酒もつまみもないままに、ただ、花見だけを楽しむ男である。
「ああ、隣にせめて綺麗どころでも現れたらなぁ」
と、視線を落としたところに、びゅっと白い影がよぎる。なんだなんだと視線で追えば、緑の茂みがゆらとゆれた。
そこからぴょこんと出てきたのは、黒く長い耳――やぁなんとまぁこんな江戸に、兎が一羽やってくるとは。
「なんとまぁ珍しいもんだ!」
与太郎は思わず、茂みの方へとよる。兎は逃げることもなく、むしろ、与太郎の腕におさまるように、ピョンっと自ら飛び跳ねて見せた。
「おい、お前は一羽か? 俺も男一匹一人きりだけどよぉ、よければ俺の家にくるか?」
兎に鳴き声はない、せいぜい鼻を鳴らし、ぐぅ、っと唸る程度である。
それでもまるでその音が、与太郎には承諾、うなずき、肯定、全てに見えて、嬉しくなった与太郎は、そのままぐいっと仰向けに転がったのであった。
――枝垂れ桜の揺れる隙間、差し込む光の天日干し
2「猫と蛙のお手付き」
ねこねここねこ、ねっこねこ、にゃんとないたらおててでぱんち!
――そんな子供歌めいたフレーズでやってるけれど
実際今行われているのは、田舎に住む家猫が、庭に紛れ込んできた蛙相手に、その奥底に眠る野生の本能を刺激され、なんとしてでも蛙を仕留めんと、パンチパンチと手を繰り出す様であった。げこげこ鳴きに来ただけなのに、蛙、大迷惑である。
――蛙を潰したとて、それでどうするという訳もない
昭和のアニメであれば平たくなった蛙をシャツに貼り付けてド根性であるが、猫はそもそもアニメを見ないのである。
圧倒的暴力! 理不尽という名の弱肉強食! ああ、蛙は哀れ、このまま猫の玩具としてその命を終えるのか! そう、思った、時、
ゲコり、と鳴き声がした。
音というものに敏感な野生は、そちらをくいっと振り返る、するとそこには、
ゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコゲコ!!!!!
後から大量の蛙が攻めて来た! 猫、全身の毛を逆立ててふぎゃー! と一目散に家の中へ。
生き延びた蛙はお礼のように一つ鳴く、さてそのあとは、蛙の合唱が勝鬨とばかり始まるのであった。
3「SF浦島太郎」
現代に現れた古代人、個体名”ウラシマタロウ”、彼の体には今は失われた種族の血が流れていた。
その血こそがカメを――否、メカを助けたのだ。
「ああ、ありがとうございます、古代の種、ウラシマ」
「お、お前は、鉄くれじゃないのか? どうして黒鉄が俺に話しかける?」
「私はryuuguフォーマット式AI Knight Aime ModE 判別コード、カメです。あなたを私のマザー、乙姫に引き渡したく思います」
「お、俺はそんな事のためにお前を助けたわけじゃ――」
が、ワープ。ウラシマの目の前には突然に、TAIやHIRAMEがダンサンブル、ミュージックナイト。彼の時代にはなかった虹色のカクテル光線の中で、異様な風体――肩口を露わにした着物を崩した、妙齢の姫が現れた。
「ああ、ついに会えましたウラシマ――これで全ては救われる」
「どういう、ことだ」
「あなたの血が必要なのです」
「そのとおりです、乙姫様」
「そうですね、カメ」
二人は声をそろえて言った。
「「ウラシマが私と結ばれる事で宇宙は平和を取り戻す」」
……、
「「ん?」」
メカと乙姫の視線が交差する、ちょっとまって、ウラシマと結ばれるのは私じゃないかと。
「いやそもそもカメ、お前機械でしょ、どうやってつながるの」
「高機能なのを舐めないでください、私の機能を使えば」
「待って、それ以上詳しく描写するとクラスター本社に怒られそうだからやめなさい!」
やがて彼女達(メカ性別含む)の会話はヒートアップし、虹の光の中で激しい戦いがはじまった。ウラシマは、呆然とそれを見てるだけである。
――もう何も考えたくなくなった彼は
心の中でひたすらに、寿限無を唱えるだけだった。
「じゅげむじゅげむごこうのすりきれ――ああ、本当に永遠にならんかなぁ」
4「鋼鉄横綱VSサイキックシャーク」
「God and Death!!!!」
横綱のごっつあんです! 神によってもたらされる死は救済である! 人々は突如現れたこの鋼鉄の暴神に、ただひれふすばかりだった!
彼が作った無人の荒野、しかし、そこに一つ降り立つ影があった。
「もうやめて! 元のあの頃の、優しい横綱に戻って!」
そして彼女の手には大きな鍋が、なんとそれに浮かぶ具材は、サイキックシャーク!
――サメは本来食用に適さない
水中での体温保持に使われるアンモニアの匂いが、人には毒だからである。しかしそのアンモニアのおかげで腐りにくく、遠く山奥にもとどく海の食材として、鱧に続いて尊ばれる。
地方では、ワニ料理として有名である。それは、
横綱の故郷の味であった――
「ご、ご、ご、God taste desu!」
神を叫ばせる神の味。
黒鉄の体になっても、その心にふるさの味がしみこむ。かくして黒鉄の体はその強張りを無くし、もとの筋肉の鎧に戻るのであった。
みんなも食べよう、サイキックシャーク!
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ご来場の皆様、本当にありがとうございました!
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