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冬の色【エッセイ】シロクマ文芸部

冬の色がやってくる。11月と12月はそもそも色が違う。なんて華やか、艶やか。
12月がやってくるとワクワクするのだ。だって空気が違うから。この華やいだ空気の中で沸き立たずにいられるだろうか。
12月は、私の目にはこんなふうに映っている。なんならシャンシャンという鈴の音まで、とてもリアルに聞こえるのだ。
ところが大晦日になると、途端にしんと街は静まりかえる。1年の終わりを街が静かにかみ締めているかのようだ。
そんな12月を過ごし、翌月は、春はあけぼのを体現する風景を見る。

子供の頃冬というのは、切れるような空気に吹かれるのがかっこいいと思っていた。
けれどここ最近は、ああ、冬って意外と華やかなんだなあと感じる。

1月になると開けて行くから、私にとっての冬とはおそらく12月なのだろう。
今年も賑やかな空気に囲まれて、1年の終わりを確かめる。
来年は開かれた年になるといいなあ。

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