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キレイなお札は秘密の銀行から

今から十数年ほど前、銀座の有名寿司店へ行きました。「すきやばし次郎 旬を握る」と言う、そこの寿司屋の大将に取材した本がきっかけでした。地元の寿司屋さんでさえ、ろくに行ったことない私が、銀座の寿司屋なんて、もう本当にドキドキです。でも、店内の写真も、どんなネタがあるのか、どんな人が働いているのか、オマケに厨房の写真までありましたから、私なりに十分調査して臨んだわけです。

一日目。お昼の開店して間もない時間だったと思います。行くと、なんと、本に載っていた人たちがいるじゃありませんか。当たり前だけど。その日はカウンターではなく、テーブル席に座って桶の寿司を頼むことししていました。桶で大体のネタの感じを掴んでおこうと思ったのです。たしか、値段は5500円だったと思います。食べ終わって、会計をし、お釣りをもらいました。そのお釣りは今まで経験したことのないものでした。

え?ちょっと待って。…このお札、全部新札やけど…

もしかすると、当時、いちばん私の印象に残ったのは、この「お釣りが新札」だったかも知れません、お寿司よりも。新札、それは真新しい、まだ、誰にも汚されていない生まれたてのお札。そんな貴重な新札を私ごときに惜しげもなく使うなんて!それに、お釣りが新札ということは、毎日つり銭用のお札を銀行で両替しているということ。さすが高級店。もしかすると、10円玉は塩素で洗っているのだろうか。そんな思いまでもが頭をよぎります。

でも、私が知らないだけで、他の高級店でもおつりが新札なのかも。でも、そんなに新しいお札ばっかり使ったら、古いお札はどうなるの?勿体無いんじゃない?でも、もしかしたら、今日はたまたま新札が沢山あったのかも、そう思ったのですが、やっぱり翌日のお釣りも新しいお札でした。

やっぱり毎日お釣りのために両替してるんか…

最近は、私の住んでいるような、田舎の町のちょっとしたお店でも、こんな感じで新しいお札をお釣りに使うところが増えてきたように思います。ぜんぜんそんな高級じゃない店までもが高級ぶって、そういうことしてたりするので、ビックリすることもあります。

ところで、私が店をしていた時、いつも会計が新札の人たちがいました。ちなみに、その人たちは全員同じ勤め先なのですが、決まってお会計の時には新しいお札で渡されます。さて、どんな職業の人だと思いますか?

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