「逃げ水」について

こんばんは。

「逃げ水」
・18thシングル表題曲
・センターは大園桃子と与田祐希
・作曲は谷村庸平さん

 今この文章を書いている2024年7月から考えると折り返し地点の18枚目。そして現役メンバーが参加した中で最も古い楽曲ということになります。たぶん。

・タイトルの話

にげ‐みず【逃げ水】
逃げ水とは、風がなく晴れた暑い日に、アスファルトの道路などで、遠くに水があるように見える現象。下位蜃気楼の一種。

Wikipedia

 恥ずかしながらこの楽曲で初めて「逃げ水」という言葉を知りました。一般的にはどうなんでしょうか。「ミラージュ」よりは「逃げ水」の方が関心を惹くような気がするので、こちらをタイトルにしたのは正解だったと思います。何より新しい言葉を知ることができるのって嬉しい。よく本を読むのでいろいろ日本語には触れているつもりですが、それでもいくらでも知らない言葉があって、特に横文字じゃなくて日本語を知ることが嬉しい。横文字や固有名詞や慣用句なんかは、初めましての言葉に出会うことはそれなりにあります。乃木坂46の歌詞だと「ハウス・オブ・カーズ」とか「Out of the blue」とかは知りませんでした。
 万人が分かる平易な言葉を上手に使って幅の広い表現をすることも凄いとは思うけど、単純に知らなかった言葉を使われると凄いなと思ってしまう。難解な言葉だったり、意味不明なポピパッパパーとかではなく、ありそうだけどこれまで出会ってこなかった言葉というのもの。こういうものに触れたいと、いつも思っています。

 全然関係ないけど、前に深川麻衣さんが出演していたドラマ『日本ボロ宿紀行』の中で、主人公の桜庭龍二(高橋和也さん)が歌っていた「旅人」という曲があって、その中で「余映」という日本語を初めて知ったのを思い出しました。

よ‐えい【余映】
日が沈んだり、灯火が消えたりしたあとに残った輝き。

goo辞書

・MVの話
 これはもう山岸聖太さんが好き勝手やっているシュールとしか言いようのない世界。真夏さんが一人で盛り上がっている「箱の中身はなんだろな」のシーンが一番好きです。

・ブレイクの話
 サビの前にドビュッシーの「月の光」の一節が引用されています。
 当時は賛否両論だったようですが、自分の中にはもう初めて聴いた時の記憶がありません。恐らくあまりネガティブなイメージはもっていなかったような気がします。学生時代にオーケストラかじった者としてはクラシック音楽の要素が入ってくるのが嬉しいというのもあるかもしれません。音だけで批判していた人も、パフォーマンスを観たら黙ったんじゃないですかね、やっぱり美しいので。

 作曲した谷村庸平さんのコメント

そしてこの曲のキモであるサビ前のブレイク「月の光」ですが、デモの段階で既に入っていました。サビ前にハッとさせる、時間が止まったような演出をしたいと考え、そこで「月の光」の一節を入れようと考えました。ギャップを出せる曲、静かで幻想的で美しいメロディ、更に言えばジャズとクラシックの橋渡し的な響きを持った曲「月の光」でした。もちろん私がこの曲が大好きな事も大きな理由です。曲の本編と「月の光」のキーが違う事もハッとさせる要因のひとつです。

ブログより

 ハッとするどころの話じゃない。振り付けでも実際止まっていますし、時間が止まったような演出というのはまさに狙い通りの効果を生んでいます。「Sing Out!」の曲終わりもそうですが、ポーズをとって静止した時の絵画的な美しさというのは一つの乃木坂らしさだと思います。

月の光

 これはもちろん完全に個人的な意見ですが、ブレイクの間は「月の光」をじっくり聴きたい。センターの二人以外の時が止まった世界を目と耳で感じたい。「ここにいる理由」のブレイクでも同様ですが、ここで騒ぎたてる人とは一生分かり合えないと思う。恐らくセンターのメンバーの名前を叫んでいる人が多いのだと思いますが、全く理解できません。もしかしたらメンバー側も、自分の名前を叫んでほしい!と思っているのかもしれないけど、残念ながら分かり合えません。地獄のようなコロナ禍で唯一良かったことが「ブレイクが本当のブレイクであること」でした。価値観の相違。ライブは騒いでこそ、推しに声を届けてこそという意見も分からなくはないので、こちらは大人しく音源で満足しておきます。

 おやすみなさい。

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