「無口なライオン」について

こんばんは。

「無口なライオン」
・9thシングル「夏のFree&Easy」のカップリング曲
・メンバーは生駒、井上、斉藤、桜井、西野、星野、堀、若月の8名
・センターは西野七瀬

 一応、選抜メンバーの年少組みたいなユニットだと思いますが、MVの印象もあって西野・若月二人のイメージが特に強いですね。MVの内容は、津田寛治、引っ越し、思い出づくり、秘密基地、家出、キス、といった感じです。おなじみの湯浅弘章監督。改めて見てみると、いろんな解釈があるとは思いますが、全く歌詞の内容が感じられないストーリーですね。当時から、前日になっても監督の元に歌詞が届かない状況だったのでしょうか。


 さて話は変わって、先日行われた「山下美月卒業コンサート」において最も印象に残った楽曲が「無口なライオン」でした。特別な後輩である賀喜遥香さんと二人でのパフォーマンス。

 これまでの乃木坂46の歴史において、そんなに強い印象を与えてきた曲ではなかったと思います。個人的にも、好きでも嫌いでもないと言ってしまっては申し訳ないですが、あまりプレイリストに入れている曲ではないです。そんな中で、今回一つ強めのエピソードが加わったことで曲としての魅力がかなり増した印象です。

 今調べたら「星野みなみ卒業セレモニー」で向井葉月さんと同じように二人で歌唱されていたみたいです。失念していました。ただこれは「最後のオリメンだから」ということで披露したようなので、メンバー同士の関係性とは少し違うかも。本人たちのパーソナリティ的には今回のほうがしっくりきます。

 2024年5月23日の「SCHOOL OF LOCK!」で賀喜遥香さんがこの曲にまつわるエピソードを話していました。そのまま引用してしまってすみません。

1年前ぐらいに、『かっきーとやりたい曲がある!やりたいことがあるんだ!』って、美月さんが言ってくださっていて…卒業することを聞いた時だったかな?その帰りの時に、『無口なライオンをやりたいって思っていて。この曲の歌詞がすごく、かっきーにピッタリだと思うの!私自身もすごく好きな曲だし、かっきーと2人でやりたいんだ!』って美月さんが言ってくださって。私はこの曲が自分に合っているなんて思ったこともなかったので、改めて歌詞を読んだ時に、私っていうより、美月さんにピッタリだと思うなって。だから、この曲はお互いにピッタリって思った状態で歌っていました!
歌詞の『強く生きることが君の仕事なんだ』とか『君は王者なんだ』って歌詞が美月さんにピッタリだなって思いましたね。だから私は美月さんと真逆って言ったらあれですけど…似ているところってあるのかな?とか、私が憧れな故にそう思うのかもしれないんですけど。もしかしたら、似ていたのかもしれないなってこの曲を歌って思いましたね。

「SCHOOL OF LOCK!」2024.5.23より

 常々申しているように、人によっていろいろな捉え方ができる歌詞こそが良い歌詞だと思っているので、この「お互いがお互いにピッタリだと思っていた」というエピソードがすごくお気に入りになりました。

・山下→賀喜は、特別な後輩への「泣きたい時は泣けばいい」
・賀喜→山下は、憧れの先輩への「君は王者なんだ」

 でも面白いもので、卒コン本番では山下さんの方が泣きそうで、賀喜さんは少し余裕が感じられるような優しい表情で歌っていた記憶があります。

 賀喜さん自身も「真逆って言ったらあれですけど」と言っているように、自分も最初はしっくりきていませんでした。賀喜さんは性格的には全然ライオン感はないですし、山下さんがどういう意図で「この曲に合ってる」と思ったのかは聞いてみたかったです。

 と、思っていたのですが、歌詞をよくよく読んでいたら確かに二人に感じる共通のイメージがありました。それは単純ですけど「センターに立つ孤独」ということですね。センターに立つと目の前には仲間の姿は見えないし、自信の無さを隠して王者然としていなければならない。それが「強くなきゃいけない悲しい背中」「涙こぼしても君は王者なんだ」ということなのでしょう。元々表題センター経験者だし、飛鳥さん卒業後はさらにセンターを任されることが多くなったでしょうし、そこに立つ者にしかわからない孤独が強く感じられる楽曲ということなのかもしれないですね。そもそもが西野七瀬さんの曲なので、そりゃそうか。基本的に乃木坂のセンターは自信なさげですしね…。ちょっと二人の関係性とかから考えすぎていました。

 いずれにしろ、こういう形で過去の楽曲にスポットライトが当たるのは嬉しいことです。おやすみなさい。


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