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ChatGPTと小説を書いてみた(利用法と実例)

ChatGPTに小説制作を手伝ってもらいました。本当に助かります。
以下は私が利用した使い方とその実例です。

あらすじやシナリオを量産する

 AIに何本か書かせてみると分かりますが、最初から完成した小説を書かせようとすると、投げやりな日記のような、起きた事を羅列するだけの文章しか出てきません。
 AIってそういうもの。ありそうな展開を並べるだけで、要素の重みづけや意外な展開や解決は苦手です。

 けれども逆に、ありそうな流れを確率でつなげてくれるという事は、読者が理解しやすい流れ、王道の例を見せてくれるという事。
 意外性のある要素やジャンルなどを指定すると、それらを上手くつなげてくれるのはさすがです。(ChatGPTでセルフ三題噺 など)
 ジャンル指定だけだと範囲が狭くてパクリ臭の高い物が何度も出て来ます。あまりに似た結果しか出ない場合は、利用する単語や表現を変えたり、形容詞を入れたり、押したり引いたりあきらめたりしてみましょう。

 そうやってあらすじやシナリオを量産してもらうと、たまに気に入る物も出てきます。
 それから発想を飛ばして自分なりの物を作ればいいし、AIの出すアイデアが、たとえ作品としての完成度が高くなくても、色々なバリエーションを見ていると自分の発想力も鍛えられる気がします。

 あらすじはシンプルでありがちでも、エピソードや要素でストーリーは全く別物になるので、とにかく作ってみましょう。
 AIの良い所は、いくらでも(下手くそ過ぎて使えないものも含め)アイデアを出してくれる所。何回頼んでも嫌がらないし、人間相手だとビックリされるような指示でもとりあえず試すことができます。
 自分でアイデアを10出す間に100でも1000でも書いてくれそうです。

 あらすじやシナリオは今までの記事でいくつも試してきましたが、実際に活用したのがこちら。

U4:
「気がつくと、俺は異世界にいた。」に続けて、 猫とダンスとラーメンが出てくる異世界ローファンタジーラノベ短編小説のあらすじを書いてください。 サブカルチャー好きの10代から20代の日本人男性をメインターゲットとして、女性にも好まれる売れるラノベ作品をどうぞ。

AI:
気がつくと、俺は異世界にいた。周りには奇妙な生き物たちがうろついており、俺は驚きのあまり声を上げてしまった。

そんな俺を見かねたのか、道端でひとり座り込んでいた猫が近寄ってきた。猫は俺に話しかけると、ここは異世界「ネコランド」という場所だと教えてくれた。

しかし、俺にはこの異世界で生き残る術も、帰る方法もわからない。そんな中、猫は俺に「ダンスを踊れば、異世界に馴染めるようになるかもしれない」とアドバイスをくれた。

そんな中、俺はラーメン屋を見つけ、美味しいラーメンを食べながらダンスを踊り始めた。周りの人々は最初は驚いた表情を浮かべていたが、次第に俺に興味を持ち始めた。

そして、俺はダンスで人々を魅了し、異世界での生活に馴染んでいくことができた。しかし、そんな中で異世界に巣食う脅威に遭遇することもあり、俺はラーメン屋で知り合った仲間たちと共に戦いを繰り広げることになる。

猫とダンスとラーメンが織りなす、壮大な異世界ファンタジーが今始まる!異世界での生活を楽しみながら、俺たちは帰り道を模索していく。

 「ChatGPTにラノベ書かせてみた」でChatGPTに作ってもらった「猫とダンスとラーメン」のヤツ。ターゲット範囲とか、売れる〜とかの指示が効いてるかは分かりませんが、何か制限を入れた方が結果が少しは面白くなる気がします。
 つたないですが、「ChatGPTが書いたあらすじを小説にしてみた 1」の続きを本当に書いてみました。

『ダンス★ダンス★パパラチア! 〜異世界で猫とダンスしたり冒険したりで毎日が忙し過ぎる!〜』
https://www.alphapolis.co.jp/novel/717569827/355743869

 ChatGPTが作ってくれたあらすじを「くだらねぇぇ〜〜っ」「意味不明!」と思ったものの、一周回って気に入ったので第一話(連載8回分)を書きました。そして現在はその続きを書いています。

そして、俺はダンスで人々を魅了し、異世界での生活に馴染んでいくことができた。

 までが第一話。

しかし、そんな中で異世界に巣食う脅威に遭遇することもあり、俺はラーメン屋で知り合った仲間たちと共に戦いを繰り広げることになる。

 が第2話以降。ここからは趣味でテーブルトークRPGシナリオっぽさが増えてます。
 異世界のダンジョン併設型テーマパークに滞在する話で、チートもハーレムも擬人化獣人も出て来ませんが良かったら見てください。

