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スピッツの歌詞からあれこれ想像する「ヒビスクス」


この曲めっちゃ好きなんです。

ピアノソロからのイントロは「楓」を彷彿とさせるもの悲しさがありますね。

好き。


(曲の製作過程とか、マサムネさんのアレコレとか抜きで、「ヒビスクス」の歌詞から想像した世界観を書き連ねます。考察というには拙いです。あしからず。)


✺✺✺✺✺


過ちだったのか あいつを裏切った 書き直せない思い出

出だしから不穏。

いったい何があったんでしょうか…。


ともかく、「僕」は結果的に「あいつ」を「裏切った」みたいですね。



幼さ言い訳に 泣きながら空飛んで クジラの群れ小さく見える
約束の島で 再び白い花が

「クジラ」「島」「白い花」

これらのワードから、舞台を「海」に浮かべることができますね。

ちなみに、題名の「ヒビスクス」はハイビスカスを英語で書いた時の「hibiscus」をそのままローマ字読みした言い方のようです。

Youtubeには上がってないですが、「醒めない」の初回特典についていたこの曲のPVはハワイで撮影したものでした。

舞台は「南の海」、決定。


しゃがれ声で囁く
「恐れるな 大丈夫 もう恐れるな」
武器も全部捨てて一人 着地した

南の島に「着地した」。

問題は、「しゃがれ声」が誰のものなのか。


①自分
「あいつ」を裏切った自分を自分で励ましながら、この島にやって来た。
声が「しゃがれ」てるのは緊張から。

②謎の人物
年老いた誰かの「しゃがれ声」。
誰かの助言でこの地にやって来た。


②は一見突拍子なく見えますが、実はこの歌詞の直前に

優しく微笑むような 生ぬるい風

と風を擬人化するような歌詞があるんですね。

もしかしたらこの歌詞は風を擬人化しているのでなく、
人を擬”風”化(?)しているのだとしたら、
「あいつ」を裏切った「僕」を受け止めてくれる「生ぬるい風」のような人がいるのかな、なんて。


ただ、①と②で見方にはズレが出てきます。

強がっている「僕」の印象がより強いのが①ですね。


よし、今日は①ルートの想像で行こう。



悲しみかき混ぜて それでも引きずった 忘れられない手のひら
言葉にする何度も あきらめたはずなんだ

めっちゃ未練たらたらしてる…。

でもそれは、スピッツの曲にはよくあること(←)。

この部分では、「あきらめた」って言葉が少し引っ掛かりますね。

「忘れられない手のひら」が「あいつ」のものだとして、
「あきらめた」のは「あいつ」への懺悔でしょうか。

あきらめた「はず」ってところがね…。



戻らない 僕はもう戻らない
時巡って違うモンスターに なれるなら

ここ、とても悲しい叫びに叫びに聞こえます。


「戻らない」

戻”れ”ないじゃなく、戻”ら”ない。

意志がこもってますね。


「モンスター」。つまり、怪獣。

「モンスター」に”感情”はあるのでしょうか。


…「あいつ」を裏切ったことを何も感じない「モンスター」。

そんな「モンスター」になれる「なら」。



それなら、どんなにいいだろう。





しゃがれ声で囁く
「恐れるな 大丈夫 もう恐れるな」

……励ましているのは、誰の声ですか?




(完)

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