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解放【エッセイ】

私はずっと、岐阜から、いや、親から離れられなかった。

両親は、浮気くらいはすることはあっても、基本的には家庭を優先してくれ、子供の頃にはそういった事情を耳にすることもなく、おかげで真っ直ぐに育つことができた。

経済的にも問題はなかった。いや、むしろ裕福に育ったほうだと思う。


父は忙しく、母は不器用だった。

大人になってから聞いた。私を産んだとき、母は、誰にも渡したくないほど愛おしいと思ったと。大人になってから考えると、浮気していた父の子供を産み落として、知人もない土地で、姑舅にはいびられ、不安ではなかったのだろうかと思う。

私の感情は未だ乱れている。だから認めたくないが、母がかけがえのない愛を私に感じてくれたのは、真実なのだろう。


けれど私達は分かり合えなかった。

私は子供の頃、親からの愛を必要としていた。けれど私はそれを言い出せず、親もまた不器用だった。

また、親は忙しく、私は子供の頃、殆ど親と話した記憶がない。

私にとって、世界の判断の術は親しかなかった。

成績はよかった。限られた科目だけだが、大体学年で10位内にはいた。ピアノの発表会で子犬のワルツを弾いた。絵画で賞をとったこともある。

けれど親に褒めてもらったことは、一度もなかった。

だから私は、自分が何もできない人間なんだと思いこんでいた。


ある時、かぎ針編がしたくて、母に教わった。母はやはり褒めてはくれない。そして母は説明が苦手で、私が説明を乞うても自分でやってしまう。

私は自分がかぎ針編ができない人間なんだと思いこんでいた。


今日、何気なく編んでみたらそれなりの形になり、仕組みも理解できた。


私は、恥ずかしながら、この年になるまで親の観念の呪縛に囚われていたことを知った。

私は一人で生きていくことはできない、そう思っていた。けれど親がいなくても生きていけるし、岐阜から離れることだってできるのだ。


すでに親を亡くした人から、また逆に親の面倒を見ている人からすれば、何をしょうもないことを、と思われるような内容だろう。

でも、いまこれに気付くことは私にとってとても重要なことだった。


軽くなったのもあり、寂しくもある。私は心のどこかでは分かっていた。もうすでに自分は一個の大人であり、むしろ親の面倒を見るべき立場にあることを。

もしかするとそれを知りたくなかったのかもしれない。

これは依存だったのかもしれない。だから私は自分の家庭を築けなかったのかもしれない。


今後の経済的基盤の確保もできた。あとは私が親を一個の人間として切り離して接するだけである。

1つ失うがまた別の形で手に入れるのだ。寂しさもやがて癒えるだろう。

親の生きているうちに、また、意識のはっきりしているうちに、このことに気づけて本当に良かった。


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クズの本懐、アニメ見終わりました。ラストは若干寂しかったけど、人それぞれどんな感想もつか違うかなあと思いました。

それより気づいたのは、私って今までこんなに人を好きになったことなかったなあってことでした。

人を好きになるって、寂しくて切なくて焦がれて身を焼いて、そして執着してってことなんだと学びました。

今の恋人に対する私の気持ちがそれですね。これって初恋なのかなあって思いました。


あ、ヒゲを剃る女子高生を拾う、も最後まで見ました。私だったら、あんな辛いことあったら、立ち直れんわ、という衝撃的なことがヒロインの身に起こってました。あ、本筋としては家庭の問題が描かれてますが、そっちじゃないほうです。ネタバレするのでこれ以上は書きませんが^^;

結構キャラが立ってて、感情の捉え方が上手くて、なかなか良い作品でした☺ ラストのアオリ文句?は‥‥いるのかな、とは思いましたが^^;


今はシャドウハウスとか幽☆遊☆白書の続きを見る気持ちになれません(T_T) いっそHUNTER×HUNTER読み返そうかな‥。

何か、鬱アニメとか恋愛物とか、心を揺さぶる繊細な表現のアニメあったら教えてくださいm(_ _)m

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