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アニメガタリ:『究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら』

攻略サイトを見ながらゲームを遊んだことはある?

俺はある。常にしている。ゲームをする時くらいストレスを感じたくないからだ。

攻略サイトを見ないのはフロムゲーくらい。

そんな攻略サイトを使って物語にしたらどうなるだろう?

という疑問を提示してくれたのが「究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら」だ。

2021年4月~6月までアニメ化もされていたので、見ていた人もいただろう。

今回はその「究極進化したフルダイブRPGが現実よりもクソゲーだったら」のアニメを語っていこうと思う。

ストーリー:★★★☆☆

とある事情から陸上部をやめてフルダイブ型のRPGにハマっていた高校生・結城宏(ひろ)は、不良に金を取られた為に新作ゲームを買うことができず、たまたま立ち寄ったゲーム屋で購入させられた『極・クエスト』をプレイすることになった。しかしそのゲームは世間でも認められる超が付くクソゲーで……。

というのが冒頭。ゲームを開始して速攻で親友のマーチンを殺してしまい、ヒロインには命を狙われ、痛覚あり身体能力は現実と同じ、リセットもできないというクソゲーっぷりを存分に視聴者へ見せてくれる。

かといって決してシリアス展開にはならず、作者の土日月氏らしいコメディで物語は進んでいく。

3話まで主人公と視聴者に舞台はクソゲーであると徹底的に見せつけた上で、4話にしてようやくゲーム攻略サイト「オーベルダイン歴程」が提示される。いや、遅ぇよ。

主人公は困った時にオーベルダイン歴程を参考にし、理不尽な目に遭いながらもゲームを攻略していく。

これだけ見たら面白そうなのだけど、実際はそうじゃない。

舞台の『極・クエスト』がクソゲーすぎて、現実とほとんど同じ。現実と違う場所を求めてゲームをするのに、現実世界と同じ状態になっているのだから、主人公のストレスがそのまま視聴者に伝わってくる。

そしてそれでもゲームを続ける主人公に「こいつ何でやめないんだ?」と早くも思うようになる。意地になってゲーム攻略をする理由が全く見つからないのだ。

道中、そんな疑問を抱きつつストーリーが続いていく。その中でも主人公は徹底的にいじめられていく。見ているこっちもストレス。何度かdアニメストアのシークバーを触らせていただいた。感受性の強い人は注意されたし。

主人公がどうしてこのクソゲーに対して向き合うのかも、理由付けとしてはいまいちハッキリ伝わってこなかった。

12話にして現実世界でも主人公が立ち直っていくシーンはこみ上げるものがあったが、それだけ。どんなクソアニメだって、光るシーンがひとつくらいはある。

キャラクター:★★★★☆

どいつもこいつもぶっ飛んでる。悪い意味で記憶に残る。コメディタッチな作品なので、キャラクターがぶっ飛んでいるのは評価できる。
一方で主人公がまともすぎてイライラする部分がある。作品を引っ張る力が見られなかったので、受け身なのも主人公としてはマイナス。

作画:★★★☆☆

作画についてはまぁ、いつものナーロッパ作品アニメとほぼ同じ。使い回しかつ動かない。それはいい。慣れた。

演技:★★★★★

声優さんの演技はどれも素晴らしいし、主人公のツッコミは最高だった。近年前に見るレベルで良かった。

主題歌:★★★★★

主題歌もOP、ED共に素晴らしかった。特にOP。これを聞くために見ていた部分すらある。アニメはMV。FF7についていたトバルNo.1、SO2についていたアストローカだったら良かったが、どう擁護してもラストリベリオンだった。感情を高めて物理で殴ればいいスタイル。もちろん負ける。おい。

まとめ:凡作になり損ねたクソアニメ

土日月氏らしいテイストがふんだんに盛り込まれているのは見所のひとつなのだが、アニメで見ると「慎重勇者」が頭一つ飛び抜けていただけに落胆の方が勝つ。

視聴者にもかかるストレスもかなり大きいので、精神的に病んでいる場合は見ない方が良いアニメだ。

オススメ度 ★★☆☆☆

※この記事はカクヨムでも同名義で公開しています。

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