どうしようもない街、蒲田
蒲田という街に縁ができてから、18年になる。
いま、わたしが36歳だから、もう人生の半分を蒲田で過ごしていると言っても過言ではない。
もはや、一番長く過ごしている場所。
蒲田には、いいところがたくさんある。
・品川と羽田空港までそれぞれ10分
・飲兵衛に優しいお店たくさん
・餃子の聖地
・OKストアの元本店がある
・ユザワヤの本店がある
・オオゼキ(池上だけど)もあるよ
・JR蒲田駅には3路線(JR京浜東北線、京急池上線、京急多摩川線)が乗り入れ
23区内で一番、神奈川寄り
20分南に行けば横浜、30分北上したら東京という立地に慣れてしまうと、もう離れられない。
でもね
わたしが蒲田でひとり暮らしをはじめた頃
あんな街でひとり暮らしなんて大丈夫?
と、いろんな人から言われた。
あんな街でと言われても、就職先も住む場所も蒲田なんだからしょうがないでしょ?
と、内心呟いていた。
新人看護師の生活における一番大事なものは、睡眠
自転車で通えない範囲に住むつもりは毛頭なかった。
そして、この判断は今でも正解だったと思っている。
ただ、住んでみると、いろんな人が言ってた「あんな」感が見えてくる。
夜2時に合唱コンクールのボリュームで聞こえてくる男女の駆け引き
みんなに金賞をあげようという気持ちになる。
朝起きたら、ベランダが煙で真っ白だったこともある。
近所の雑居ビルでボヤがあったらしい。
これは2回あった。
はしご車ってすげぇと思った。
まだLGBTQという言葉が普及する前、ゲイとかレズとかオカマとか、そういう言葉で表されるような人も、割と多かったように思う。
スネ毛ボーボーでミニスカート+ピンヒールをはじめて見たときは、頭の中がハテナで埋め尽くされた。美脚だが???ってなった
ゴミ捨てにGがいるのはデフォルト。
ねずみもいるし、ねずみを目当てにした野良猫もいる。
3月、ひとり暮らしをはじめた家で暖房をつけたら、そこからGが降ってきたのはある意味洗礼だったのかもしれない。
君は、蒲田で生きていけるかい?っていう。
ダンボールを開けたばかり、手近にあった看護師国家試験問題集を山積みにして圧死させたのは、我ながらグッジョブだったと思っている。
ゲロを枕にして寝ている酔っ払いも、わたしは蒲田が初見だった。
あれを寝ゲロというのよ、と先輩が教えてくれた。
ただ、病院で働いてると寝ゲロ+放尿+脱糞というトリプルコンボだドン!みたいな患者と出会うので、わたしはここら辺(どこ)がかなり麻痺してしまったような気がする。
いずれにせよ、国会議事堂前や銀座の大通りでは見られないような、人間のどうしようもないところをたくさん垣間見れるこの街が、わたしは気に入っている。
この、人間のどうしようもなさが今月のテーマ
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