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誕生日ケーキすらも「お供え物」である

我が家の4歳さんは明日で5歳さんになる。

明日は平日でゆっくりお祝いをする時間も取れないだろうから、本日がお誕生日会の日。

今年の誕生日ケーキはイチゴのケーキ(もちろんお店で買う)にする?と聞くと新幹線ケーキがいい!とのこと。

なので(4歳さんは忘れていたようだが)去年と同じ、市販のロールケーキに生クリームとチョコレートでデコレーションして作ることにした。

朝から早くケーキの材料を買いに行こう!お誕生日会の飾り付けをしよう!とご機嫌な4歳さん。

私と言えば、このところの仕事の疲れかホルモンバランスのせいかややイライラしがちで、(ああ、誕生日なのに…いけない)とイライラと反省の間を揺れ動きながらも、スーパーに行き、夫と協力して拙いながらも手作りケーキの準備を行い、最後の飾り付けは4歳さんと一緒に完成させた。

早くロウソクを消したくてたまらない4歳さんは歌を歌う前にロウソクを吹き、もう一度火を灯したり、写真を撮りながらクリームをなめたり。

待ちきれない、楽しんでくれている様子に私も夫もニコニコしていた。

ところがどっこい。

さあケーキを食べよう!と取り分けると、デコレーションのチョコレートばかり食べて、ビスケットのチョコだけをなめとり、「もういらない」

「はぁ?!?!?!」

である。

ケーキは?

「チョコだけたべたかった」

ケーキは?

「チョコは?もうないの?」

ケーキは?

私がわざわざ作ったケーキは?

「チョコだけ食べたかったんならケーキいらないじゃん!なんで新幹線ケーキがいいなんて言ったの?チョコだけで良かったじゃん!」

大人げないよね。知ってる。

でも心が折れた。

喜んでほしくて作ったケーキを喜んで食べてもらえなくて、とても空しかった。

子供特有の気まぐれだとしても。

これがカレーならこんなに怒らなかったかもしれない。

今でも夕食では「ほぼお供え物」状態のおかずは良くあることだ。

当然喜んで食べてくれるだろうと信じて疑わない、年に1回限りの誕生日ケーキだったから。

買ってきたケーキのフルーツだけを食べてスポンジを残すことだってある。たぶんクリスマスのケーキはそんな感じだった。

今日の新幹線ケーキも4歳さんには同じようなものだったんだろう。メインのチョコを食べてしまえば自分にとっては食べても食べなくてもどうでもいいもの。

我が家の4歳さんには、それが両親の手作りだから、残すと両親が悲しむ、なんてことまでは読み取れない。

それだけのこと。

(たぶん食べないだろうな)と、そっと食事に添えるスープも、両親の手作り誕生日ケーキも、食べる自由・食べない自由は4歳さんにある。


すっかりケーキのことなんて忘れて、ご機嫌で夫と遊ぶ4歳さん。

一方で私の心に刺さったトゲはまだチクチクしている。

冷蔵庫には、夕飯用に買った焼き肉が待っている。肉を食べて忘れよう。

水には流せなくても大好きな塩タンになら流せるかもしれない。

お誕生日ケーキがまさかお供え物になるとは思わなかった。でも今の私はそういうこともあると知ってる。

子供は、いつだって私の想像の範囲の外で生きてる。

捕まえて押し込めることが子育てじゃないさ。

とりあえず、肉!


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