「ぶんぶくちゃがま」について

こんばんは。

「ぶんぶくちゃがま」
・35thシングル「チャンスは平等」のカップリング曲
・メンバーは池田瑛紗、一ノ瀬美空、田村真佑、筒井あやめ、冨里奈央
・作曲は上田起士さん

 聴く前に思ったのは、声に特徴のあるメンツを集めた感じかな? 第二の「やさしさとは」になれるか?といったところでしたが、いざ聴いてみると、いろんな意味で予想を超えてきましたね。

 田村真佑さんが「ARTIST FC」というラジオ番組で語っていたところによると、
・ふわふわした、かわいらしい歌声の方が揃っている
・反面、楽曲は私たちっぽくなくて、むしろギャップを感じる
・頭にすごく残るメロディで、普段使わないような言葉も結構入っている
・アウトロにフッフッという息の音が入っているが、ひとりひとり紙の筒を渡されて「火を吹く音みたいなのを入れたい」と言われた。加入して6年目になるけど、レコーディングで筒を渡されるのは初めてだった。

 歌詞はともかく本当にいい曲だと思います。サビのメロディがかっこよくてとても好きなので、ずっとリピートで聴いているのですが、どうしても歌詞が気になってしょうがない。日常生活のBGMとして曲を流していたいのに、どうしても若干ふざけた歌詞が気を散らしてしまうという悩みです。説教くさいわけでもないし、「アンダー」みたいに拒否感がある訳でもないし、「騙し騙され茶釜の蓋」の驚くべき語感の良さに感心したりもします。ただちょっとふざけているだけ。

 仕方がないので一旦立ち止まって歌詞をよく読み込んでみることにします。
 その前に、ぶんぶくちゃがまについて詳しくなかったので、wiki等でざっくり調べました。青空文庫でも読みました。

概要としては
1.和尚の居眠り中、茶釜が頭や尻尾、足を生やして動き回る。
2.湯を沸かそうと茶釜を炉にかけると、足の生えた正体をあらわす。
3.狸の化けた茶釜だと正体をあかし、文福茶釜と名乗る。
4.買われていった古道具屋で見世物をして一儲けする。

 狸の恩返し的なところもあります。というわけで改めて歌詞を読んでみましたが、「ぶんぶくちゃがま」には何の意味もないということでした。歌っている通り「言葉の響きが気に入っているだけ」で、「どうせこの世は全部嘘だらけ」です。意味がない、つまり文福茶釜に関するワードは意識する必要がないということで、乃木坂46の楽曲でよく使われる「WOW WOW」や「ナナナ」と同じだと考えればいいのではないかと思います。

 歌詞から茶釜関連のワードを抜いてみれば、真実が見えてくるはず。

私はすぐ 今 立ち上がるべき
あっちかこっちかただ探しても
どっちへ行ったって 見つからない
だって私 そう理解してない
どうせこの世は 全部嘘だらけ
あなたはすぐ そこ疑うべき
真実 偽り 目を凝らしても
誰も教えてなんてくれないでしょう
だってあなたも そう 騙されてる
見えないものって そう 隠されてる

「ぶんぶくちゃがま」より抜粋

 生き残った言葉たち。
 目の前に見えているものに騙されるな、何事も疑ってかかれ、見えていないものから真実を見出せ。みたいなことでしょうか。歌っているメンバーたちも、ふわふわしてかわいらしいかもしれないけど、腹の中はどうだろう?ということも含まれているかもしれません。

 ちなみに、『文福茶釜』を読んでみても、蓋の話は全く出てこないので、なぜこんな歌詞になったのかは謎です。確かに、茶釜から頭が生えたのなら、蓋はどこに消えたのだろうと思わなくもないですが。なんにしろ、TikTokでバズらせ(ようとして失敗に終わ)るためだけに存在する安っぽい曲にはなってほしくないので、今後の活躍に期待したいところです。

 おやすみなさい。

人をばかすたぬきが出るといわれる

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