出てくる猫獣人は萌え系猫耳キャラではなく二足歩行猫キャラです

 公開結果から見て、導入部の引きが弱かったのが確定なので、次はその辺りにももう少し工夫したいと思います。
 でも、これはこれで気に入ってるので最後まで書きます。

名前を考えてもらう

 本気でChatGPTに頼ってる事の一つが名前決め。苦手なんです。

U4:
次は勇敢で魅力的なインド人男性戦士キャラクターのためのファーストネームの候補を挙げて

ChatGPT:
勇敢で魅力的なインド人男性戦士キャラクターのためのファーストネームの候補をいくつか挙げます。意味も併記しておきます。

1. Arjun(アルジュン):サンスクリット語で「明るい」や「輝かしい」という意味があります。マハーバーラタの勇敢な戦士アルジュナにちなんだ名前です。

2. Veer(ヴィーア):サンスクリット語で「勇敢」や「英雄」という意味があります。勇敢な戦士にふさわしい名前です。

3. Ravi(ラヴィ):サンスクリット語で「太陽」という意味があります。力強さと活力を象徴する名前です。

4. Karna(カルナ):サンスクリット語で「耳」や「聞く」という意味があります。マハーバーラタの勇敢な戦士カルナにちなんだ名前です。

5. Hari(ハリ):サンスクリット語で「獅子」という意味があります。勇敢さと力を象徴する名前です。

6. Yudhisthir(ユディシュティル):サンスクリット語で「戦いの勇者」という意味があります。マハーバーラタのパンダヴァ兄弟の長兄にちなんだ名前です。

7. Rohit(ロヒト):サンスクリット語で「赤」という意味があります。勇敢さと情熱を象徴する名前です。

8. Bhima(ビーマ):サンスクリット語で「強大」や「恐るべき」という意味があります。マハーバーラタのパンダヴァ兄弟の強力な戦士ビーマにちなんだ名前です。

9. Ajeet(アジート):サンスクリット語で「征服されない」や「勝利者」という意味があります。無敵の戦士を意味します。

10. Chandan(チャンダン):サンスクリット語で「サンダルウッド」という意味があります。清らかさと勇気を象徴する名前です。

これらの名前は、インドの文化や言語の多様性を反映しており、勇敢で魅力的な男性戦士キャラクターを作成する際に役立ちます。

 こんな感じで「ラーメン好きの筋肉イケメン戦士・ラヴィ」の名前は決まりました。(この記事のタイトル画がラヴィのイメージ画像です。)

 インド人を指定したのは、ありきたりでない言語で異世界ファンタジーぽさを出そうとしたからです。
 英語だと日本人に馴染みがあり、ウイリアムとかエドワードになるとファンタジーと言うより歴史ぽくなってしまう気がします。(貴族モノを書く時はアリでしょう。)
 英語日本語以外や、造語で、との指定もできます。ただし造語を指定しても無から有はAIでも人でも作り出せないので、既存の言語を元にして語尾を変えたり組み合わせたりした造語を返してくることが多いです。そのため、造語指定でも、参考にした語源やイメージを併記してもらうと確認の手間が省けます。意味がなくて良いから語感優先で、という指示も面白い結果を出してくれます。

 女性魔術師向けの名前も数十個出してもらいましたが、あまりピンと来なかったのでラヴィ(サンスクリット語で太陽)と対でステラ(イタリア語で星)にしました。二人の名前の言語が違うのは、出身地が別の設定だからです。
 ちなみにラヴィの通り名:アノール(エルフ語で太陽)は、もちろん故トールキン先生の創作したエルフ語によるものです。エルフにも一目置かれている冒険者だという演出(のつもり)です。
 また、カフェで働くエルフ女性の名前を考えてもらう際に、ChatGPT4.0は、

シンダール語での女性の名前: 「ルーフィエル」(Ruufiel)

「ルー」(ruu)は「紅葉」を意味し、「フィエル」(fiel)は「美しい」を意味します。全体で「美しい紅葉」の意味になります。

と主張しているのですが、私では原典を探しきれませんでした。でも採用。可愛いから。紅葉ちゃん。

あだ名を考えてもらう

あだ名も作れます。

U4:
中世ファンタジー小説に出てくるシーフの男性の偽名を考えて。シーフやスカウトが得意とするスキルや関係のある単語を偽名として使います。愛称やコードネームようなもので、あまり名前らしくない単語でも構いません。案を5つ

