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受賞スピーチ(の原稿)
――2022年12月20日、授賞式にて
まずはじめに、謝りたいことがあります。
S1グランプリは、シナリオ・センター生しか受賞しないと思っていました。
締切までに書いて出す練習をしよう、そう思って出していました。
今日、シナリオを勉強されている方々とお会いする機会をいただけたこと、大変ありがたく思っております。
今回、奨励賞をいただいた「こんぺいとうを一粒」は、昔付き合っていた男女が、それぞれしあわせに暮らしていたけれど、突然、再会します。
と、だけ伝えると、今期大絶賛のドラマ「silent」と同じじゃないか! 目のつけどころは悪くなかったのか、なんてほんの少し思って
でも、ごめんなさい
冒頭で男の方が通り魔に殺されて、SNS大炎上して、登場人物全員ごりごりに感情むき出して罵り合って、人の嫌なところ全部詰め込んだようなものを書きました。
「サイレント」とは設定だけ。小学生のつくる反対ことばの替え歌くらい似ていて違います。
やさしくてやわらかい世界、人を傷つけないことばが必要とされていることは知っています。
私がおもしろいと思うもの、見たいと思うものが、時代の中で間違いとなっていくこともあると思います。
このシーンを、このセリフを書いていいのか常に迷います。
そうやって迷って、世間に媚びたとき、私はいいものが書けないことを、私が1番知っています。
ただ、より多くの人が見たいものに応えていくのも脚本家です。
流行りに乗ると冷めて、何がバズるか分からず、“逆に新しい”、それが世の中の声です。
私は、人々の“本当は見たいと思っているもの”を掘り起こす、そんな人になりたいです。
今回、佳作以上に至らなかったのは、テーマが不適切なのではなく、ただの力不足だと信じ、これからも精進します。
……といったことを、かなり早口で話しました。
ちゃんと原稿書いても、そのとおりに読ませない自分の中の天邪鬼が、意外と嫌いではないです。
最後に、著書「松岡葵の生徒会日記」を宣伝して、4冊だけ持っていたので(重くてそれ以上は諦めた)、「影響力のある人に渡したいです」といって、本当に配ってきました。
なんとも偉そうなやつですね、すみません。
まだ、押し入れにはあるからね。
湿気でカビないうちに配らないと。