SMのこと、あの方のこと

「あのヒト」呼ばわりのこと

他のミストレスやM男性がいる場所で、あの方のことを「あのヒト」呼ばわりしてしまい、慌てて訂正しようとしたけど間に合わず、ひどく怒らせてしまった。

「なんて失礼な奴だ!」

お怒りはごもっともです。

ただ、もしも言い訳をさせていただけるなら、「あのヒト」は、親しみと敬意を込めた言葉なのです。

少し昔まで、女性が自分の好きな相手のことを「私のいい男性(ヒト)」と言っていましたよね。あれなんです。

つまり、あのとき私は「私の大好きなあのヒト」と言いたかったんです。

吊りのこと

あの方に、たくさん吊っていただいた。ほとんど初めての吊り体験。

私は身体が大きくその分体重も重いので、吊る方はすごくたいへんだったろう。あの方が、私のためにそんなに手をかけてくれることが、まず嬉しい。果報者とはこのことを言うのだろう。

そして、吊りだ。縛られて身体が持ち上がっていくときの、 息もできないような縄の圧力。痛み。
チカチカする視界の隅で、縄と格闘するあの方の姿。

身体を支える縄が増えて圧力が分散され、ホッと一息つけると思った途端、鞭が飛んでくる。痛みで身体をよじると、縄が食い込んで余計に痛みが走り、必死に体勢を維持する。鞭が終わったかと思えば、次はスタンガンが押し当てられ、バチバチと恐ろしい音とともに激痛が走る。涙で滲む視界の向こうで、あの方が笑っている。美しくて、可愛くて、愛しい。ほんのすこしでも、あの方の身体に触れたいと思うけど、その願いが叶えられることはない。

逆さに吊られると、恐怖と興奮で涙が溢れる。さらに振られる鞭。目の前には揺れる床しかなく、あの方の姿は見えないけど、鞭を通してあの方の興奮が伝わってくる。幸せだ。

プレイが終わって、あの方と夜の通りを歩くと夜風が涼しくて心地よくて、あの方も自分もまだプレイの余韻が残っていて、「あれはすごかった」、「これはダメだった」など、興奮気味に言葉を交わす。

そんな夜のことを、今思い出している。SM好きに生まれてよかった、あの方に出会えてほんとうに良かったと、しみじみと思います。

SMは良いですねー。そしてあの方は最高だ。

#SM #女王様 #ミストレス #femdom