短い民話を頼んでみた
こんにちは。浅間遊歩です。
引き続き、ChatGPTに短編小説(民話)を書いてもらいました。
ChatGPTに小説を書かせてみる実験(?)の2回目になります。
1回目はコチラ→ ChatGPTと遊んでみた
民話なら起承転結のパターンが分かりやすそう&キャラの個性をそれほど必要としない&ある程度、意味不明でも通りそう、と思ったので。
そうしたら、かなり楽しいのです。
もしかしてこのプロンプト、使える?
気になったらプロンプト(指示文)を改変してバンバン遊んでみてください。
(note使い始めで、せっかくなので有料部分を設定してみましたが、それほどでもないので解除しました。)
日本風の創作民話
ちょ……おま……それ、パク……
まあいいや。桃から生まれてないし子分もいないし、一寸法師も鬼退治だし、神器は三種の神器から来てるのかな?(桃太郎+ヤマトタケル?)
ちょっとビックリしたけど、読み直してみたら、ヤマからオチへのふくらまし方が弱いだけで、普通の英雄譚には一応なってるな。
民話だし、OKOK。
(Q.画像で少年が握ってるのは刃の部分では? A.気のせいデスヨ?)
インド風の創作民話
へー。民話っぽい。
でも、日本の例があるので聞いてみる。
スペイン風の創作民話
オレンジ! そして騎士!
騎士がどうやって村人達を動員したか?(脅迫、誤解、あるいは好意的な協力を得られた)が物語の大事なキモの部分だと思うけど、まあいいか。
この時、「騎士はどのようにして村人達を動員しましたか? 物語をより面白くする案を3種類、考えてください」と追加で聞けば良かったです。
ケニア風の創作民話
トラップに捕まったのは、村人たちが守りたかった動物ではなく、
は、
トラップに捕まったのは、村人たちが(村を守るために)倒したかった動物ではなく、
の
間違いではないかと思います。
意味は通じたので、そのまま会話を続けました。
カナダ風の創作民話(雪男トリビア付)
追い払ってなかった。
まあいいや。
× 日本語から英語や他の言語に翻訳された際に使われる
⚪︎ 英語や他の言語から日本語に翻訳される際に使われる
だと思う。細かく注意した方が研究の助けになるんだろうか?
口語的会話のつもりで、言いたい事が理解できるものはスルーしてるけど。
ドイツ風の創作民話
特にそそられる話ではない。
ただし、これは鍛冶屋・王様・魔法使いのキャラクターや魔法の描写次第でウケるキャラ物のあらすじに見える。
演出次第でシェイクスピア風とか、ラノベ(異世界チート?)風とか、ギャグファンタジーとか、化けそう。
テキサス風の創作民話(と、 AIジェネレータへの考察)
ここに来て、非常に特徴的なAIらしい文章を出してきた。
気がついた事を解説してみる。
まずは疑問。
ビッグ・ジョンはオスか?メスか?
ビッグ・ジョンは肉牛か?乳牛か?
牛乳を出したのは機械か?牛か?
比喩か?擬人化か?
最初の数行を読むと、ビッグ・ジョンは牧場で飼われている牛の群れのリーダー(アルファ、ボス)のようである。ジョン(John)という名前から、おそらくオスだろう。テキサスだから肉牛、というか種牛?
そう無意識に定義しつつ読み進めたら、何と、ジョンは、
「機械を使って巨大な(大量の)牛乳を搾り出」してしまうのである!
あれ?
ジョンってオスだと思ってたけど、メス??
んん?
もしかしてミルクは機械から出てきて、その不思議な機械はビッグ・ジョンにしか使えないとか、そういう事?
でも、牛乳をたくさん出す牝牛に対するような描写だな。
強さや勇気と牛乳の関係は……(困惑)
そして、この最後の一文では、おそらく、ビッグ・ジョンは牛ではなく、流れ者のカウボーイである。
ふらりとやって来た頼りになるナイスガイのビッグ・ジョンによって牧場にあった問題が解決(ならず者が倒されたとか、牧場内の人間関係が改善したとか)して、牧場のみんなはこれから幸せに暮らすのである。めでたしめでたし。
つまらないとかオチがないとかとは違う、奇妙な文章である。
ビッグ・ジョンは、牛と書いてあるけど、イソップ童話風の擬人化なのか???
