余剰9年---5
陽が目に毒だ
視線はいつでも伏せていたくなる
知りたいことだけ知ることもできる世の中
だけどそれは知りたくないことを徹底的に排除している
という意識的なものではなくて操作されている
なんて考えている人は一体どれくらいいるんだろうか
外に出なくても、だれかと会わなくても
手元の端末ひとつを介して利便さだけ進んでいく
そこにどれだけの人が介在しているか、きっと忘れてしまってる
だんだんみんな王様になっていく
自分が嫌だった誰かに近づいていく
温度感の伝わりづらい中、空気が変わる音、
色が変わる瞬間、わからないことがきっと増える
無論こちらもかなり鈍くなっている
テクノロジーだかなんだかにのまれて
大事な何かをたくさん見落としている気がする
いつも目を伏せていたい
陽は目に毒だ
いいものしか見せようとしないから
その影をどれだけ汲み取れるのか
いつだって勝負だ