「僕がいる場所」について

 先日『世の中にたえて桜のなかりせば』という映画を観ました。

「僕がいる場所」
・1stアルバム「透明な色」所収
・参加メンバーは10thシングル「何度目の青空か?」選抜メンバー、センターは生田絵梨花
・作曲は杉山勝彦さん

 『世の中にたえて桜のなかりせば』は終活がテーマの一つになっている映画です。
 主演を務める岩本蓮加さんの瑞々しい演技と宝田明さんのコントラストが非常に際立っていたし、これまで知らなかったけどクラスメイト役の名村辰さんもよかった。登場人物のバックボーンなどは極力排除されて尺は80分、すっきりと分かりやすい作品になっていたと思います。深川麻衣さん主演の『おもいで写眞』も人生の終え方がテーマでしたが、『世の中に~』は公開日直前に宝田明さんが亡くなってしまったことも含めて、よりテーマ性が深くなった感じがしますね。とはいえ作品に流れる雰囲気は重苦しいわけではないので、気軽に観てほしいです。

 終活ということでいえば、自分にとってはこのnoteもある意味終活の一環と思ってやっているところがあります。生に執着がないのでいつ死んでもいいと思って生きていますが、何年も乃木坂46を追ってきた中で感じていたことなんかを脳みそから取り出して、とりあえずアウトプットしておくかという意識だけでぽつぽつと書き続けています。クリエイターでもないのに記事を作成して申し訳ないです。
 閑話休題。

 『世の中に~』では、終活アドバイザーとして働く二人の元に、最初のお客さんが
「遺書に何を書けばいいのかわからない」という相談を持ってきます。乃木坂46の楽曲の中で死を想起させるのはやっぱり「僕がいる場所」ですね。まさに遺書のような歌。

 作曲は信頼の杉山勝彦さんなのでもちろんですが、特に歌詞がよいということでメンバー人気、メンバーの親人気が高い曲としても知られています。2022年の46時間TVで行われた「バナナマン&メンバーが選ぶ!ベストソング歌謡祭」で表題曲部門の6位にランクインしていました。齋藤飛鳥さんや日村さんが投票していました。
 「赤ちゃんの僕を君は見て」とか、ちょっと具体的にイメージすると捉え方がずれてくる部分もあるのかなと思いますが、確かに大事な人を残して逝ってしまうことを考えると心に響くかもしれません。自分は独り身なのでなかなかイメージしづらいのですが、君より先に死んでしまうことになったけど、自分が死んだ後も見守っているよというのは、子供がいる人には特に刺さるのかもしれません。

 乃木坂46というグループに擬えても読めないことはないですね。ずっとそばにいても別れはやってくる。卒業しても、愛だけはずっと残る。
 齋藤飛鳥さんの昔のブログ(のタイトル)で少しだけ言及されていました。

モバメで「僕がいる 場所」の歌詞がどう いう意味だと思う~ ?って聞いたら、み なさんいっぱい意見 書いてくれて、いろ んな解釈の仕方があ るんだなぁと、勉強 になりました。あり がとう♪ 恋人とか 親子とか ペットと かに置き換えたり、 乃木坂内に当ては めたり、乃木坂ファ ンの自分に当てはめ た人もいたなぁ。 なんか、1つの歌な のに、聴き手によっ て色んな物語になる のすごい。 気持ち を読み取るのって、 表情とか仕草でもあ る程度は出来るし、 言葉って別にどうと でも言えるじゃない ですか。  とりゃあハーフツインもどき   スリッパは私物では無い。。 &nbsp www.nogizaka46.com

 まさに「聴き手によって色んな物語になる」のが歌の素晴らしさだと思います。

 とりゃあ


 乃木坂に関係ないことに話が飛んで申し訳ないですが、死について考えるといつも、かりゆし58の「さよなら」という曲が頭に流れてきます。

ぼくが生きる今日は
もっと生きたかった誰かの明日かも知れないから

かりゆし58「さよなら」

 それなりに古い曲だしあまり知られていないかもしれませんが、通りすがりの方も是非聴いてみて下さい。メロディに乗せて聴くとなかなか堪えます。つらい。
 上で生に執着がないと書きましたが、それでも生きていかねばなと思ったり思わなかったりする毎日です。

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