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ケアと医療が交わる場所で足りないもの

看護を目指す人の中で、ナイチンゲールを知らない者はいない。
言わずと知れた、看護の母。

看護に縁がない人も、ナイチンゲールという言葉は知っているはずだ。
本名であるフローレンス・ナイチンゲール、このフローレンスはフィレンツェの、という意味がある。

1820年、フィレンツェ生まれ。学校のプログラムで、フィレンツェにある彼女の生家を訪れたことがあるのだが、これが本家ではなく別荘のひとつなの?と思うほど、いま見ても立派で荘厳なしつらえ。

イギリスの裕福な家庭に生まれながらも看護に魅せられ、自身の教養と知性、人脈を使って看護を「学ぶべき価値のある学問」までおしあげた人

というのが、わたしのナイチンゲールに対する理解。

ここで、医学の始まりにも触れておく。

医学の祖はヒポクラテス、紀元前のギリシャで医学を学び普及させた男性。「ヒポクラテスの誓い」は、今でも医大生なら誰でも知っている、医者としての倫理観や心構えのクレドみたいなものである。今でも十分に通用する文言に、医療の根幹に通ずる信念を感じる。

歴史の始まるタイミングに注目してほしいのだが、医学の始まりと看護の始まりには、2000年以上の開きがある。

これは言い方を変えると、学ぶべき価値のあることなのか、市場として価値のある領域なのか、が如実にあらわれていることそのもの。

そう、看護はナイチンゲールがその価値を世に知らしめるまで、まったく日の当たらない領域だった。

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