男性が女性の身体に理解を示してくれるなら
わたしを含む女性も男性の身体の仕組み、とりわけそういう部分に理解を示したほうがよいのでは…少なくとも歩み寄る姿勢を持つべきでは…?
と思い筆を執り…いや、正確にはMacを開きました。
このnoteは、男性の生殖器やその反応について個人的解釈をふまえ解説しています。このような内容が苦手な方は十分留意し読み進めてください。
くわえて、ここにある内容がすべて正しいわけではありません。教育的なコンテンツとして使用されることは望みませんので、ご理解ください。
フェミニズムの流れが強まっている昨今
女性の
女性による
女性のためのコンテンツ
これが爆発的に増えているように感じます。
生理という言葉が市民権を得た、と言っても過言ではありません。
生理中には、ナプキンやタンポンなどいろんなアイテムを要します。
ドライな言い方をすると、安定的な市場なんですよね。
生理中、なにも対応しない人はそうそういませんから。
一方、男性のコンテンツはどうでしょうか。
広告はたくさん出てくるのに、しっかりメディアとして成り立っているもの、わたしは見たことがありません。
そういうワードで調べてみても、出てくるのは病院の研究室とクリニックのサイトばかり。
生理ですら病気との境界がグレーな部分があるように、男性のそういう部分や反応に関してもトラブルや病気はあるはず。
なのに、みなさん水面下で解決しようとするんですよね。
個人的な意見ですが、男性は女性よりも弱さを誰かと共有すること、誰かの弱さに共感することが苦手な印象があります。
だから、女性も気づかないし気づけない。
でも、表に出ていないからといって、問題がないわけではありません。
男性には、男性なりのつらさがあるのです。
それなのに
勃たない
萎えちゃう
すぐに終わってしまう
あたりで、パートナーと気まずい雰囲気になったこと、ないですか?
自分への愛情が足りないんじゃないかと責めたことはありませんか?
女性が胸のサイズで評価されることがあるように
男性だってサイズその他で評価されている部分
女性たちが「男性力」をそういうものさしで評価している場面
ないとは言いきれませんよね。
女性の身体について、男性に理解してほしいなら
わたしたち女性も、男性の身体について理解してみませんか
このnoteは、そういう提案です。
今回は、男性のそういう部分の仕組みや反応についてふんわりと個人的解釈を織り交ぜながら解説しています。
愛情とそういう反応が本当に比例するかどうか
自分の目で確かめてみてください。
そういう部分の仕組み
具体的なビジュアルは、下記のサイトからみていただくとして
女性って、ひとつの出口から1種類の排泄物が出てくる仕組みなんですが、男性はひとつの出口から尿と精液、2種類出てくるという性質をもっています。
しかも、精液はジェットコースターみたいに体内をぐるっと1周してから出てきます。
道のりが長い…!!
尿と精液が合流するのが前立腺。
男性にしかない器官で栗みたいなサイズ感です。
ここが大きくなったり圧迫されたりすると、尿や精液の排泄に際してトラブルを招くことがあります。
前立腺肥大症なんて病名がありますが、その影響力たるや…という気持ち。中を通る液体からしたらたまったもんじゃありません。
それから、受精卵が分化してそれぞれの器官や臓器になっていくことを発生と言います。
実は、発生の初期段階に作られるのが生殖器関連なんです。生命体としてこれから臓器を作っていくぞという段階のときに、次の世代の準備をしてるなんてすごいですよね…これぞ生命の神秘…
男性の生殖器は、お腹から下に向かって分化していきます。神経や血管も、お腹にある太いものが下に分岐していくようなイメージをもってください。
そのため、痛みの感じ方にも影響を及ぼすことがあります。
少年~青年がお腹が痛いと言って来院したとき、消化器にも腎臓にも問題がないとすると残りは…生殖器かな?という推察をするのはこのため。
精巣捻転という病気が有名ですが、これは精巣痛の他に腹痛が出現しやすいことでも知られています。人間の身体ってよくできてるんです。
そして、男性の生殖器と女性のそれとで大きく違うのは、熱に弱いということ。
女性の生殖器は、体内の奥深くにありますよね。
つまり、暖かいほうがいろいろと都合がいいわけです。
女性に冷えは大敵!なんて言いますし。
一方、男性の生殖器は表皮に近い部分にあります。
大事な器官なのに外でぷらぷらしちゃって大丈夫…?
