見出し画像

10人分のオーダーを空で覚える術

私の店には2階がありました。そこに10人くらいのグループが入って注文をもらう時、伝票を持たずに行って、オーダーを暗記する。というのをよくやっていました。多くの店では最初に飲み物を頼みますが、その飲み物を暗記するんですね。例えば

「ハウスワインの赤」
「ジントニック」
「ジンジャーエール」
「ウーロン茶」
「本日のおすすめワインの白」
「生ビール」
「私も生ビール」
「ウォッカトニック」
「ハウスワインの白」
「ハウスワインの赤」

などと、ひとりひとりが順番にオーダーしていきます。それを暗記してカウンターの戻り、伝票に記します。で、次に別のスタッフがそれを持って行く時にちゃんとオーダーした人の前その人がオーダーした飲み物を置く。すると、お客さんは少なからず驚くわけです。

注文している途中で、お客さんが「こんなに覚えられる?」って心配してくれますが、心配してくれるほど、完璧にオーダーが再現できると喝采を浴びます。

私はそんなに他のお店のことは知らないのですが、チェーン店などでは、

「お待たせしました。ハウスワイン赤のお客さま」
「(手をあげて)あ、私です」
「ジンジャーエールのお客さま」
「(手をあげて)はい」
以下、延々と続く。

という光景をよく見ますよね。前々からこの事態に私はモヤモヤしてました。だって、違う人が持って来るならまだしも、さっき同じ人にオーダーしたにもかかわらず、上記のやりとりがあったりするわけです。「え?私さっきあなたに注文しましたよね。誰が何を注文したのか覚えてないの?」ってなるわけです。まあ、居酒屋なら「置いとくんでお願いしま〜す」って片っ端からテーブルに置いていきゃ、いいんですが、会社の接待とか、なかなかそうはいきません。

それで、自分の店ではそういうモヤモヤな事態を避けたくて、スタッフにも5、6人のオーダーなら伝票持たずに聞いてこ〜い!と、言ってました。でも、10人とかになるとやっぱりできない人が出てくる。もちろん、記憶の得意、下手はあるけど、私も記憶力はどっちかって言うと、下手な部類。じゃあ、どうやって覚えるのか。

続きをみるには

残り 882字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100
期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

サポートありがとうございます!旅の資金にします。地元のお菓子を買って電車の中で食べている写真をTwitterにあげていたら、それがいただいたサポートで買ったものです!重ねてありがとうございます。