「泣いたっていいじゃないか?」について

「泣いたっていいじゃないか?」
・18thシングル「逃げ水」のカップリング曲
・メンバーは表題曲と同じ、センターは高山一実

この前の記事で少し言及した、いわゆる長文詰め込み型の典型のような曲ですね。詰め込んであるところも結構いい歌詞なので、聴きやすいようにもう少し自重してほしかったかなと思います。メロディは1番に合わせて作ってあるので2番に入ると言葉が乗り切らずに伸びてしまう感じです。まぁ何度も聴いていれば慣れてしまいますが。
 2番Aメロの吐き捨てるような歌唱が特に面白い(桜井さん→若月さんの声がよく聴こえます)。夢を追って上京するために故郷に置いてきた恋人の気持ちが離れてしまったみたいなイメージなんでしょうか。この曲の2番なんてライブで披露されることは今後もないでしょう。

永遠固く誓った愛はこんなに脆かったのか?
忘れないでと言ったあの瞳は他の男(ひと)見てるのか?
10年後迎えに来てなんて思い上がりに溺れたのか?
過去と喧騒にため息ついた

 明るめの曲調に反して否定の想いを込めた疑問形で歌詞が連なっていき、サビに辿り着くと題名の通り、我慢しなくていい泣いたっていいと歌われます。つらいことから逃げていいって言ってくれる曲が好きなのでホッとします。


 この曲でいうと、真夏の全国ツアー2022神宮での賀喜遥香さんの涙が印象的で、ちょうど「ここにはないもの」の特典映像に入っていたので何度も見てしまいました。アコースティックバージョンで披露されたのですが、間奏明けのソロのところ、歌いながら涙で詰まってしまったあの瞬間どのような思いが去来していたのか。

賀喜遥香さん
僕たちはいつから涙を流さないのか?
幼かったあの頃より強くなったわけじゃない

 単純に好きだからというのもあるけど、どうしたって涙が絵になる人だなぁと思います。「強がる蕾」の時もそうだったけど、最初から涙してるわけでも、完全に歌えなくなるわけでもなくて、歌いながら泣いて、止まって、また何とかがんばって歌い始める。それが絵になる。周りのメンバーも勇気づけるように微笑ましく目線を送ったり、一緒にもらい泣きしたり、いい光景ですね。


 センター高山一実さんの涙といえば、これしか思い出さないくらいなんですが「真夏の全国ツアー2015のオープニング映像 高山一実編」です。西野七瀬さんからのメッセージ。そして、それを見ている高山さんが映っているコメンタリー。
 「裸足でSummer」に特典映像として収録されていますが、のぎ動画とか入ってないんですよね。最近ファンになった方にもぜひ広く見ていただきたいものですが。

高山一実さん
(前略)
無理してるわけじゃないと思うけど、人に気をつかいすぎるよりも、もっと自分のことに気をつかってもいいのになって時々思う。
かずみんは本当に人に気をつかうし、優しいし、みんなから愛されるメンバー。

高山一実さん、あなたに会えてよかった。

 「高山一実さん、あなたに会えてよかった」これ号泣必至の言葉なんですけど、文字にするとこんなにも軽くなってしまうのか…。西野さんの声と、あのBGMも反則なんですよね。
 いろいろ思い返してみても、個人的に乃木坂史上でいちばん泣けるシーンかもしれないです。あまりメンバーへの理解や思い入れが必要なくて、無条件に瞬間的に泣けるんですよね。パブロフの犬状態。

 自分にはこんな風に言ってくれる友達がいない人生だったという悲しみを胸に抱きながら今夜も眠りにつきます。


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