と思ったことがある人、一定数いるはずなんですが
その理由は精子が熱に弱いからなんですね。
体温だと高すぎるくらい。
文献にもよりますが、33℃くらいが1番元気(?)だそう。
陰嚢にある筋肉がはたらき、身体に近づけたり離したりして内部にある精子の温度を調節しています。
そう考えると、受精の際に卵子にたどり着く精子って灼熱地獄をくぐり抜けたエリートなんだなと感心してしまいます。
そういう部分の反応
いわゆる、勃起ですね。
おそらく、女性のみなさんで勃起のメカニズムを説明できる人、医療従事者以外にいないんじゃないかしら…?
ものすごくざっくりいうと、陰茎というスポンジ状の場所にガっと動脈血が溜まった状態のこと。静脈が圧迫されるので血液が逃げていかず、勃起状態が維持されます。
この状態を維持することで、性交渉が可能となるんですよね。
この反応、実は中枢性と反射性の2種類があります。
中枢性は、女の人の裸を見るとか、パートナーとハグしてドキドキするとか、大脳から刺激が降りてきて反応すること。
逆に反射性とは、本人の意思に関係なく起こってしまう反応です。
極端な例かもしれませんが、ある男性の患者さんが全身麻酔をかけてるとき、さぁ次は尿道カテーテルの挿入だ!とその部分を持った瞬間、勃起したことがあったんですよね。
本人は麻酔がよく効いているので、意識のない状態。
なのにこういう反応が起こるんです。
生物の授業で習いましたよね、大脳を介さない反射という神経の反応。
あれが、勃起でも起こるということなんです。
だから、そういう場面じゃなくても勃起してしまうことはあります。
わたしたちも、そういうものなんだな…くらいの捉え方で良いのではないでしょうか。くしゃみのような感覚というか。アンコントローラブル。
それから、EDや彎曲症、持続勃起症など男性器に関する病気って、知られていないだけでたくさんあります。
生まれつき男性ホルモンが十分じゃなくて…という病気の場合、誰も悪くないですよね。愛情が足りないわけでもありません。
愛情があっても勃たないときがあるし
愛情がなくても勃つときがあるもの。
愛情がないから勃たないという相関は、成り立つものではありません。
モヤモヤがたまりにたまってしまう前に受診して欲しい…というのが本音ですが、男性の泌尿器科受診は女性の産婦人科受診よりもハードルが高いのかもしれません。
そういう部分がうまく機能しないとき
萎えちゃう
勃たない
すぐに終わってしまう
という例を前に出しましたが、これらは射精障害も含めて勃起障害(ED)と呼ばれるものです。
決して珍しいことはではなく、2000年より前のデータになりますが、日本では1130万人以上の患者がいると推定されています。
安易に比べられるものではありませんが、2021年における男性の人口が約6000万人であることを考えると、そこそこな割合になりますよね。
左利きより多い計算。
いわゆる病気のレベルに至らなくても、そのときたまたまそういうことが起こってしまったことがある…という男性がほとんどなのではないでしょうか…
むしろ、いつもずっとばっちり!という人は、お仕事でされている方くらいだと思うんですよね。
EDの原因はさまざま。
女性の生理痛やPMSと似ているかもしれません。
器質性であることもありますが、多くは心因性や精神病性からなる機能性障害と重複して起こっています。言い換えると、EDは身体と心の要因が複雑に絡み合って起こる障害なんです。
器質性…?と思われる方も多いと思うのですが、要は身体の問題のこと。
EDにおいては、血管系と神経系の要因に二分されます。
血管系は動脈硬化、神経系は糖尿病。
どちらも聞いたことないとは言わせませんよ〜
EDに関係あるの…?
