好きに生きろ
清宮レイさんの卒業に際して発せられた言葉から、何となく考えることが多かったのでメモ。
・応援したかった
彼女のスタンスが端的に表されるいい言葉だなと思う一方で、応援されたいより応援したいという人はアイドルに向いているのか、向いていないのか。そもそもアイドルとは何だろうかと考えたりした。特に答えは出ないけど。自分はアイドルの方と直接のコミュニケーションをとることがないので、応援されるという感覚はあまりないかも。確かに元気はもらっているけど、応援されているというよりはこちらが勝手に受け取っているだけという感じ。でも握手会とかだとみんな「もうすぐ受験だから応援して」とか言っているんだろうから、応援したい人がアイドルになるのも間違いではないだろうな。
・この子にこの詞を歌ってほしい
(清宮)錆び付いてるコンパスの針はどこを指すのだろう?
(賀喜・松尾)North south 好奇心の磁石はまだ生きてるんだ
(柴田・筒井)どれくらい冒険者達の道なき道を探したのか
(遠藤・金川)今僕は最初の旅 青春の荒野よ
(佐藤・田村・弓木)誰もが行くなと言うけど
(黒見・林・矢久保)人生に怯えていても何も始まらない
ソロで歌う場面は清宮さん自身のみでした。関係性で言うなら(柴田・筒井)のところかなとも思うんですが、あまり意味のある部分ではないような。もっと勇気を出してほしい人に「人生に怯えていても何も始まらない」と歌わせたかったんだろうか。結局分かりませんでしたが、なんにせよ「錆びたコンパス」はいい曲ですね。自分は、行き倒れるくらいなら立ち止まるべき・引き返すべきだと思っている人間なので、価値観が合うわけではないんですが、メンバーのみんなが全力で拳を上げているのを見ると元気が出ます。
・好きに生きろよ
これから旅立っていく人に向けて「これからは好きに生きてほしい」「自分のために生きてほしい」というのは、それなりにある話だと思う。だけど、旅立つ人から残された人に向けて「好きに生きろよ」というのはあまり聞いたことがない。聞いたことがないし、少々残酷に受け止めてしまった。だって、残された人たちの置かれた環境は今日明日でそうそう変わるものではないから。もちろん「明日からすぐさま好きに生き始めろ」とかそういうスパンの話ではないのは分かっているけど、でも最後の最後に彼女たちにかける言葉がこれというのは、少なからず思うところがあったということだろう。「好きに生きてほしい」と願うということは、取りも直さず「現在好きに生きられていない」ということなのだろうから。我慢を強いられているとか、本当にやりたいことができていないという状況にあることが、この言葉によってある程度裏付けられてしまうような気がした。
むしろ、その表情があまりにも晴れやかだったからこういう受け止め方をしてしまったのかもしれない。清宮さんだってめちゃくちゃ悩みや辛いこともあっただろうけど、このタイミングにおいては消化できていたということなんだろうか。最近、「アイドルやり切りました!」「後悔はありません!」と言って清々しく卒業していく人を見るたびに、心残りがあると言いながら去っていった早川聖来さんのことを思い出して、その対照さに複雑な感情を抱かざるをえない。清宮さんも無理に明るく振る舞ったりしていないといいけど。なんか、一年くらい前からあらゆることに対して疑心暗鬼になってしまうな。
おしまい