ChatGPT:
1. 影狩り (Kagegari) - 影を狩るように忍び寄るシーフのスキルを表現しています。
2. 音無し (Otonashi) - 音を立てずに行動するシーフの特徴を強調しています。
3. 瞬き (Mabataki) - 瞬く間に物を盗むシーフの速さを表現しています。
4. 素通り (Sudoori) - 人々の視線をすり抜けるシーフのスキルを意味しています。
5. 鍵師 (Kagishi) - 鍵を開ける技術に長けたシーフの特徴を表しています。

U4:
英単語の偽名を、日本語で説明してもらえますか。発音は近いものをカタカナで表記してください。

ChatGPT:
1. Shadowstep (シャドウステップ) - 影の中をすり抜けるように移動するシーフのスキルを表現しています。
2. Silencer (サイレンサー) - 音を立てずに行動するシーフの特徴を強調しています。
3. Blink (ブリンク) - 瞬く間に物を盗むシーフの速さを表現しています。
4. Ghostwalker (ゴーストウォーカー) - 人々の視線をすり抜けるシーフのスキルを意味しています。
5. Locksmith (ロックスミス) - 鍵を開ける技術に長けたシーフの特徴を表しています。

U4:
いいですね。その感じで、もう5例

ChatGPT:
1. Whisper (ウィスパー) - 音もなく、ひそかに行動するシーフの特徴を表現しています。
2. Swiftstrike (スウィフトストライク) - 素早い動きで敵を仕留めるシーフのスキルを強調しています。
3. Nightcrawler (ナイトクローラー) - 夜の闇に紛れて活動するシーフの特徴を表しています。
4. Smokestep (スモークステップ) - 煙を利用して素早く移動するシーフのスキルを意味しています。
5. Shadowdancer (シャドウダンサー) - 影と一体化し、敵から隠れるシーフの特徴を表現しています。

 結果を見比べて、名前として通用しそうなロックスミス(ロック・スミス、鍵屋)を採用しました。

 イェロンはオランダ人名で提案してもらった中から採用。作中ではノームなのですが、大航海時代に世界中で植物標本を採集してるイメージで。(偏見か勘違いの可能性あり)
 妖精の名前(クシルフェイ、愛称:クシィ)は難航しましたが、量を出してもらった中から選んでさらに加工しました。

状況を描写してアイデアを探す

 次に活用しているのが背景の描写です。
 主人公達が何か行動をしている時は書きやすいと思います。けれども背景の設定は、絶対コレでなくては!というこだわりがある場面ばかりではありません。雰囲気は決まってるけど具体的な設定をしていない時、考えていた設定が使えなくなった時に効果を発揮します。

 ネコランドのダンジョンの入り口は、遺跡の中にあります。遺跡の地下がダンジョンになっている事は決めていました。ただし、最初はローマのコロッセオのようなすり鉢状になった遺跡を螺旋になった坂道と階段で降りて行き、その底に入り口がポッカリ開いているという設定でした。
 しかし、実際に文章で表現して行くとダンジョンの住人の説明やロックの登場もあり、描写がくどすぎると気づいたのです。
 変えるか。どうしよう?

U4:
遺跡の廃墟の地下がダンジョンになっている。そのダンジョンの入り口部分を小説風に描写して。

ChatGPT:
陽の光が、古びた石畳を照らし出す。深い森の中に突如として現れる遺跡の廃墟。かつて栄華を極めた王国の名残が、今もなお、風にさらされて風化しつつある。荒涼とした景色の中で、一際目を引くのは、その廃墟の地下へと続く入り口であった。

入り口は、彫刻で飾られた豪華なアーチが、遠くの昔の栄光を物語っている。しかし、時間の流れと共に、その彫刻は風雨によって削り取られ、いにしえの英雄たちの顔も判別がつかないほどになっていた。

入り口の前に立つと、どこからともなく冷たい風が吹き抜ける。地下へと続く石段は薄暗く、奥に進むほどに闇が濃くなっていく。どこか不気味な雰囲気に包まれているが、それと同時に、冒険心をくすぐる魅力が漂っている。

歴史を感じさせるその廃墟の地下には、伝説の宝物や未知の生物が眠っているとされる。しかし、数多くの探検者たちが挑戦しても、謎に包まれたダンジョンの奥深くまでたどり着くことはできなかった。

ダンジョンの入り口に足を踏み入れる者たちは、恐怖と興奮が入り混じった表情で、手にした光の煌きを頼りに、闇の中へと消えていった。そして、その地下迷宮で何が待ち受けているのか、まだ誰も知らない。

