見出し画像

ボヘミアン・ラプソディーは永遠に。

『歌手の葛城ユキさん 腹膜がんで死去 73歳 「ボヘミアン」などヒット』
独特のハスキーボイスでヒット曲「ボヘミアン」で知られる、葛城ユキさん(ご本名・田中小夜子=たなか・さよこさん)がご逝去された。葛城さんは高校時代はバレーボールで国体に出場。その後、実業団に所属するも歌手を志し、74年に歌手デビュー。当時の流行・カーリーヘアを振り乱し、ハスキーな声でシャウトする様から、「女ロッド・スチュワート」の異名も。

Rod Stewart 
葛城ユキさん。髪型が若干、ロッドっぽい?

「ボヘミアン」は憧れか?
ボヘミアンの意味をWikipediaで辿ると、「ボヘミアン・アーティスト - 芸術家や作家、世間に背を向けた者などで、伝統や習慣にこだわらない自由奔放な生活をしている者。上記のロマの多くがフランスにおいてボヘミアからやってきたことから「ボヘミア人」=流浪の人と考えられた。」とある。

葛城ユキさんの「ボヘミアン」の歌詞には、一夜限りの熱い夜を共にした男性がまさにボヘミアンで、彼によってかつて体験したことのない女性の性の開放感・自由を味わったその女性は、今でも彼を思い、願わくばまたひと時を共にしたいが…。そんな彼は何せ、ボヘミアン。彼女の元へ戻ってくる筈もないと思いつつも、僅かな望みを託しタロットカードで彼との将来を占い、その帰りを待ちわびる。

昭和歌謡のスタンダード「無法男に捨てられた女の未練」を従来の演歌曲調の型を破り、エネルギッシュ、かつパワフルに、そして切ない限りセクシーなハスキーボイスでそれを表現。「ボヘミアン」の待ちわびる女は、ただ待つだけの女ではなく、何かとてつもないことを行動に移すのでは?と、匂わせる雰囲気がある。まさに、葛城ユキさんの「ボヘミアン」は、80年代の型破りな女性の活躍・躍進を象徴していたのだ。

女性はボヘミアンになれるのか?
世間に背を向けた者などで、伝統や習慣にこだわらない自由奔放な生活をしている者。高倉健さん主演の映画によく見られた、過去に何か過ちを犯し、その償いと後悔から世間から距離を置き、雪深い北海道で人知れず生きている男。それこそが、ボヘミアン。そんなボヘミアン男を放っておかない、耐え忍ぶ愛を貫く、倍賞千恵子さん演じる小さな町の小料理屋の女将。集客率4、5人が精一杯の小料理屋にはいつも演歌が流れ、専ら地元の常連客の支援で経営が成り立っている。僻地で小料理屋を経営すること、どこから食材を調達し、どうやって収益を上げようというのだろうか。男女のその形式は違えど、やはり倍賞千恵子さん演じる女性は世間・世間の価値観に背を向け、伝統・習慣にこだわらない。そう、彼女もボヘミアンなのだ。

ボヘミアン的生き方。世間の価値観に縛られない、自由奔放な生き方。生活の全てをボヘミアン式にしてしまうことには躊躇するが、その少量のエッセンスを取り入れた生き方はしたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?