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胃の薬、タケプロンで下痢?


タケプロンで何か不具合・・というと粘膜や目の充血などの中毒性表皮壊死症(TEN)が一番先に思いつく。けれど、皮膚科にいても症例にあたったことはない。


タケプロン単剤で下痢が~と言われたら中止して様子見てくださいというけれど、高齢の方で単剤服用はまずないですねぇ。

下痢が続いていると言われたら薬剤師として真っ先に思いつくのが抗生剤。そして今回のPPI,H2ブロッカーは有名らしい。ひー!薬剤師として必須項目かもしれない~。

ほかに下痢を副作用とする薬剤はセロトニンで副交感神経が優位になることになるSSRI、ウブレチド、そしてNSAIDSも患者さんが飲んでいないか要check。

なぜPPIで下痢になるのかを考えたら覚えられるのかもしれない。PPIは胃壁面の粘膜に作用するけれど、大腸上皮細胞のプロトンポンプも阻害してしまう。それによって大腸の粘膜分泌物が変化→血便を伴わない水溶性下痢になる。

血便を伴わないというのがこのPPI副作用の特徴のようですね。


中止後改善率が90%なので、「先生、ちょっと胃の薬ば飲んでからよぉ下痢ばするとですよ~」で中止後良くなって、この症例にあたる薬剤師は少ないかもしれない。実際、私は電話問い合わせでたまたまかもしれないけど、ないなぁ・・・忘れてるのかなぁ。

PPIは食後投与が多いけれど(コンプライアンス改善のためだろうけど)欧米では食前投与が一般的というから効きがいまいちというなら食前でもいいのでしょう。タケプロンの添付文書も用法では食後や食前の記載はないし、AUCも食前投与の血中濃度ですね。

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