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縁のない異国でどうやって友達ができ、なぜストレスなく人付き合いできてるのか考えてみた

日本のように春の訪れを感じさせる雰囲気は一切ないマレーシアでも、3月は別れの季節だった。

わたしの心の支えであった日本人ママ友が日本へ帰っていったのだ。しかも、何人も。

あのスーパーで珍しくあれが売ってたとか、子供がご飯を食べてくれないどーしようとか、そんな他愛なさすぎる話ばかりしている間柄である(孤独な育児においてはそういう他愛ない会話が重要なのであるが)。改まった表情で「実は」と切り出されたらその時点で想像がついてしまう。そう、「本帰国」だ。

国の行き来が簡単ではなくなった今、毎日のように顔を合わせていた人たちが国ごと離れてしまうというのはかなり寂しい。

マレーシアでの友達作り

マレーシアに来る前は、どんな交友関係が築かれていくのかうまく想像ができなかった。それもそのはず、幼少期からずっと神奈川~東京あたりにいて、全くの新天地に居を移すということはなかったのだ。マレーシアに住むことだし、マレーシア人の友達ができて片言の英語でコミュニケーションするのかな、なんて想像をしたりしていた。

しかし、実際来てみるとわかる。日本人の友達しかできない。在外邦人のコミュニティの狭さや強固すぎる結束力に辟易する人がいるのも頷けるが、初めての海外生活・初めての育児に挑むわたしにとっては、大変ありがたいことだった。なによりも、やはり居心地が良い。

話はそれるけれども、わたしは各出身国ごとに強固なコミュニティがあるものとばかり思っていた。大学に存在する「●●県人会」的な感じで。しかし、実際にここまでつるんでいるのは日本人くらいだった。どうしてだろうか。群れたがる日本人の性格はもちろんのこと、日本人の英語力の低さが背景にあるんじゃないかなと、わたしは思っている。

話を戻すと、いかにして日本人の友達ができていくのか。でき方としては、こんな感じである。

1.夫に同僚の奥様を紹介してもらった
2.FBの日本人ママコミュニティに参加し、情報提供を募ったり、実際に集まりに参加してみたりした
3.道端ですれ違ったときに声をかけた
4.1~3でできた友達から紹介された

実際子連れで出かけるようになってからは、「3.道端ですれ違った」がかなり増えた。詳しくいうと、公園で遊ばせていて「あの・・・日本人ですか?」とどちらからともなく話しかけてスタートするものだ。あとは、病院の待合室とか。

それからLINEを交換して、挨拶がてらメッセージを送り合い、気が合いそうな方であれば「今度お茶でも~!」とか子供の年も近かったりすると「今度一緒に遊びませんか~!」とか、そんなやりとりをするわけだ。

前提として、わたしはこういう「友達作り」が全く苦でなく、むしろ楽しく感じられるタイプである。とはいえ、誰でも彼でもみんな友達として仲良くしているわけではない。

ストレスなく人付き合いするためにすり合わせておくべきこと

学校生活のようにクラスがあるわけでもなく、会社のように同僚や先輩がいるわけでもない。誰の気にも留められない、異国でのぼっち感はなかなか辛い。

とはいえ、相手のバックグラウンドがわからぬまま「日本人だから」「子供の年齢が近いから」というだけで友達になったとて、無理して相手に合わせたりすると必ずどこかで疲れてしまう。異国であることによる吊り橋効果なのか距離感が縮んでしまいがちだけれど、おさえるところはおさえた方がいいよと思うことについて書いてみたい。

ストレスなく楽しく人と付き合うために、以下の感覚はすり合わせているつもりである。すり合わせた上で、かなり自分と異なるようであれば、それ前提で無理のない程度に付き合っている。

1.金銭感覚

たとえば、ランチのお店選びで3000円クラスばかりを無邪気に提案してくる人は、私にとっては金銭感覚がかなりリッチである。わたしにはそんなお金はないので、さわやかに違う方向に誘導する。

実際何度かそういうランチもしたことはあるが、子連れランチだと気が散ってしまい味わえたものではないし、そういう店はとっておきな日、且つ子無しで行きたいなと思っている。

2.時間感覚

わたしは、息子の生活スケジュールを乱すような外出はほぼしないようにしている。睡眠・食事を可能な限り円滑に行うにはすべてルーティン化するのが一番楽だからだ。時間をかけて食事をしたり、ましてやそのあとお茶をゆっくり嗜むようなことはできない、、ということをご理解いただくようにしている。

それでも、語らいたいことはたくさんあるし、特に息子が歩くようになってからは、親同士話している最中にあちこちに行ってしまいろくに会話できないこともしばしば。最近は週末に子を夫に預けてママ友とモーニングに行ったり、数か月に1回は夜に飲みに行ったりしている。これがまた格別の解放感を感じられて楽しい。

3.安全性や清潔感に対する感覚

外国ならではの話であるが、「可能な限りローカル要素を取り入れた生活をしてみたい」勢と、そうでない勢がいる。マレーシアの場合、前者だと清潔感に欠ける場面を体験することが往々にしてある。

わたしはどちらかというと前者で、1㎞圏内だったら多少道のりが険しくても徒歩で行くし、ローカルの人が通うコインランドリーに行ってみたり、中国語しか飛び交ってないような食堂に行ってみたり、一桁リンギ(300円以内)のローカル飯を食べたり、、というのを多少している方だと思っている。

一方、後者のみなさんは、安全性、清潔性を常に強く意識しながら生活しているので(外国にいるなら当然持ち合わせるべき感覚であることは言うまでもないが)、行先に関して提案する際は、十分に気を払わないといけない。「近所だから歩いていく?」といって「こんな道ベビーカーで行ってるの…?歩道なくない?段差だらけじゃない?え、ここスリとかいない?」とドン引かれたエピソードがいくつもある(実際スリが出るようなエリアではない、と思う、たぶん)。

・・・上記3点について相互に理解があれば、付き合っていてすごく楽だなと思っている。それは必ずしも「わたしと同じである」ことを求めているわけではない。

***

長々と書いてしまった。

夫の任期も残り1年になり、あっという間に折り返し地点に来た。本帰国をした友達の中には、帰国後また違う国に行ってしまった人もいて(いわゆる「スライド」ってやつ)、しばらく再会は叶わなそうだけど、いつか異国で共に育児した日々を振り返って笑い合える日が来るのが楽しみである。

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