それとも……
この物語を理解しようとしばらくにらんだ後、ようやく気がついた。
というか思い出した。
これは、AIによるパッチワークなのだ、と。
私は AIの研究者ではないので詳しい事はわからない。
けれどもこの半年、画像生成AIのMidjourneyを触ってきて、気づいた事がある。それは、
「AIは整合性を気にしない(できない)」
見た目を真似するのや、要素を混ぜるのはすごくうまい。
けれども考えてるわけではないので、何故それがそこにあるのか?の理由や立体的な構造は考慮しない(できない)。
右を向いている鳥と左を向いている鳥の画像を学習したら、そのバリエーションとして、右と左にクチバシが付いている鳥を描いてしまったりするようなヤツである。(立体的な構造として理解していない)
ChatGPT は、それの文字版だ。
おそらく、ChatGPTがピックアップした要素は以下の通り。
テキサスには牧場がある
牧場では牛を飼っている
動物の群れには体が大きくて強い個体がいて、周りから一目置かれている(それはオスの場合が多い)
牛はミルクを出す
ミルクをたくさん出す牛は大事にされる
テキサス(英語)風の(男の)名前に(ビッグ・)ジョンがある
ミルクを搾るのに手作業でなく機械を使うと効率良く(時間当たり)たくさんのミルクが取れる
ジョンという名前は男性
テキサス&牧場といえばカウボーイ
テキサスにおける民話の参考として、昔のカウボーイ映画
そしておそらく、ChatGPTがピックアップしていない(考慮していない)要素は以下の通り。
牧場はテキサス以外にもある(他で拾った牧場の描写や説明全てがテキサスの牧場にも当てはまるとは限らない)
家畜の牛には肉牛と乳牛がいる
テキサスは有数の肉牛生産州
牛乳を出すのは牛だが、出さない牛もいる(オスなど、出産直後のメス以外)
牛にジョンと名付ける事はあるが、ジョンの全てが牛ではない
そのため、要素をつなぎ合わせる際に連想ゲームのように少しずつズレてゆき、最初に挙げた疑問のように、ジョンがオスだかメスだか牛だか人間だかわからない文章が出来上がったのだろう。
AIががやってるのは確率のパッチワークであって、「機能的整合性を考慮した創造」ではない。
ただし、
らしいので、AIによる「組み合わせ」が、「すばらしい創造性を秘めた独創的なアイデア」と同じ結果に見える事もあるだろう。確率なので。
その確率を上げるべくチューニングを続けてくださってる技術者の方々に感謝である。
SF風の創作民話
そう来たか!!
てっきり「宇宙戦争」的なのとか「誰々は実は宇宙人だった!」みたいのを出してくると思ってたので、ちょっと面白かったよ。あなどってた。
やはりSFは読者の想定を裏切り、常識や視点をひっくり返してナンボなんだなぁ。
もしかしたら古典SF小説にこういうパターンが多いのかもしれないけど。
(SFファンには「こんなの定番じゃん!」と思われてたり?)
そして分かってきた。
コレ、永遠に遊べるパターンなのでは?
商業誌掲載レベルではないが、お題次第でそこそこ面白いのができる。
というか、「そう来たか!」「何それwww」って遊び続けられる。
そのうちに細部をふくらませて本当に面白い物語が作れるかもしれない。
興味がある方は、ぜひやってみてください。
ここでいったん区切ります。
読んでいただき、ありがとうございました。
記事としては、一応、終了です。
この下は、オマケです。
ひたすらChatGPTに書いてもらった「短い〜〜風の民話」が続きます。そして好き勝手に突っ込んでます。
それでは、また!
(今回も画像は、Midjourney/Nijijourney に作ってもらいました。あえて無加筆・無修正・ほどほどガチャです。)
オマケ
シンプルなプロンプトが思ったより使えて楽しく、記事が長くなりました。
SF民話を最後にして、一度チャットを中断したのですが、続き(?)が読みたくなって再開してます。
よかったら暇つぶしにどうぞ。
今のところ、ボツにした民話はありません。
エジプト風の創作民話
女王「代償としての使命、それは……わらわの伴侶となるのじゃ!!」
かと思った。
コレもラノベ化できそうなあらすじ。絶対チート。
メキシコ風の創作民話
この意味不明さが民話だよなぁ、と、そこそこ気に入ってたりする。
(そして AIは、花と実の間に時差があることに気づいてない)
自分でガチョウを殺すくだりはないけど、金のガチョウ系だな。
「少しでも早く大きく育てようと毎日大量の水をやり、『早く大きくなれ』と言い聞かせました」→ そして水分過多で腐った
というシチュエーションを加えると、因果応報や、方向違いの努力はかえって害になる事があるという教訓が分かりやすくなるかも。
深読みをする読者ならば、自分の子供に過大な期待と重圧をかけて不幸に見舞われた家族の比喩と受け取るかも。
種はインドの民話でも使ったので、黄金の実じゃなくて、美しい花が高く売れるのでもいいなあ。
ジャックと豆の木も不思議な種(豆)だし、あんな小さな物から大きな植物が発生し、食べられる実がなるのは不思議だという世界共通の概念があるように思います。
ギリシャ風の創作民話
おおお! 観光パンフレットで宣伝されそうな祭りの由来民話だ!
そういう意味では完成度高い。意味不明だけど。
これ、軽い気持ちで神器(認定の石)を持ち出した人がいて、大騒動で返せなくなっちゃって困ってて、それを聞いた少女が「神秘体験をした!」と言い張って戻してあげたんだと思うんだよね…
タイ風の創作民話
う〜ん、シンプル。
タイ文化の資料が少ないのか、タイでは直球の英雄譚が好まれたのかは不明。
オランダ風の創作民話
「球体」!w
そ、それは球根とは違うのですか?違うのですね!
もしかしてChatGPTさん、疲れてきたんだろうか?…と思ったけど、調べたらオランダ(アムステルダム)は国際的なダイヤモンドの街らしい。ダイヤモンドを美しくカットして港から輸出する重要な場所。
つまり、この民話は、球根(チューリップバブル)と宝石を要素に組み込んだもののようだ。
とすると、「球体」は、正しくは「宝珠(オーブ)」かもしれない。
小休止(命名: AI千一夜)
う〜ん、楽しい。
この様式を「 AI千一夜」と名付けよう。
シェハラザードも大量のお話を知っていた訳じゃなくて、自分が聞いたことのある物語の要素をジェネレートし続けて乗り切ったんだと思うんですよ。
一万字を優に超えてるけど、大丈夫かな。不具合起きたりしない?
また民話を作ってもらったら公開します。
noteの使い方で間違ってる所があったら指摘してくださいね。
よろしく。