鉄人
鉄人恐怖症あるいは、生田絵梨花さんのことが苦手になったという話。
乃木坂46界隈で鉄人という二つ名が与えられる人といえば、やはり一番に生田絵梨花さんの名前が挙がると思います。ミュージカルの休演日に新幹線で移動してライブに駆け付けたとか、そういうエピソードは枚挙にいとまがない。とてもすごい人で、それは間違いない。
間違いないのですが、たまに「生田絵梨花」という棍棒で殴りかかってくる人がいて、それが凄く苦手です。「いくちゃんがいればなぁ」「いくちゃんなら無理にでもやってただろうな」だの「みんなが生田絵梨花のようにできるわけじゃないんだから」「生田絵梨花を基準にしちゃダメ」だの…。今はそうでもないですが、いっとき、生田さんが活躍するニュース記事なんかを敢えてスルーしている時期もありました。
大前提として、あくまで棍棒として用いる人が悪いのであって、メンバーのことが嫌いな訳ではないです。生田絵梨花さんのことも好きだし、出演している舞台やドラマも普通に見るし、その歌声は乃木坂46の歴史に無くてはならないものです。
例えば、「Actually」という楽曲はあまり好きじゃないし、意図のわからない・誰も得をしない抜擢をする運営のことは信用できないけど、中西アルノさん本人のことは嫌いじゃないのと似たようなものでしょうか。…ちょっと違うかもしれない。
握手会やミーグリを誰かが欠席すると、「〇〇ちゃんは一回も休んでない!すごい!鉄人!」みたいなコメントやつぶやきを残す人がいて、それが目に入るのがしんどい。もちろん体調を崩さないのは凄い。その人自身はすごいし、確かに称えたくなる。でも、どうしても「それにひきかえ」というニュアンスを汲み取ってしまう。ただ休んだ人の心配だけしてくれればいいのにと思う。まぁ、人は比較をしてしまう生き物ですからね…。自戒も込めて。
そんなこんなで、いつからか「生田絵梨花」恐怖症になってしまっていたという話でした。
ちなみに、この理由というのは結構はっきりしていて、自分自身が長らく健康上の問題を抱えているがために、心身の不調により休養や休業をするメンバーに感情移入してしまうという単純な話です。もちろん個人差はあるけど、中元日芽香さんや北野日奈子さん、早川聖来さんなどに特別な感情をもっているのは、休業したことと無関係ではないと思っています。
自分のような人間は、元気いっぱいな人が大活躍する様子を見ているだけでつらくなる瞬間があったりもします。意味もなく責められているような気分になるというか。憧れが一周回って嫉妬になるみたいなことは、よくある話です。
先日卒業を発表した山下美月さんも、世間からは鉄人に近いようなイメージを持たれているのを感じます。アイドルとして乃木坂46というグループを引っ張りながら、毎クール連続ドラマに出演しているということで、そういう扱いをされているのだと思いますが、2019年に一回限界を迎えてぶっ倒れていることをみんな忘れないでほしい。人は思ったより脆いです。急に弱ることもあります。
「一回ぶっ倒れた経験を生かして、今はうまくコンディション調整をしながら両立している」という意見なら何の問題もありませんが、「どれだけ忙しくても乃木坂と女優を両立する完璧で究極のアイドル」として扱っている人がいるので、それは間違っているんじゃないかなと伝えたい。疲れやネガティブな気持ちを表に出さないという意味でプロフェッショナルだと思いますが、完璧ではないことは過去が証明しているし、そもそも完璧なんて必要ない。
早く卒業してほしいと言ってしまっては語弊がありますが、卒業したメンバーはみんな「自分の時間が増えた」と言っていることですし、女優として活躍しつつも身体に優しい日々を過ごしてほしいと思います。
おやすみなさい。
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