身体の動きを学んでみる3;筋力について(5)
今回と次回は、
今までとは少し違う観点から
筋(出)力の話をしたいと思います。
具体的には筋肉の収縮様式についてです。
筋肉の収縮様式について
ダンベルを使った上腕二頭筋(二の腕の力瘤が出る筋肉;
肘を曲げる筋肉)の働きに関係する話から始めます。
上の写真の肘を曲げる筋肉が上腕二頭筋です(赤で囲んだ部分)。
肘を曲げるという動きに関しては主動作筋になります。
対して青で囲まれた部分は上腕三頭筋と言って、
逆に肘を伸ばす主動作筋です。
上腕二頭筋に対しては拮抗筋の関係になります。
さて肘を曲げていく動きの際、
上腕二頭筋は神経からの指令を受けて活動しています。
この時の収縮様式を求心性収縮 (concentric contraction) と呼んでいます。
筋の長さが縮みながら収縮している様態です。
一方の上腕三頭筋は弛んで活動を休止しています。
肘を曲げる動きを速くしていけばいくほど、
上腕二頭筋の活動は高まり、
その拮抗筋である上腕三頭筋は、
できるだけ肘曲げの動きを邪魔しないよう
抑制され続けます。
※あまりにも速く曲げると、伸長反射による収縮が
起きてしまいます。
前回書いたように筋腱にある受容器(センサー)が働いて
筋肉が伸ばされ過ぎて傷まないように
防御するようになっています。
通常は、単純な一(いち)方向への関節の動きの場合、
主動作筋が活動しているあいだ、拮抗筋は抑制されています。
これを相反神経支配と呼びます。
それによって素早い/スムーズな関節の動きが
達成されます。
しかし、下の写真のように、
ある位置で止めた場合はどうでしょう?
この場合には、
主動作筋と拮抗筋が同時に収縮して
一定の位置に関節を固定/維持/保持します。
この時の筋は同時収縮していると言います。
言葉を換えると
等尺性収縮 (isometric contraction)と呼ばれている収縮様式;
筋肉の長さが変化しない状態で収縮している様態;です。
ではここからゆっくりと
肘を伸ばしていく場合はどうでしょう?
ちょっとお腹いっぱいかもしれませんね。
この話は次回にしたいと思います。
今回はこれで終わります。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ではまた次回に。