果たして、誰かがその謎を解き明かし、遺跡の地下ダンジョンの秘密を暴くことができるのだろうか。その答えは、闇の中で、静かに時を待っている。

 このような指示で適当にあるある文章をずらっと書いてもらい、アイデア出しに使ってます。
 うむ。地下への階段、ダンジョンの入り口、ってシンプルに書いた方が分かりやすいのか。
 アーチ、採用。
 日常と非日常を分けるシンボルとなる。
 入り口の前に立つと、どこからともなく冷たい風が吹き抜ける〜、採用。
 雰囲気出てるよ!
 この部分は、AIにアイデア出しをしてもらって気に入った要素をポイントに置き、その間を人間が考えてつなぐという普段と逆の方法で書きました。

 ラノベでは、場所の設定や描写がないまま会話だけで物語が進む作品もあり、なんならその方が読みやすかったりするんですが、私は世界観を表現する背景が好きなので、ついつい設定を入れすぎてくどくなってしまいます。
 もしかしたら完成した表現もくどすぎたかもしれませんが、ダンジョン前を描写するのにChatGPTが非常に役に立ちました。
 「〜〜(属性)の〜〜(城、部屋の中など)は、どのように見える?」と聞いて何パターンか書いてもらって参考にするのも良いんじゃないかと思います。

モンスターを考えてもらう

モンスター、魔法生物、魔法植物など、大量に提案してもらって楽しんでいます。

U4:
ファンタジーテーブルトークRPGのシナリオに登場するオリジナルのアンデッドモンスターを、名前、見た目、攻撃能力、行動の特徴を表にして提案して。

ChatGPT:
以下にオリジナルのアンデッドモンスターの情報を表にまとめました。
(※注 表形式の出力だったため、表記方法を変換しています)
項目:
詳細

名前:
フェイタルリーパー

見た目:
緑色の炎に包まれた、黒い骨格と長い鎌を持つ大きなスケルトン。目は赤く燃える炎で、その瞳には犠牲者の恐怖が映る。

攻撃能力:
1. 死の鎌: 近接範囲で敵に大ダメージを与える。命中時には、一定確率で即死効果がある。
2. 幽鬼の炎: 中範囲の敵に緑色の炎を放つ。命中した敵は、一定ターン毎に持続ダメージを受ける。
3. 恐怖の叫び: 周囲の敵に恐怖を植え付ける。恐怖状態の敵は、一定ターン行動不能になる。

行動の特徴:
1. 周囲に潜む魂を吸収して、自身を強化する。戦闘が長引くほど、攻撃力と防御力が増加する。
2. 戦闘開始時に、ランダムな敵一体を恐怖の瞳で見つめる。見つめられた敵は、一定ターン行動不能になる。
3. HPが半分以下になると、緑色の炎を身にまとい、攻撃力と防御力がさらに上昇する。

フェイタルリーパーは、戦闘が長引くほど強力になるため、プレイヤーたちはスピード感のある戦術でこれを倒すことが求められます。また、恐怖状態や行動不能などのデバフ能力も持っているため、プレイヤーたちも対策を考える必要があります。

U4:
「フェイタルリーパー」を日本語に訳して漢字で表現するとどうなりますか? 物語の登場モンスターであることを踏まえ、意味の正確さよりも格好良さ・怖さ・邪悪さを表現した名前をつけてください。並行して、読み方は「フェイタルリーパー」を採用します。「宇宙」と書いて「そら」と読む、あるいは「コスモ」と読む類のネーミングです。

ChatGPT:
フェイタルリーパーの漢字表現として、「死縛魔刈」を提案します。この表現では、死や縛り、魔物、そして刈り取るといった要素が含まれており、怖さや邪悪さを感じさせる名前になっています。読み方は「フェイタルリーパー」とします。

U4:
ありがとう! ものすごくサブカル的でカッコイイです。

ChatGPT:
どういたしまして!喜んでいただけて嬉しいです。サブカルチャーの世界には魅力的な要素がたくさんありますので、それを表現できる名前を考えるのは楽しいですね。これからも何かお手伝いできることがあれば遠慮なくお申し付けください。

 これは、ダンス★ダンス★パパラチア!に使用した敵モンスター。出て来たら「これか!」と思ってください。たぶん、私が小説に書き下ろした物より、この表の方が楽しいです。(涙)

 他にも細かく活用してたりします。けれどもたぶん、どれも想像より地味な使い方でしょう。ですが非常に助かっています。

 世間(?)では、「AIは完成した良質な作品を作れるか?」みたいな論争がありますが、ChatGPTの真価はそこではなく、サポート力にあると思います。

画像制作:U4 & niji・journey

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