と思われるかもしれませんが、ありよりのありです。
動脈硬化によって陰茎に流れ込む血液の量が制限されることにくわえて、静脈がうまく縮こまってくれないことにより血液がだだ漏れて、勃起を維持できなくなります。
ONE PIECE に出てくるルフィって、ゴムゴムな身体を使って敵と戦いますよね。
あれが動脈の柔らかい元気な状態だとすると、伸びないし伸びても硬いし脆い状態が動脈硬化状態。パンチした腕がちぎれたり、元にもどらなくなった状態を想像してみてください。そりゃいろんな伸縮性に影響を及ぼします…
糖尿病は、網膜障害・腎障害・神経障害が主な3大合併症と呼ばれていますが、この神経障害にEDも含まれます。細かい血管と神経が多く通っているところに、過多な糖分が流れてきても邪魔なだけなんです。
神経障害は足の壊疽が有名ですが、男性器にも起こり得ます。足は切断という外科的方法が選択されることもありますが、いざ性器となると切断というわけにはいきません。凌いで凌いで、壊疽を遅らせるしかないのです。
もうひとつが、機能性
簡単に言ってしまえばメンタルの要因ですね。
性的経験の不足、不安、その他の心理学的因子が原因であると言われています。
緊張すると心臓が速くなって汗がでる
これと同じような感覚で、わたしたちの身体と心はつながっています。ということは、症状としてあらわれるものにも相関がある、ということ。
萎えちゃう
勃たない
すぐに終わってしまう
繰り返しになりますが、こういうことでパートナーを責めた場合
プライドや尊厳を傷つけるようなことを言ってしまった場合
これがトラウマやきっかけとなってしまうこと、なきにしもあらずなんじゃないでしょうか。
過去のパートナーとの体験を引きずっていたり、その日の体調がイマイチだったり、すごく緊張していることを隠してたりする可能性だってあります。
いずれにせよ、EDかどうか調べるときは、身体も心も検査やテストでスクリーニングされます。原疾患がある場合には、その治療から
なければ、薬剤療法や補助具を使った治療をする場合もあります。
受診して悪化することはまずないので、悩んでいる方はまず受診というハードルをクリアしてほしいですね。
困ったときのサービス
とは言っても受診のハードル、高いですよね。
代わりになるかどうか保証はできませんが、わたしの知ってる範囲で、男性のそういう問題をサポートするサービスを紹介しておきます。
まずはOops
ED(勃起不全)のオンライン診療サービスです。
内服薬で改善を見込むのが標準治療ですが、原因であるストレスや心理的負荷に言及しているのがとても良いなと思いました。むしろ、そういう要因からの人のほうが多い印象なので。
たとえ診断を受けていなくても、勃起に際して困った経験があるという経験をしている男性は少なくないはず。
そういった意味でもカジュアルに相談できて診察に繋がるというプロセスは、貴重ですよね。
あとは、精子を測るサービス
これは量を測ることはもちろんですが、有効な精子がどれくらいいるかをチェックできるもの。
言い方に品がないかもしれませんが、妊活においては元気な精子がたくさんいたほうが成功率が上がります。
その元気っぷり(運動率)を見ることができるんです。
ちなみに、わたしが知ってる事例だと運動率が3%、ほぼすべての精子が動いてないという診断のついた人がいましたが、治療をして妊娠出産した事例を知っています。
対面での受診ハードルが高い人は、まずオンライン経由で医療にアクセスしてるのもアリだと思います。
その上で
診察に関しては、やはり対面に勝るものはありません。
できたら受診してほしいなというのが看護師としての意見です。
おわりに
女性だから女性の身体を理解できる
男性だから男性の身体を理解できる
本当にそう言えるのでしょうか。
内診されるなら女性の産婦人科医がいい、という意見はわかりますが、その女医にも自身の個人的な体験と積み上げてきた事例があります。
これくらいなら痛くないでしょ?
と、バイアスのかかった言葉や診察を受けたことのある人、少なからずいるんじゃないでしょうか。
本当の意味であなたに寄り添い理解してくれるかどうかは、同性であることと別の話だと思うのです。
反対に、性別が違うほうがいいという意見も聞きます。
お互いに100%理解することがないからこそ、理解するための努力を、理解しようとする姿勢を惜しまない、だから安心できると。
自身の体験がないからこそフラットに事象として扱ってくれる、そのほうが好ましいという人もいるんです。
それぞれの関係性の中で
これってどうなの…?
こういう傾向があるんだね~
もしかしたら病気の範疇かもしれないよ…?
と対話に繋げていけたら、パートナーシップのレイヤーも変わっていくのかもしれません。
女性には女性のつらさがあるように
男性には男性のつらさがある。
互いに想像力と配慮をもって
相手のつらさに向き合っていきたいですね。
参考文献
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