50歳の処方箋　首からもう歪んでいる

こんにちは。元気になってきたので投稿続きます。「黄斑円孔闘病記」の続きも書きますのでお待ちください。すみません。

元気になるには元気のもとが必要だ。エンジンが動くのに燃料がいるのと同じで、人間が元気よく活動するには食べることが必須である。人は食べたものでできている、と誰かが言っているように、食べたものが体を直し、体を作り、活動するためのエネルギーを生み出す。

食べるには健康な歯が必要だ。まあ入れ歯でもいいのかも知れないけれど、私はクリスプなもの、カリカリしたものや、ばりぼりと勢いよく食べられるような駆動力のあるものが好きだから、入れ歯になってそういうせんべいとかが食べられないのはちょっと嫌だ。

前回、私の奥歯が割れていた話を書いたけれど、歯そのものだけではなくてかみ合わせや食いしばりも心配だった。世の中に歯医者さんは多く、最近では美化を専門にするところも多い。むしろそういう歯医者さんが増えているように思う。けれど、食いしばりやかみ合わせを見てくれる歯医者さんって、なかなか探せない。いや、あるのかも知れないけれど圧倒的に数が少ない。特に地方は。

それが、紹介してもらった歯医者さんがなんとかみ合わせ、食いしばりなんかをしっかり診てくれるところで、まず最初になんか薄い台の上に立たされ、はるか向こうから「うーーん」って言いながら私の写真を撮り、先生は言った。

「これ、ハシモトさん、見てもらうと分かる思うけど、これね、歪んどるの分かる？肩も首も捻じれとるの」

中心線から私の首と頭が大きくずれている。まっすぐ立ってください、と言われて精いっぱいまっすぐ立ったんだけど、おかしいなぁ…めちゃずれてるやん。なんで？先生から舌回しと二種類の体操を教えてもらう。くるくると口の中で舌を左右に10回ずつ回すのと、背中の筋肉をほぐすための体操はそれぞれ30秒だけやればいいらしい。それならものぐさな私にもできそうだ。

歯については奥歯の根っこが歯茎の中で腐っており、膿が出続けているらしい。折れてしまった歯はもう死んでいる。死んだ物が暖かい歯茎の中にとどまっていればそりゃ腐るだろう。言われてみればなるほどだが、そういうのってうまく体の仕組みでうまく処理してくれたりしないんだろうか。つまり、白血球とかが食べてくれたり、体の細胞くんが分解してくれたり、そいういの、できそうじゃないか？ブラックジャックの漫画でも体の中に入ったメスをカルシウムが包んでくれてたじゃないか。折れた歯くらいなんとかうまくやって、ウンコと一緒に体外に排出してもらえそうなものだ。

しかし、どうやらできなさそうなんである。歯と言っても完全にカルシウムだけの物体ではなくてその中には神経とか血管とか、なんか肉っぽいようなところもあって、歯と言ってもその中にはいろいろ入っている。

それに、片方は折れて死んでいても、もう片方はひん死とは言え、ちょっとは生きているから生体活動をしているわけで、そうなるとやっぱり中で血管とかが生きてるような死んでるような半死にみたいな感じだから体の反応として膿が生成され続けてしまうようなんである。この説明が完全に合っているかは分からないけど。

そんで、その膿は作られても行き場がないもんだから、血管を通って体内に吸収される。これは要は毒が体を巡って行くようなもんだから、内臓、確か先生は腎臓と言っていたようだが、そこが頑張って処理をし、なんとか事なきを得ているんだけれど、腎臓の処理量を超えていくと糖尿になってしまったりするそうなんである。歯周病も同じことで、歯周病の菌がが体内に入って、体の中をぐるぐる巡ってどこかで無事処理されればいいんだけれど、どこも手一杯、あるいは衰えなどで処理されない場合、それば病気と言う形になって表れるらしいんである。すごい、めちゃ理にかなっている。体ってすごい。

だから先生が「糖尿って言われてない？」と言ってたのか。っていうか、歯が原因で糖尿病になるとか聞いたことないし。そういうの知らない人多いんじゃないの？ともかく、この歯はいずれ抜いたほうがいいとのことだ。

ところで、病院で症状を説明されるのって、だいたい診察室で、それも診察時間内じゃないですか。だからまあ大体数分ってところですよね。ところが、そこの病院は診察の時間外に別途時間を取ってくれて、全診察が終わって夜の6時半に病院へ行き、私のヒアリングと病状の説明がなんと二時間を費やして行われた。終わったのは夜の8時半だ。この二時間の間、もちろん話はあっちやこっちにとんて先生の趣味の釣りの話とかもだいぶ聞いたんだけれど、私の生活態度から、顎に多大な負担をかけ、右の顎の骨が受け手である頭蓋骨の部分を削り（トップ画像の白い矢印のところ）、すっかり骨が薄くなって危険な状態であることを教えられた。

その生活態度とは、毎日寝るまでの間、うつぶせになって枕を下に置き、タブレットで世界の超常現象やシリアルキラーの話を読んだり、ＤＳでドラクエを長時間に渡って行う、ということである。人間の頭というのは大変重い。「冷たい熱帯魚」を見たとき、人の頭を持っているシーンで（いやいや、頭もうちょっと重いやろ）と思ったことがあるんだけど、6キロくらいあってボーリングのボールくらいの重さはある。

その頭をほっそーい首で支えているわけだから、ヘンな姿勢でいることの首への負担はそりゃ大変なもんなんだそうである。言われてみればなるほどだ。それで、うつぶせになっているときは顎だけでその頭を支えるもんだから、顎（とその顎を受けている頭蓋骨部分）の負担は半端ないってことになる。また、ソファでの仮眠もよくないということだった。これはまっすぐに寝ることができなくて、首が持ち上がった状態だからＮＧなんだそうだ。これもめっちゃやっていた。もちろん、人が増えてマネジメントが大変になったり、仕事上のストレスが食いしばり、噛み締めの大きな原因になっていのは言うまでもない。

とにかく、寝る前の数年間に渡るうつぶせタイムと（ＤＳでのゲームはささやかなス楽しみだったが）ストレスが私の噛み合わせ、食いしばり、それによって歯が折れて腐る、といった一連の症状を作り出していたことが判明したわけで、これらを改善すれば二年くらいで治る見込みがあるとのことだった。私の頭蓋骨の骨は顎の圧迫によって穴が開きそうなくらいの薄さになっているらしく、レントゲンの写真を見てちょっと怖くなってしまった。だって穴が開いたら中から脳みそが漏れてくるんじゃねえの？そう思ったら何が何でも生活を改善して、一生懸命日々舌回しと体操をやって小魚とかカルシウムのものを食べるぞ。そう決意して、私は病院を後にしたんであった。